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メディチ別荘/ラ・クイエーテ展覧会

投稿日: 更新日:2020-06-14
ヴィッラ ・ラ・クイエーテ

空気遠近法の冴える、湿度の高い暖かな今日のフィレンツェ・・。秋です。

ここ数ヶ月、ずっと行こうと思っていたVilla medicea La Quiete メディチ別荘ヴィッラ ・ラ・クイエーテにやっと昨日行って来ました。
修復の終わったボッティチェッリの作品などが現在特別に展示されています。
無料で入れて、説明も一時間おきにしてくれます。

(見学ツアーについてはこちらフィレンツェ大学のオフィシャルページへ→ Villa La Quiete

この場所は、その昔フィレンツェ大学語学コースに通っていた時のなつかしの地。ちょっと中心街からは離れたフィレンツェの北西にあります。当時住んでいた家はフィレンツェをはさんでここと反対側にあり、自転車で40分かけて通っていました。
バスでも所要時間は約40分でしたが、中心地を抜ける混雑したバス快適とは言えず、、自転車をすっとばして汗だくの通学をしていました。
バス嫌いは今も前も変わらず、今回も自転車で行きました。今回も改めて汗だく。
当時、Touring Club Italianoというイタリア大手のガイドブックに小さく、このヴィッラにはボッティチェッリの作品がある、と書いてあるのを発見して、学校の人に聞いてみました。「それは大学ではなく教会の所有だから分からない。」と言われ、結局観ることは叶わず。それが、今になってやっと叶いました。

 

ボッティチェッリ

ヴィッラ・ラ・クイエーテ ボッティチェッリ

こちらがその作品。ボッティチェッリとその工房作。1500 ca.
左下のフランスのマントを羽織ってるSan Ludovico di Tolosa聖ルドヴィーコの細部の真珠の表現や金箔の使い方など、とても華やか。推定で1500年前後の作品。その時代のボッティチェッリにしては軽やかな印象です。上下を二つに分けて構成するのは、ウッフィーツィ美術館所蔵の作品にも見られます。そっちは1490年あたりの作品。

 

リドルフォ・ディ・ギルランダイオ

ヴィッラ ラ クイエーテ ギルランダーイオ

こっちは、Ridolfo del Ghirlandaio リドルフォ・デル・ギルランダーイオの作品。
有名なギルランダーイオは、父のドメニコ方で、こっちは息子のリドルフォ。
ちなみにMichele di Rodolfo del Ghirlandaioミケーレ・ディ・リドルフォ・デル・ギルランダーイオはそのまた息子ではなくて、苗字を使っていいよーって言われた人。

この作品の中の二人はちょっと前にウッフィーツィの特別展でも見られたものだけれども、今回は4つ並びました。素晴らしい。
とは言っても、オリジナルの”位置”はまだ分かってないそうです。
モンタルヴェという修道女たちが、フィレンツェにあるサン・ヤーコポ・ディ・リーポリ教会Chiesa di S.Jacopo di Ripoliから移動した先がVilla La Quieteだったので、その他の作品も含めてここへ大移動してます。
仮説としては、両脇の二枚は真ん中二枚に比べて上の位置にあっただろう、おそらく教会内のオルガンのカバーだったであろう、という事ですが、オルガンカバーは通常キャンバスに描かれているのに対して、こちらは板絵。まだ謎が残ります。真ん中の二人はフィレンツェメディチ家にゆかりの深いSanti Cosma e Damiano 聖コズマ&ダミアーノ。
おそらく、メディチ出身の法王レオ10世がフィレンツェに来訪した1515年に制作されたもの。
レオ10世来訪時に建設されたり制作された作品は他にも沢山あるので、ものすごい歓迎ムードだったのでしょう。
制作年はそれより前になる横の二人は、Santi Onofrio, Sebastiano 聖オノーフリオ、聖セバスティアーノ。
右側が、矢が突き刺さった跡があり、矢も持ってる聖セバスティアーノ。彼はは宗教画の常連さん。
左側は、聖オノーフリオ。たまに出て来て、あー、っていう聖人。一瞬洗礼者ヨハネか聖アントニウスのような出で立ち。

聖オノーフリオ ラ・クイエーテ

地味に腰の枯葉がいい感じ。
1600年代のフランドル作家の静物画みたい。

 

磔刑像と祭壇画

磔刑像 祭壇画 ラ・クイエーテ

こちらは、Baccio da Montelupo バッチョ・ダ・モンテルーポの十字架刑像と、Michele Tosini ミケーレ・トズィーニのマグダラのマリアとドメニコ会修道女の図。
彩色をした木彫はフィレンツェでよく作られました。
で、こういう彫刻と絵画の合わせ技もよくありました。
左隅にちっちゃく登場してる修道女、ちっちゃすぎだ!ヒエラルキーを表しています。聖人をたてて自分は小さくすると、なんだか日本語の謙譲語に似ているような気もしないでもない。
この作品ももれなく先述のサン・ヤーコポ・ディ・リーポリ教会からのもの。その教会の主祭壇がオリジナルの場所。

来年の春には、この展示室だけじゃなくて、別荘自体の見学もできるようになるそうです。
これは朗報。(追記・その後、行きましたよ!)
私は夜に行ったものだから、周りの写真は撮らなかったのだけれども、とてもよい場所にあります。
上に貼った大学のリンクから感じが分かると思います。(現在はここで授業は行われていません。)

10年越しで、観たい!と思った作品がやっと鑑賞できました!!