サンタ・マリア・ノヴェッラ教会/薬局 Basilica di Santa Maria Novella

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会 正面

もくじ

 

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会 Basilica di Santa Maria Novella

ルネサンスを代表するレオン・バッティスタ・アルベルティ設計のファサードを持つゴシック建築。 フィレンツェは大聖堂の他に二つの大きな教会があります。フランシスコ会のサンタ・クローチェ教会と、ここドメニコ会のサンタ・マリア・ノヴェッラ教会。
フィレンツェで最初のゴシック建築教会で現在の建物は1279年竣工です。

 

-入場について

あまり混まない場所ですが、チケット窓口が一つしかないので待たされる場合があります。そんな時はフィレンツェカードの優先ゲート(広場側の入り口より左)か、同じく優先ゲートを使えるオンラインチケットが便利です。2020年現在、オフィシャルサイトから購入できるこのチケットに予約料はかかりません。購入するとメールでバーコードのついたpdfチケットが送られてきますので、プリントアウトして使います。

-入場チケットに含まれる場所

  • 教会内部
  • キオストロヴェルデ(緑の中庭)Chiostro Verde
  • キオストロ・デイ・モルティ(死者の中庭)Chiestro dei morti
  • スペイン人の礼拝堂 Cappellone degli Spagnoli
  • キオストロ・グランデ(大きな中庭)Chiostro grande
  • 食堂 Refettorio
  • 寝所 Dormitorio

 

-教皇の礼拝堂  Cappella dei Papi

キオストロ・グランデに面した上の階の部屋は、15世期に造られた教皇の為の宿泊場所です。二人のメディチの教皇の他に、マルティーノ5世、エウジェニオ4世もここに泊まりました。専用の礼拝堂が備え付けられており、ポントルモのヴェールのヴェロニカのフレスコ画が有名です。
ここに入るには下記のMUS.Eに申し込む必要があります。

 

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会 内部

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会内部

ゴシック様式の特徴、尖頭アーチが使われています。目の錯覚を利用して奥行きをよりダイナミックに見せるために、柱と柱の距離が均等ではありません。

磔刑像 ブルネッレスキ

磔刑像 フィリッポ・ブルネッレスキ

左翼廊ゴンディ礼拝堂にありますサンタ・クローチェ教会にある磔刑像を友人ドナテッロに完成直後に見せられた後、ブルネッレスキが制作したのがこの像。ドナテッロの作品が最後の息を吸った瞬間なのに対して、こちらは息を吐いた後。それぞれに違いがありどちらも名作。

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会 祭壇掛け

パリオット

最近になって修復が終わったばかりの、信者さん側の祭壇を覆うための布でパリオットと呼ばれます。(聖職者側はドッサーレです)絹に細かい刺繍が施されていて、たくさんの花の中には1600年当時、大変貴重でコレクションの対象にもなってゆくチューリップが見られます。

マザッチョ 三位一体

三位一体 マザッチョ

ヴァザーリの祭壇の後から出てきたマザッチョのフレスコ画。下の骸骨の絵はここに眠り死者からのメッセージ。「 IO FU' GIÀ QUEL CHE VOI SETE, E QUEL CH'I' SON VOI ANCO SARETE. 私はあなたたち(と同じ)だった、そして私はあなたたち(の未来の姿)であろう(意訳)」という"メメントモリ-死を忘るなかれ"

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会 ストロッツィ家礼拝堂 フィリッピーノ・リッピ

フィリッポ・ストロッツィ礼拝堂 フィリッピーノ・リッピ

主祭壇のお隣、右翼廊にあります。登場人物としては珍しい聖フィリッポが描かれています。注文者と同じ名前の聖人です。

スペイン人の礼拝堂

スペイン人の大礼拝堂 アンドレア・ボナイウート

スペイン人らが集まっていたのでこの名前で呼ばれる、ちょっと大きめの礼拝堂です。アンドレア・ボナイウートの1300年代のフレスコ画が壁と天井全面に施されています。フィレンツェ大聖堂のクーポラが完成する前に描かれたので、その当時"こうなる予定だった形"のクーポラが見えます。

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会 パオロ・ウッチェッロ フレスコ画

大洪水/ノア酩酊 パオロ・ウッチェッロ

もともとはキオストロ・ヴェルデという出口近くの中庭を飾っていたフレスコ画です。上は"大洪水"、下は"酔っ払ったノア"。特に上の絵は、ピラミッドのような形をしたノアの箱舟に、遠近法の消失点が2つある特徴的な絵です。修復後はその他のパオロウッチェッロのシリーズ作品と共に食堂の奥に展示されています。見逃す人もよくいます...。

