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時列は上から下。最新情報はページ下の方にあります。
2020年 ヴァザーリの回廊公開
2018年11月12日のニュースです。(写真LA NAZIONE Firenzeより)
ウフィツィ美術館の館長Eike Schmidtより明日13日よりピッティ宮殿にて開催予定の’Fragili tesori dei principì展’についての話の最中に、現在非公開になっているヴァザーリの回廊についてコメントがありました。
“公示にもよるが、順調であれば2020年に公開できるだろう”、との事です。
7〜800万ユーロの資金が必要で、公開されるとチケットは2種類になる予定。
その一つは”Percorso del principe”(君主のルート)で、ヴェッキオ宮殿からウフィツィ美術館、ヴェッキオ橋の上の回廊を通りピッティ宮殿、ボーボリ庭園、更にベルヴェデーレ要塞までという行程です。
その全ての場所にある美術館の鑑賞も含めると、とても時間のかかるコースになってしまうので、それを短くしてウフィツィ美術館の一部であるAuditorium Vasari(第三廊下の地上階にある部屋)から入る短いコースも予定されています。
今回の発表では、旧ヴァザーリの回廊コースに展示されていた自画像コレクションについては特に触れられませんでしたが、どこに展示されるようになるのか気になるところです。
上の写真のGiovanni da San Giovanniの自画像も長い事日の目を浴びずにいますし、。
ともあれ、過去のヴァザーリの回廊見学はその一部のみでしたので、ヴェッキオ宮殿から出発して、ボーボリ庭園へ抜けられるヴァザーリの回廊全コースがついに実現するのは嬉しいかぎり。
ベルヴェデーレ要塞まで行くのはボーボリ庭園の上り坂がかなりきついので、行き着く人がいるのかどうか怪しいですけれどもね。
ヴェッキオ宮殿からウフィツィ美術館への短い回廊が公開されていた時期の記事はこちら↓
–ここから追記 2019年2月18日–
2021年オープンと正式発表!
2016年から閉鎖されていたヴァザーリの回廊が、2021年にオープン予定。
年間約500,000人の見学者を予定しています。
整備後のヴァザーリの回廊は、ハンディーキャップのある人もエレベーターを使って入場ができ、冷暖房完備(過去に夏の暑さにより臨時に閉鎖された事もあります)、LEDの新しい省エネの照明の設置、そして数十年に渡って放置されていた内装の修復もなされます。
現在の床材は全て取り払われコットと呼ばれる古くから床材に使われているレンガ製になります。
入り口はウフィツィ美術館の西側にあるヴァザーリホール(現在カンファレンスなどに使われています)から、一方通行でピッティ宮殿側へ進みます。
一度に125人まで中に入れ、回廊コースの最後はボーボリ庭園に出るか、ピッティ宮殿にそのまま入るか、出口を選べます。
入場料は3月〜10月の観光ハイシーズンは大人一人45ユーロ、11月〜2月の観光ローシーズンは20ユーロ。
通常の予約方法でチケット入手可能。(過去のヴァザーリの回廊の予約方法はグループごとだったので、数名だけの個人は予約できず旅行会社などを通す必要がありました。)
その他にこの記事の上の方に書いてあるヴェッキオ宮殿、ウフィツィ美術館、ヴァザーリの回廊、ピッティ宮殿、ボーボリ庭園の全部を含めた共通券”XXL”も登場する予定です。
これはなんと全長10km以上のコースになるそうです!!
オープンまでまだ1年以上あるので、全コース制覇したい!という方は、まず体力づくりを!!!
–ここから追記 2020年9月15日–
2022年オープンと再正式発表!!!!
