サンタ・フェリチタ教会
ヴェッキオ橋をピッティ宮殿に向かって渡ってすぐ左側にある小さな教会。
聖フェリチタという聖人に奉献された教会なので、イタリア語の"felicità-幸せ"(アクセントがa)ではなく、"Felicita"と書き、発音はフェリーチタに近くなります。
この教会の正面側をヴァザーリの回廊が通過しています。↓
-サンタ・フェリチタ教会のなりたち
サン・ロレンツォ教会と共にフィレンツェにある最も古い教会の一つ。4世紀終わり頃からのものと考えられています。
その後、蛮族の進入があった時代に一度初期の教会は破壊され、その遺跡の一部は地中に眠ります。
11世期にロマネスク様式の教会として再建、14世期にはゴシック様式に、現在の姿は18世期のデザインです。
-教会内部
この教会で何より有名なのが、カッポーニ礼拝堂。ポントルモの祭壇画、フレスコ画、天井の4つの円の中の作品はブロンズィーノも手がけている16世期マニエリスム期の代表作。入り口を入ってすぐ右の礼拝堂です。
その反対側、左側にはカニジャーニの礼拝堂。ベルナルディーノ・ポッチェッティのフレスコ画があります。
他には、ファブリツィオ・ボスキ、シモーネ・ピンニョーニ、アントーニオ・チーゼリなどが制作した祭壇画があります。
週に数回、普段はしまっている聖具室、聖職者評議会の間にもガイドツアーに参加することで見学可能。
サンタ・フェリチタ教会 内部
設計はフェルディナンド・ルッジェーリ。ヴェッキオ宮殿の後ろにあるサン・フィレンツェ教会も設計しています。
ヴァザーリの回廊から見たサンタ・フェリチタ教会内部
ヴァザーリの回廊から下りる事なくミサに参加ができました。
カッポーニ礼拝堂 ヤーコポ・ポントルモ
有名作品なので細かい説明は割愛します。一番右にいるニコデモがポントルモ本人の自画像。タイトルは"十字架降下 Deposizione"というが通例ですが、聖体としてのキリストの肉体を祭壇に運ぶシーンになります。聖体拝領の信仰が強かった16世紀のものです。
カッポーニ礼拝堂 天井
この天井は2018年の修復によって再び目にすることができるようになりました。それまでは単なる白塗りでした。1770年頃のものです。
カッポーニ礼拝堂 南側の壁 ポントルモ
同じくポントルモで"受胎告知"、真ん中のステンドグラスはGuillaume de Marcillat(知らない発音のフランス名...)による"墓へのキリストの運搬 Trasporto al sepolcro"。礼拝堂内の全てのテーマがストーリを形作ります。
カピトラーレ 聖職者評議会の間
ボランティアの方がガイドツアーをしていただける時のみ入れます。聖職者評議会の間、カピトラーレ。14世紀と17世紀の絵画が不思議な同居をしています。ニッコロ・ディ・ピエトロ・ジェリーニと、コジモ・ウリヴェッリ作。
ローマ時代、初期キリスト教時代の碑板、中世の紋章
サンタ・フェリチタ教会とその周辺で見つかったローマ時代、初期キリスト教時代の碑板が1700年代に教会中庭側に中世後期の紋章と共に配されました。
サンタ・フェリチタ教会 インフォメーション
所在地
Piazza Santa Felicita, 3
公開時間
月-土 9:30-12:30/15:30-17:00
*宗教行事などで予告なく閉まる事もあります。