ラ・スペーコラ美術館
1775年に開館したヨーロッパで最も歴史のある科学ミュージアムの1つ。(美術的要素を含む展示品があるので、博物館ではなく美術館と訳します。)
場所は少し分かりにくいですが、ロマーナ通りに面した門から中に入ると、奥に階段があり、2階(日本式3階)まで登った美術館のあるフロアにチケット売り場はあります。(エレベーターあり)
膨大な収蔵品がある中、有名なのは2階にある剥製コレクション、蝋人形コレクションです。
地上階
- 3,000点の骨標本コレクションがあります。特に哺乳類の標本が豊富。(見学には要予約)
1階(日本式2階)
- 中庭兼出入り口。ボーボリ庭園へ(から)のアクセスが可能。
- ガリレオのトリブーナと呼ばれる1841年にガリレオを記念して造られた部屋。(見学無料)
- 鉱物展示室(要美術館チケット)
2階(日本式3階)
- 動物の剥製収蔵数は350万点以上あり、その内約5,000点が展示されています。(要美術館チケット)
- 1700年代に制作された世界随一の蝋製人体標本、1600年代後半ガエターノ・ズンボによる蝋作品コレクション、骨解剖レパートリーなどが有名。(現在、美術館の一区間にまとめられています。時間指定のツアーに参加すると見学できます。下記参照)
塔(旧天体観測所)
- 1700年代終わりに天体観測用に建てられましたが、街灯の登場により街の明かりが届かないアルチェトリに移転しました。(要予約)
ラ・スペーコラ美術館入り口
かなり地味ですがロマーナ通りのここです。
偕老同穴-カイロウドウケツ。まだ小さなエビ2匹が中に入り成長し、夫婦として一生を送ることから日本では縁起物として贈られることも。海綿の一種。
ロレーヌ家がトスカーナを統治した時代、ボーボリ庭園内で飼われていたカバ。寿命を遂げた後に剥製にされました。首には首輪のロープの後が今でも見られます。
美しい蝶々の標本の一部。
哺乳類標本コーナー。剥製は学術的に必要だった少数を除いて、事故などで既に死亡した動物から制作されています。それぞれの時代の好みが反映され、1700年代のものにはポーズが付けられていて、1800年代からは静止ポーズが多くなります。 写真右手前の床に足跡マークのある棚は哺乳類の一種、人間用。鑑賞者が自由に美術館展示物になれます。記念撮影をどうぞ。お一人様見学者の為に向かい側に鏡も設けられています。鏡に写った自分をセルフィー。
日本から贈られた、オオサンショウウオ。
鳥の標本室。どこを見ても、鳥。
ガリレオのトリブーナ。1841年にガリレオ・ガリレイを記念して造られた一室。ここまでは自由に入って無料で見学できます。美術館の展示品の一部も見られます。
Lo Spellato ロ・スペッラート(皮を剥がれた)という名で呼ばれるクレメンテ・スズィーニの代表作。全てが蝋で作られており、解剖学的にも非常に正確にできています。啓蒙思想が普及し、死刑が世界でいち早く廃絶されたフィレンツェで、遺体を切り開くことなく医学の勉強をするのに役立ちました。 標本のポーズはミケランジェロの影響。
1600年代後半の芸術家ガエターノ・ズンボの作品。死をテーマにした一連の作品の1つで、ペストの惨禍を表現しています。当時流行したヴァニタス、マカブルな表現の一つ。
ガエターノ・ズンボ作、頭部。この作品は唯一、本物の頭蓋骨を土台として制作された蝋標本。
ラ・スペーコラ美術館 インフォメーション
所在地
Via Romana, 17
開館時間
10:30-17:30 (6〜9月)
9:30-16:30(10〜5月)
*蝋標本室Sale delle Cere anatomicheには美術館主催の見学ツアー(追加料金一人3ユーロ)に参加して入ることができます。(火〜金 11:30,15:00 土日11:30,12:30,15:00)
-2019年9月より閉館中。再オープン予定等の詳細はオフィシャルサイトでご確認ください。
閉館日
毎週月曜日、1月1日、復活祭、5月1日、8月15日、12月25日
所要時間目安
1〜2時間