もくじ
サンタ・トリニタ教会のなりたち
ブランドショップの並ぶトルナブオーニ通り、フェラガモ本店の斜向かいにあります。アルノ川にかかるヴェッキオ橋の一つ川下の、サンタ・トリニタ橋のすぐそば。
ベネディクト派のヴァッロンブロザーナ信心会の教会として1077には存在していたと確認されています。当初ここはフィレンツェの城壁外にありましたが街の発展と共に12世紀には城壁内に入る事になります。
13世期半ばにはゴシック様式の教会として改築されます。このゴシック時代の教会に現在ウフィツィ美術館に展示されているチマブーエの”荘厳の聖母子”が飾られました。
16世期終わり、反宗教改革により大きな改装がなされます。その時の建築家はベルナルド・ブオンタレンティ。現在のファサードもこのブオンタレンティの設計です。
ブオンタレンティは大きな祭壇もデザインしましたが、19世期の修復(ゴシックスタイルが流行した時代で、今では修復とは言えないかなり強引な改修もあります)の時に、ヴェッキオ橋近くのサント・ステファノ・アル・ポンテに移動されました。現在この教会で祭壇を見る事ができます。
他にこの修復の時に、サン・パンクラツィオ教会(現マリノ・マリーニ美術館)の壁画もサンタ・トリニタ教会に移設されています。
サンタ・トリニタ教会内部
サッセッティ礼拝堂 – ドメニコ・ギルランダイオ
右翼廊にあるサッセッティ礼拝堂のフレスコ画はギルランダイオによるもの。
本当はサンタ・マリア・ノヴェッラ教会に寄進したかった注文主のフランチェスコ・サッセッティ、故あってこちらなりました。
中央に置かれた板絵も同じくギルランダイオ作。
農民の礼拝 – ドメニコ・ギルランダイオ
サッセッティ礼拝堂内の祭壇画
マグダラのマリア – デジデーリオ・ダ・デッティニャーノ
木彫。夭折の天才と呼ばれるデジデーリオ・ダ・デッティニャーノの代表作の一つ。
ベノッツォ・フェデリーギのモニュメント – ルーカ・デッラ・ロッビア
多色釉薬の表現もとても美しいモニュメント。
クリプタ 地下
近年中を見学できるようになりました。トリコンカTriconcaと呼ばれる三つ貝殻が合わさったような、葉のクローバーのような特徴的な建築構造が見られます。
これはフィレンツェ大聖堂のプランを縮小したかのような形です。
他には、ロレンツォ・モナコの現存する唯一のフレスコ画、ストロッツィ聖具室(普段非公開)、エンポリによる受胎告知などもあります。
-教会の名前について
ちなみに、教会の名前になっている”トリニタ”は三位一体を表す言葉ですが、普通イタリア語ではTrinitàと最後のaにアクセントがつくところ、フィレンツェのラテン語由来の訛りで後ろから二つ目の母音にアクセントが移ります。
カタカナ発音だとトリーニタが近くなります。(Tの後にo入らないので「と」にはならないとかは別として)
なので、トリニータという日本のサッカーチームとは全く違います。
似たような発音でサンタ・フェリチタ教会は、Felicità(意味は”幸せ”)ではなくFelìcitaになります。こちらは聖フェリーチタという聖人の名前から。
なるべく正しく表記しようとすると、サンタ・フェリーチタ教会なのですが、”フェリチタ”が一般化しているみたいなので、そのままにしています。
マリノ・マリーニ美術館もMarino Mariniなのでマリーノ・マリーニですが、大学時代にマリノ・マリーニと聞いたのが普通だと認識してしまっています。
言い出すとキリがありません。
サンタ・トリニタ教会 インフォメーション
-所在地
Piazza di Santa Trinita, Firenze
-公開時間
月-日 7:00-12:00/16:00-19:00
*宗教行事などで予告なく閉まる事もあります。