ナポリはフィレンツェから片道約3時間。
ちょっと遠いので、なかなか行かなかったのですが、思い切って行ってきました。
乗り換えもないし、マントヴァとかカッラーラとか近くて遠い場所へ行くよりも楽か、、と思い直して。
日帰り旅行、ナポリ到着から帰りの電車まで約6時間の滞在。さあ、どこに行こう?
もくじ
サンセヴェーロ礼拝堂 Cappella Sansevero
これはまず迷わず訪問先としてリストに入れた場所が、こちらサンセヴェーロ礼拝堂。
“ヴェールのキリスト” ジュゼッペ・サンマルティーノ 1753年作 があります。
この作品は本当に名作。本物を実際に自分の目で観るべき、と、力説します!
写真撮影が厳しく禁止になっていて、係りの人はどの人も親切でしたが、携帯でメッセージを打っている人ですら止めるように言われていました。確かに写真撮影禁止の場所でも携帯でささっと撮っている人とか、禁止なのを気づかないフリをしてる人とかいますもんね。
そんな訳で、上の写真はwikipediaからです。
このキリストの他にもまだ必見作品が左右奥に二つあます。
La Pudicizia,アントーニオ・コッラディーニ作、Il Disinganno, フランチェスコ・クエイローロ作。
どちらもため息が出る作品です。
上記wikiリンクにどちらの作品も写真が出ていますので、気になる方はご覧ください。
ヴェールのキリストは写真でもすごいな、と思いますが、実物のなんというか、真に迫った表現や大理石の質感や、場所によって若干磨きの仕上げが違ったりするきめ細かさなどは、言葉で形容ができません。
パラッツォ・デッロ・スパニョーロ Palazzo dell Spagnolo
この立派な階段、建築好きの間では有名で、フェルディナンド・サンフェリーチェ設計。
とっても印象的な階段、”鷲の翼”の形と形容されます。
Le connoisseurというグループがFBにあって、そこで話題になった時に「今修復中で見れないよ。」っていうコメントが付いていたので、諦めつつもどうせ道のりにあるからと中に入ったら、しっかり修復は終わっていました。
階段を登ってみたら、こんなお面?が、彫刻に被せられていました。
ナポリという土地柄、この顔、間違いなくトトTotòですね。
朝の市場で騒がしい喧騒の中にパラッツォ・デッロ・スパニョーロはありました。
こちら↓が遠路に面した部分で、奥に鷲の翼の階段があります。
オレンジ色っぽい魅力のあるファサードも、よくよく観察すると細部が凝っていて、窓の上の装飾も良い調和を生み出しています。
パラッツォ・サンフェリーチェ Palazzo Sanfelice
同じ建築家フェルディナンド・サンフェリーチェ設計。彼自身の住居として建てられました。
なので、Palazzo Sanfelice パラッツォ・サンフェリーチェ。
こっちの方はまだ修復がなされていないだけに、廃墟感有りで、個人的にはグッと来るものがありました。
実際には廃墟ではなくて、住人はしっかりいる気配が出まくってます。
歴史的にも重要な建物に、板を渡して植物を育ててたり、普通に洗濯物が出ています。
すごいな、ナポリ。
かなりボロボロ。
建物の向こう側(写真では左側)に植物が生い茂っていて、それが廃墟感を更に醸し出しています。
落書きなのか何なのか、こんな絵が塞がれた扉の跡に描かれていました。
半分廃墟状態の建物に合った絵かも。
保存の協力を求める張り紙を階段の途中で見つけました。
書かれている内容は以下。
『パラッツォ・サンフェリーチェはナポリの最も重要な建築物の一つです。この階段の建築は世界で一つ、サニタ地区にのみ存在します。
現在難しい状況に置かれています。このパルテノぺ(ナポリの古い呼び方)の歴史の宝を守るために私たちを助けてください。歴史とパラッツォ・サンフェリーチェの美しさとナポリの歴史に敬意を持ってください。
お願いです、住民やこの地区を訪れる方々への為に、ゴミやお庭などの廃棄物を階段に置いていかないでください。』
建物の状況は見ての通りで、保存の呼びかけは大切ですが…気になるのは、
この張り紙、壁に直接釘で打ってない??
歴史的建造物に、釘打ってない??????
パラッツォ・サンフェリーチェのもう一つの階段
実は、パラッツォ・サンフェリーチェの階段に登る前に、何かな?とたまたま入った建物内で見つけたのがこちらの階段。
素敵な趣に、思わず吸い込まれて階段を登ってみました。
最上階がこちら↑です。
なんというか、この微妙な階段の角度の折り重なりと、柱の上の部分の装飾、最高ですね。
パラッツォ・サンフェリーチェ外観の写真。入り口が二つなのが分かりますよね?
道幅が狭いのもあって、建物全体が把握しにくいのですが、建物自体は同じでした。
街の中に沢山の宝物が隠れていて、凄い街だな、と改めて思いました。
この日巡った他の場所は、こちら、サニタ地区。
カポティモンテ美術館。
カポディモンテ美術館での企画展、ヤン・ファーブルの作品。ファーブル昆虫記の人の曾孫。