2020年7月に日を改めて2022年再オープンという発表がありました。(いろいろ忙しい時期でしたので更新遅くなりました)
入場については今まで発表されていたものとは変更なく、一度に125人入れて、特殊なツアーではなく各自専用のチケットを予約すれば入れる、、などです。
今回発表されたニュースとして、ヴァザーリの回廊内部に30点の古代彫刻作品が自画像コレクションのかわりに配され、ジョルジョ・ヴァザーリが1500年代半ばにデザインしたオリジナルの姿により近いものになります。
それと、今までは自画像保護の為に閉じられていた73もの窓が開かれます。これにより、またとない場所からのフィレンツェの風景が楽しめることでしょう。
2024年5月27日オープンと改めて正式発表!!!!
5月27日という忘れてはならぬ日にヴァザーリの回廊の再オープンの日程が発表されました。
この日はジェオルゴーフィリの惨事というマフィアによる爆破テロのあった日(1993年5月26日から27日にかけての深夜)美術館のすぐ脇にあるアッカデミア・ジェオルゴーフィリの建物の前に駐められた車に満載されていたTNT爆弾が爆発し、5人の方が亡くなり20名以上が負傷、美術館の建物と作品が大きな被害を被りました。
奇しくもその指示者と言われているシチリアマフィアのボス、マッテオ・メッシーナ・デナーロが長年の指名手配の末逮捕され、獄中で何も語らずに没したのが今年の9月25日です。
いままでの発表に加えて新情報は、ヴァザーリの回廊内には彫刻作品の他、主に17〜18世紀にコレクションされ現在まで非公開のままだったギリシャとローマ時代のエピグラフが約300点展示されるとのこと。
入場料は正式にはまだ発表されておらず、1人40〜45ユーロでピッティ宮殿とボーボリ庭園との共通券にもなるだろうと噂されています。(一時期は1人80〜90ユーロとも噂がありました。)
–ここから追記 20204年5月27日–
2024年5月27日はスルー、多分夏の終わりにオープン(噂)
ついにオープンしませんでした、2024年5月27日。
ウフィツィ美術館の館長さんが今までのErike Schmidt氏からSimone Verde氏に交代しても、5月末のオープンだというコメントがされていました。
そして、随分と長いこと修復用の幕で隠れていた部分も見られるようになり、期待をしていたものの、まさか(やっぱり)オープンはされず!
5月27日のジェオルゴーフィリの惨事を記憶として留める為の今年の展示はウフィツィ美術館内で始まっています。
先週準備期間中に見られたのは、実際に破壊されボロボロの美術作品(これ以上の修復不可)を再現作品と並べての展示。
昨日は休館日でしたので、28日(火曜日)の今日からの展示です。
ちなみに、前館長のSchmidt氏は、2024年1月よりナポリのカポディモンテ美術館長。
有能で人気もあった彼は、なんとフィレンツェ市長選に出馬。
政治的な発言が一昨年あたりから多かったのですが、美術についてと政治は別じゃない?って辛口評の多い現在です。
–ここから追記 20204年8月4日–
新館長「すごく近い」
上記の夏の終わりじゃないか、というのは私の同僚が別件のついでに館長さん聞いたというものでしたが、一応今回は記者の質問に答える姿がこちら。
記者「後ろからすみません、ヴァザーリの回廊の(オープン)予定日はありますか?」
新館長シモーネ・ヴェルデ氏「すごく近い。もちろん働いている人がどれくらいの時間を必要としているかにもよるけれども、とてもその日は近い。」
2024年内は微妙?まだオープンの日付は確定していません。
今回は、
1800年代に展示されていたものの約200年間デポジットに入りっぱなしだった彫刻作品を当初の展示を再現しつつの部屋のオープン、
1400〜1500年代のフランドル絵画コレクションルームオープン、
サザービーに出品されていた”聖チェチリアの婚姻”という1700年代に活躍したフランス人画家Pierre Subleyrasの作品落札、コレクション入り、
というニュースのおまけニュースでした。
最近、ウフィツィ美術館ではあちこちの部屋が改装、新オープン、新しい並び方、初めて観る作品登場など、色々変化が多く楽しいです。