サント・ステファノ・アル・ポンテ教会 Chiesa di S.Stefano al Ponte
ヴェッキオ橋すぐそばに、サント・ステファノ・アル・ポンテという教会があります。現在は教会としては使われず展示やコンサートなどのイベントに使われているスペースです。ポル・サンタ・マリア通りをヴェッキオ橋を背に歩いて右、ちょっと奥まったところにあります。
そんな場所で開催中のが今回の、ダ・ヴィンチ・エクスペリエンス。
ダ・ヴィンチ・エクスペリエンス展 Da Vinci Experience
2年前にもDa Vinci Aliveという展示もやっていたのですが、それは見ていませんので違いは分かりません。そしてちょっと前まで、”クリムト・エクスペリエンス展”というのが開催されていて話題になりました、そのシリーズです。
クリムトの時よりは面白いと思います。
クリムトの場合は絵のモチーフを分解したり再構成したり、現在のありきたりの手法での画像処理。クリムトのオリジナル絵画を尊重したものには見えませんでしたし、絵の扱いは勝手な技術者による解釈で、一般的な映像遊びに終始し冗長で退屈でした。サウンド効果と光による演出はきれいでした。
今回の展示の方は、映像技術とレオナルドの特に発明品理解と体験がマッチしています。テーマ選択が良かったように感じます。
まず、ヴァーチャル3Dゴーグルをつけて、レオナルドの発明品を体験するのですが、残されたデッサンや再現模型ではやっぱりピンと来ないところがあるのが、これだと実際に発明品に乗ったり動かしたり、面白い。
発明品の模型もいろいろ置いてありました。(フィレンツェからちょっと離れたレオナルド出身の町、ヴィンチにある博物館には沢山あります。)その模型などを一通り見てから、メインの会場へと進みます。
こちら、メインの会場は教会の身廊部分。
ブオンタレンティ設計の主祭壇の美しい階段は、スクリーンで覆われているので、残念ながら現在見ることができません。音楽のコンサートがある時などは見ることができます。
上の写真は、ミラノにある最後の晩餐の一部。
こちらは、ジネーヴラ・デ・ベンチ、フィレンツェ貴族の女性の肖像画。ロンドン、ナショナルギャラリーにあります。
フィレンツェ、ウフィツィ美術館にあるヴェロッキオとその工房の作品、一番左の天使を描いたのが若い頃のレオナルド。使われた技法によってどこが誰の手によって描かれたのか識別されます。
天井にはレオナルドのデッサンから再現したグライダーの模型があり、それ自体がスクリーンになっていました。
教会の助祭壇に映った百合の映像。祭壇の凹凸による映像の変化が面白いです。
骨格図。
絵画作品が映った時にしか写真を撮っていなかった事に今気づきましたが、発明品の映像も多く使われていました。
映像の終わりに、ダヴィンチの言葉やらが映し出されてちょっと感動的。
夏場、暑さに疲れている時に、映像でも見ながらゆっくり床でごろっとしたい、という場合にいいかもしれません。