あけましておめでとうございます。今年もどうぞ、よろしくお願い申し上げます。
2018年最初のテーマは、
ピサの斜塔より傾いてるピサの塔。
ピサの斜塔といえば、いつもいつも大賑わい。
まさに世界の観光名所。
“傾いているが為に大人気”
なので、それが大聖堂の鐘楼である事ですら忘れられる程。
例えるならば、音楽バンドのヴォーカルだけやたら有名になちゃって、ドラマ出演にバラエティー番組、役者としてなんとか賞みたいなのまで取っちゃって、他のメンバー置いてけぼり、みたいな。
ところが、そのピサの斜塔の有名たる要因に揺さぶりをかける、”もっと傾いた塔”が同じピサにあるんです。
ピサの斜塔より傾いてる塔はこちら!
ピサの中心部からアルノ川上流方向へしばらく歩くと見えてくる、Chiesa di San Michele degli Scalzi サン・ミケーレ・デリ・スカルツィ教会。
ピサの斜塔の傾斜角は3,9度、こちらは5度。
明らかに傾斜が勝っています!
高さは低めなので、底面と上部のずれ幅はそれほどではありませんが、
いや、しかし、ほんとに、ななめってます。
教会正面から見ると、こんな。
正面からですと、鐘楼の傾斜はさほど気にはなりません。
むしろ気になるのは駐めてある車でしょうか。
観光地ではないので、広場は駐車場。車の侵入制限はない区画です。
でも、ここで”斜め観察“を終わらせてはいけません。
中に入ります。
分かりますでしょうか?内部もななめっています。
全体に右に傾いているんです。手元が狂ったとか、カメラの広角側で撮ったから歪んでいるとかではなく、斜めなんです。
内部奥の、右翼廊祭壇が、斜塔(鐘楼)の土台部分でもあります。
教会から出て、裏から後陣部分も観察。
いい感じ。
厚い壁の小さな窓や、後陣部の小さな装飾アーチ(ロンバルディア帯)の並びがロマネスク感をぐっと出してます。
1025年に建築を開始、大聖堂よりも古い教会です。地盤の悪さによる傾斜もさる事ながら、第二次世界大戦でも、洪水でも災難にあってしまいました。
1928〜1952年は路面電車の始発駅がちょうどこの教会の前にあったそうです。今は若干寂しい感じですが(綺麗に整備はされています)、その時代には人混みがあったのでしょうか。
ちょうどこの場所に行ったのが、2017年最終日、仕事帰りの午後でした。年末のそこはかとない寂しさと、曇り空とが相まって、哀愁が、。
ピサの斜塔よりも傾斜角は勝っていても、やっぱり世界遺産にはかなわないな、、味わいはありますけれども。
ピサの斜塔からの眺めです。↓
こっちの方がダイナミックな眺めですね。さすが、世界の観光地!
とはいえ、ダイナミックさを求めなければ、他にもいい場所ありますので、次回にご紹介したいと思います。