もくじ
サンタ・マリア・ノヴェッラ教会のなりたち
ルネサンスを代表するレオン・バッティスタ・アルベルティ設計のファサードを持つゴシック建築。
フィレンツェは大聖堂の他に二つの大きな教会があります。フランシスコ会のサンタ・クローチェ教会と、ここドメニコ会のサンタ・マリア・ノヴェッラ教会。
フィレンツェで最初のゴシック建築教会で現在の建物は1279年竣工です。
サンタ・マリア・ノヴェッラ教会内部
以下の場所が通常の教会内見学ルートです。
- サンタ・マリア・ノヴェッラ教会内部
- キオストロヴェルデ(緑の中庭)Chiostro Verde
- キオストロ・デイ・モルティ(死者の中庭)Chiestro dei morti
- スペイン人の礼拝堂 Cappellone degli Spagnoli
- キオストロ・グランデ(大きな中庭)Chiostro grande
- 食堂 Refettorio
- 寝所 Dormitorio
サンタ・マリア・ノヴェッラ教会内部
ゴシック様式の特徴、尖頭アーチが使われています。目の錯覚を利用して奥行きをよりダイナミックに見せるために、柱と柱の距離が均等ではありません。
三位一体 マザッチョ
ヴァザーリの祭壇の後から出てきたマザッチョのフレスコ画。下の骸骨の絵はここに眠り死者からのメッセージ。「 IO FU’ GIÀ QUEL CHE VOI SETE, E QUEL CH’I’ SON VOI ANCO SARETE. 私はあなたたち(と同じ)だった、そして私はあなたたち(の未来の姿)であろう(意訳)」という”メメントモリ-死を忘るなかれ”
トルナブオーニ主祭壇のステンドグラス ドメニコ・ギルランダイオ
フィレンツェの電車の玄関口、サンタ・マリア・ノヴェッラ駅から見えるのが丁度このステンドグラスのある側なのですが、内側から見なくてはこの美しさは分かりません。ドメニコ・ギルランダーイオの下絵による作品です。両側の壁には同じくギルランダイオの代表作であるフレスコ画があります。
フィリッポ・ストロッツィ礼拝堂 フィリッピーノ・リッピ
主祭壇のお隣、右翼廊にあります。登場人物としては珍しい聖フィリッポが描かれています。注文者と同じ名前の聖人です。
磔刑像 フィリッポ・ブルネッレスキ
主祭壇の左隣にあるブルネッレスキの磔刑像。サンタ・クローチェ教会のドナテッロ作磔刑像を見てから制作したエピソードがあります。
教会内の床の印
床に真鍮でできたラインとマークがあります。ブログ記事→ サンタ・マリア・ノヴェッラ教会で春のイベント: 日時計
裏から出てくるフレスコ画
最近になって修復で出現した壁の中にあったフレスコ画です。詳しくはブログ記事へ→ 壁の中の隠されたフレスコ画 サンタ・マリア・ノヴェッラ教会
スペイン人の大礼拝堂 アンドレア・ボナイウート
スペイン人らが集まっていたのでこの名前で呼ばれる、ちょっと大きめの礼拝堂です。アンドレア・ボナイウートの1300年代のフレスコ画が壁と天井全面に施されています。フィレンツェ大聖堂のクーポラが完成する前に描かれたので、その当時”こうなる予定だった形”のクーポラが見えます。
大洪水/ノア酩酊 パオロ・ウッチェッロ
もともとはキオストロ・ヴェルデという出口近くの中庭を飾っていたフレスコ画です。上は”大洪水“、下は”酔っ払ったノア“。特に上の絵は、ピラミッドのような形をしたノアの箱舟に、遠近法の消失点が2つある特徴的な絵です。修復後はその他のパオロウッチェッロのシリーズ作品と共に食堂の奥に展示されています。見逃す人もよくいます…。
パリオット
最近になって修復が終わったばかりの、信者さん側の祭壇を覆うための布でパリオットと呼ばれます。(聖職者側はドッサーレです)絹に細かい刺繍が施されていて、たくさんの花の中には1600年当時、大変貴重でコレクションの対象にもなってゆくチューリップが見られます。
キオストロ・グランデ ”大きな中庭”
軍の敷地なので特別な機会にしか一般公開されていなかったのですが、2017年よりフィレンツェ市との合意により、教会美術館の一部として公開されています。トレント公会議の後、一番最初に制作された反宗教革命の考えに沿った図像のフレスコ画が壁を覆います。サンティ・ディ・ティート、アレッサンドロ・アッローリ、ルドヴィーコ・チーゴリ、などが描いています。
寝所 ドルミトーリオ
1900年代はカラビニエーリ(国防省警察)学校の食堂として使われていましたが、近年美術館の一般コースに入り公開されています。特別展などにも使われます。
教皇の礼拝堂 Cappella dei Papi
キオストロ・グランデに面した上の階の部屋は、15世期に造られた教皇の為の宿泊場所で『教皇の礼拝堂 Cappella dei Papi』と呼ばれます。
二人のメディチの教皇の他に、マルティーノ5世、エウジェニオ4世もここに泊まりました。専用の礼拝堂が備え付けられており、ポントルモのヴェールのヴェロニカのフレスコ画が有名。
ここに入るには下記のMUS.Eに申し込む必要があります。
サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局 Officina Profumo Farmaceutica di S.M.N.
ヨーロッパで一番古い薬局とされており、一般への開店は1612年、1652年には大公フェルディナンド二世に正式に認められました。
サンタ・マリア・ノヴェッラ教会の一部でしたが1800年代後半に政府の手に渡り、民間に譲渡されましたので、現在は教会とは別の運営です。
なので、同じ敷地内にありますが、薬局の入り口はスカーラ通りVia della Scalaにあります。
薬局とは思えない美しい内装の本店。店の一部にはフレスコ画もあります。
現在は本店だけでなく支店がフィレンツェの街中にできて、お買い物がしやすくなりました。
-サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局 インフォメーション
本店所在地
Via della Scala, 16
営業時間
9:30-20:00
サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局オフィシャルページ
–Officina Profumo Farmaceutica di Santa Maria Novella–
サンタ・マリア・ノヴェッラ教会 インフォメーション
-所在地
Piazza di Santa Maria Novella, 18
-公開時間
月-木 | 金 | 土,祝祭日 | 日,祝祭日 | |
---|---|---|---|---|
4〜6月 | 9:00-17:30 | 11:00-17:30 | 9:00-17:30 | 13:00-17:30 |
7〜9月 | 9:00-17:30 | 11:00-17:30 | 9:00-17:30 | 12:00-17:30 |
10〜3月 | 9:00-17:30 | 11:00-17:30 | 9:00-17:30 | 13:00-17:30 |
-所要時間目安
40分〜1.5時間
-サンタ・マリア・ノヴェッラ教会オフィシャルページ
–Opera per Santa Maria Novella–