オンニッサンティ教会のなりたち
オンニッサンティ教会は、全ての聖人(Ognissanti – オンニッサンティ)に奉献された教会です。
13世紀にフィレンツェの主な商取引であった羊毛下処理の工程がこの辺りで行われていたので、その貧しい労働者たちのために小さな教会ができたのが始まりです。ウミリアーティと呼ばれる会派の教会でした。
現在はサン・サルバトーレ・アル・モンテ教会(ミケランジェロ広場近く)から16世紀に移って来たフランチェスコ会の教会として使われています。
オンニッサンティ教会内部
ボッティチェッリの聖アウグスティヌスの図とそれに呼応するギルランダーイオの聖ヒエロニムスの図、最近修復されたジョットの十字架刑図、そして、ボッティチェッリの墓がある事で有名です。ナポレオンの妹、カロリーナ(カロリーヌ)・ボナパルテの墓もあります。
オンニッサンティ教会外観
オンニッサンティ広場に面しています。写真左の途中で切れている扉が、最後の晩餐を見るために入る扉。教会とは開館時間が異なるので注意。
磔刑図 ジョット
近年修復を終え、美しい色彩と細部が戻ったジョットによる磔刑図。もともとはトラメッゾの上に、信者側を見下ろす位置に置かれていただろうと考えられます。現在は左翼廊の奥に展示され、当時のおおよその高さの再現をしてあります。
聖ヒエロニムス(ジローラモ) ドメニコ・ギルランダイオ
ボッティチェッリの聖アウグスティヌスに対応する、ギルランダーイオの聖ヒエロニムス。両作品とも、トラメッゾ(イコノスタシス)と呼ばれる仕切り壁に描かれていたものが、壁の徹去の際に剥がされ、現在は両側の壁に飾られています。
聖アウグスティヌス(アゴスティーノ) ボッティチェッリ
オンニッサンティ教会、右身廊中程にあります。有名な作品なので貸し出されていることも多く、観れたら幸運!
ヴェスプッチ礼拝堂 ドメニコ・ギルランダーイオ
十字架降架とミゼリコルディアの聖母、ギルランダーイオ作。アメリカ大陸を発見しその名を”アメリカ”と残すアメリゴ・ヴェスプッチは聖母マリアのすぐ左に跪く若者です。
サンドロ・ボッティチェッリの墓
右翼廊にあるこの小さなボッティチェッリの墓。花やメッセージが途絶える事がありません。
カロリーナ・ボナパルテの墓
カロリーナ・ボナパルテはナポレオンの妹。ここにはボッティチェッリの墓のある礼拝堂の奥から入ります。(閉まっていることもあります)
磔刑図 タッデーオ・ガッディ
最近公開された聖具室にあります。この反対側にはシノーピアと呼ばれるフレスコ画で使う下絵部分も展示されているので、制作過程で変更した箇所などもが分かります。
最後の晩餐 ドメニコ・ギルランダーイオ (オンニッサンティ)
オンニッサンティ教会のファサードの左にある別の扉から入ると中庭があり、その奥にギルランダーイオの”最後の晩餐”と、そのシノーピアと呼ばれる下絵などを見る事ができる旧食堂があります。
よく似た構成の”最後の晩餐”は同じフィレンツェのサン・マルコ美術館にあります。
国の管轄なので、見学については下記の文化省公式サイトをご参照ください。
-ギルランダイオ 最後の晩餐 オフィシャルサイト
オンニッサンティ教会 インフォメーション
-所在地
Via Borgo Ognissanti,42 Firenze
入場無料