こんにちは。
フィレンツェ、多分イタリア全体ですっかり秋らしく、朝晩は肌寒くなってきました。(写真は拾って来た無料写真でフィレンツェには全く関係ありません)
夏季休暇から戻ったもののブログを放置したままで、何か書きたいなー、と思いつつ、書きたい事が溜まりすぎてテーマを選べず、更に放置が続く悪循環に陥っています。
通常業務が溜まっていたのを片付けて、いくつか面倒な野暮用を片付け、趣味の日帰り旅行をして、その合間に本を読んで、、ある意味ワーカーホリック?食事を忘れていたり、の日々です。
もやもやした事を書いてからでないと、このままずっと放置が続いてしまう気がするので、とりあえず今回は情報として必要な人はほとんどいないであろう記事になります。
スルーしていただいてOKすぎるページですよ。
ここまで読んでいただいただけでも、恐縮です。
実は、昨日ナポリにまたまた日帰り旅行してきて、(ナポリばっかり取り上げているようですが、明日はペルージャに行く予定です。そのうち行った場所のリストを作ろうかと思ってます。若干の便利かもしれない情報は付け加えられるかもしれないし。)
行き帰りの電車で読んでいた「ゲンロン0 観光客の哲学-東浩紀著」とあいまって、観光と自分の位置を考えるいい機会にもなりました。
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もちろん、この著者はガチ観光地でガイドをする事についての哲学を書いている訳ではなく、福島原発の事故後、”フクシマ”として世界に知られたイメージと実際の古くから歴史のある”福島”の違いを、「原作-二次創作」という切り口で語り出します。
そこで、私自身の現実を思う時、いわゆるイメージ先行観光地、”フィレンツェ”(二次創作物)と、現実の”Firenze”を対比させたりする訳ですね。
観光客としてのふわふわした自身をナポリで感じたり・・・。それが観光なのかも含めて、”観光”という曖昧な言葉に違和感を感じていたところに、一つの説明がなされた感があります。おすすめ本です。
この本はKindle版で購入して、日本で免税で買ったばかりのipadで読んでいます。ipadを買った途端に愛用していたipodを紛失してしまい落ち込んでいたのですが、kindleを読むのに画面の大きいipadの方が適している!と今更ながら気づいて喜んでいます。(本来の目的は、ガイド中に参考画像などをお見せする為です。)
ただ、読書スピードを計って、読み終わるまでの時間を予想する機能は余計なお世話ですね。他の本と同時進行して読んだり、参照された事を調べに他に行ったまま数日帰って来れなかったりするので、全く予想は外れておるっ!と言いたい。
同時進行の本は例えばこれ。
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実は、上記二冊の本はまだ両方とも半分くらいしか読んんでいないので、書評はなしです。(そもそも、そんな大それた事しないけど)
あくまで半分読んだだけでの感想では、今まで顧みられる事のなかった戦前、戦中彫刻の様子が語られていて、非常に新鮮なのと同時に今までそれが無かったかのごとく日本の美術が成っていた事が、ものすごく歪んでいて不自然なものだったと、そう思います。
日本の美術教育の出発点に成ってしまっていた石膏デッサンについてはこちらも。
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グランドツアーという上流階級の人たちがイタリアなどに旅行する事が教養の一つになっていた時代の事について、美術史上の常識的な一面しか知らなかったところを「ゲンロン0」では哲学に、「彫刻」では スタチューマニア-彫刻建立癖 についての話で、立体的な伏線のある現代に続くアルゴメントだな、と思わせてくれました。
個人的には、特に戦後の歴史についてはもう少し違う角度から見た、こちらも混ぜていただけたらもっと思います。
いわゆる西洋の言論や歴史をそのまま日本から世界を見る目に当てはめるには無理があると感じられるのです。
眉を顰める方もいらっしゃるかもしれない動画!
そもそも、あまり政治的だったり思想的だったりする事を表明する事は、特に”観光業”ではタブーですね、そもそも関係ないし?!
でも、私は歴史も現在の私たちの一部であるので、色々あっていいと思います。
“思う”を表明することについて、ふと思ったのには、
つい先週、「ウーマンラッシュアワー村本が突如フィレンツェに現れ赤ワイン片手に独演会をして去って行く夜」っていうイベントに行ってきたからでもあります。
村本さんの語りの内容で、「I think…自分は思う」を言う事が憚れる空気ってなんだ?っていうのがあったんです。
他人が思う内容が自分のものと一致しないからといって、「氏ね」という人格否定を投げつけるのは、アホですよね。(あ!否定しちゃった。)
特に投票率が低い日本において政治の話が全く日常的に聞こえてこない、あってもネット上の匿名でのお話だけであったりする事についての異常性は、もっと意識されても良いのではないかと思います。
意見の違う相手であっても、家族の一人であり友人であり続けるのだから。
尖閣諸島を中華人民共和国に渡してもいいっていうのは全く同意できませんが、村本さんご本人とお話をすると、とんでもなく真摯な方だと感じられて、うれしく思いました。(大学時代の飲み会の酔っ払いな感じ)
最近、日本が遠い知らない国のように感じる事もあったのですが、なんだかもっと身近なのかも、と。
あ、独演会、久しぶりに大笑いをしました。楽しかったですー。