裏から出てくるフレスコ画

裏から出てくるフレスコ画

最近になって修復で出現した壁の中にあったフレスコ画です。詳しくはブログ記事へ→ 壁の中の隠されたフレスコ画 サンタ・マリア・ノヴェッラ教会

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会 キオストロ・グランデ 中庭

キオストロ・グランデ "大きな中庭"

軍の敷地なので特別な機会にしか一般公開されていなかったのですが、2017年よりフィレンツェ市との合意により、教会美術館の一部として公開されています。トレント公会議の後、一番最初に制作された反宗教革命の考えに沿った図像のフレスコ画が壁を覆います。サンティ・ディ・ティートアレッサンドロ・アッローリルドヴィーコ・チーゴリ、などが描いています。

主祭壇 トルナブオーニ礼拝堂

トルナブオーニ主祭壇のステンドグラス ドメニコ・ギルランダイオ

フィレンツェの電車の玄関口、サンタ・マリア・ノヴェッラ駅から見えるのが丁度このステンドグラスのある側なのですが、内側から見なくてはこの美しさは分かりません。ドメニコ・ギルランダーイオの下絵による作品です。両側の壁には同じくギルランダイオの代表作であるフレスコ画があります。

教皇の礼拝堂 ポントルモ

教皇の礼拝堂 ヤーコポ・ポントルモ

ヴェールのヴェロニカ。ポントルモの代表作に数えられます。この反対側にはリドルフォ・ディ・ギルランダイオによる"聖母マリアの戴冠"があります。小さいながらも非常に美しい空間です。

寝所

寝所 ドルミトーリオ

1900年代はカラビニエーリ(国防省警察)学校の食堂として使われていましたが、近年美術館の一般コースに入り公開されています。特別展などにも使われます。

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会 インフォメーション

所在地

Piazza di Santa Maria Novella, 18
入り口はサンタ・マリアノヴェッラ広場側と駅側の2つ。

公開時間

時期 月〜木 土,宗教行事の前日 日,宗教行事の日
10月-3月 09:00-17:30 11:00-17:30 09:00-17:30 13:00-17:30
4月-6月 09:00-19:00 11:00-19:00 09:00-17:30 13:00-17:30
7月-8月 09:00-19:00 11:00-19:00 09:00-18:30 12:00-18:30
9月 09:00-19:00 11:00-19:00 09:00-17:30 12:00-17:30

*チケット売り場は閉館45分前に閉まります。

閉館日

1月1日、1月6日、8月15日、11月1日、12月8日、12月25日、復活祭(移動祝日)

入館料

大人: 7.50 ユーロ
11〜17歳: 5,00 ユーロ
11歳未満は無料。特別展の際は値上がりします。

所要時間

40分〜1.5時間

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会オフィシャルページ

-Opera per Santa Maria Novella-

MUS.E オフィシャルページ

-musei // eventi firenze-

 


 
 
 

サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局 Officina Profumo Farmaceutica di S.M.N.

ヨーロッパで一番古い薬局とされており、一般への開店は1612年、1652年には大公フェルディナンド二世に正式に認められました。サンタ・マリア・ノヴェッラ教会の一部でしたが1800年代後半に政府の手に渡り、民間に譲渡されましたので、現在は教会とは別の運営です。なので、同じ敷地内にありますが、薬局の入り口はスカーラ通りVia della Scalaにあります。
薬局とは思えない美しい内装の本店。店の一部にはフレスコ画も。
日本にも支店がありますが、ここは品揃えが豊富で免税もできるので人気です。 日本語の商品リストも入り口付近に用意されています。 下のリンクからお店の様子や商品情報を見る事ができます。
購入方法は、商品ジャンルごとに分かれているカウンターで商品を選び、その商品と数量を登録したカードを受け取ります。同じカードで他のカウンターでもお買い物を続けられ、最後にキャッシャーでお会計と商品受け取りです。
中にはカフェコーナーもあり、くつろげます。個人的にはケーキがおすすめです。

サンタマリアノヴェッラ薬局 入り口

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会側入り口

現在お店にはスカーラ通りから入りますが、教会のキオストロ・グランデにあるこちらの入り口が以前のものです。より教会の一部であったことが感じられます。店内からは逆にこちらの緑の美しい中庭が見えます。

サン・マルコの薬局

サン・マルコ教会の薬局

カヴール通りにあるこの場所、サン・マルコ薬局の跡です。同じくドメニコ会であるサン・マルコ修道院に閉接されていたサンタ・マリア・ノヴェッラ薬局の双子の片割れとも言える店で、1450年一般向けに開店。残念ながら1995年に閉店。サン・マルコ修道院にはサン・マルコ美術館があり、こちらは閉館の危機に面しながらも2020年現在まだ大丈夫...。

サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局 インフォメーション

所在地

Via della Scala, 16

営業時間

9:00-20:00

サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局オフィシャルページ

-Officina Profumo Farmaceutica di Santa Maria Novella-