モンテカティーニ温泉
フィレンツェから電車で約50分で着く近場にある温泉地、モンテカティーニにいらっしゃったYutty!さんの取材協力をさせていただきました。
モンテカティーニには沢山のスパ付きホテルなどがありますが、療養のための温泉として運営されているのは、ここにご紹介するテットゥッチョ、レーディ、エクセルシオール、の3つの施設です。
訪れる人々は、療養だけではなくモンテカティーニの街でくつろいだり、モンテカティーニ・アルトにも足を伸ばして楽しみます。
テルメ・テットゥッチョ Terme Tettuccio
冬季はここテルメ・テットゥッチョは閉まっているのですが、モンテカティーニ温泉全体のマーケティング部長マッシモさんが特別に私たちの為に開けて、色々と説明をしてくれました。この方、温泉学の専門家でもあり、高校や大学の単科で教えてたりもしているそうです。事前にアポイントを取る為にやり取りをしたのもこの方だったのですが、レスポンスが驚くほど早く、無駄のない単刀直入に必要な事を聞いてくださったので好印象でした。
ご本人に直接お会いしたら更に好印象。なんでもさっさとやわらかく答えてくれます。
これはテルメ・テットゥッチョ正面での写真です。(右から2番目がマッシモ氏)
外観からしてもそうなのですが、内部もとても美しいです。
1700年代のGasparo Maria Paoletti ガスパロ・マリア・パオレッティ設計の建物、1900年代初頭にUgo Giovanozzi ウーゴ・ジョヴァノッツィの手によって増改築されたものです。
ガスパロ(もしくは Gaspare )・マリア・パオレッティという名前聞いて、あ、と思われた方は、フィレンツェマニアか、そっち方面を専攻した人です。ピッティ宮殿の現在のファッション・衣装美術館の建物や、ウッフィツィ美術館内のニオべの間(時間の少ないツアーでは入りませんが、ルーベンスの大きな絵画二枚やニオべとその子供達の彫刻が置かれている部屋)などを手がけています。この人は丁度トスカーナ大公ピエトロ・レオポルドの時代の人で、ここテットゥッチョもレオポルドの命によるものです。
4つの源泉
ここは”温泉”と言われて想像するような、暖かい温泉水に浸かるところではなく、飲みます。飲泉と言います。
源泉は以下の4つがあります。
- Rinfrescoリンフレスコ
- Leopoldinaレオポルディーナ
- Tettuccioテットゥッチョ
- Reginaレジーナ
それぞれに塩分やら成分の割合が違い、全てモンテカティーニで湧いています。
その中でまさにこの場所から湧いて出てくる”テットゥッチョ”の名は、1700年代よりも更に前に、建物が何もなかった時代に源泉を守る為に小さな屋根だけは付いていました。その”小さな屋根”という意味のイタリア語が”テットゥッチョ”なのが由来です。
“レオポルディーナ”は大公レオポルドの時代に発見されたので、この名前です。
“リンフレスコ”は一番軽い水質なので、リフレッシュの意味のイタリア語名。
“レジーナ”はイタリア王国最後の王様の妻にちなんで、女王の意味。
それにしても、空の色と建物のトラバーチン大理石の色の対比が美しい。前日は雨だったのが嘘のようです。季節の変わり目なのか、ものすごい強風が吹いていて、そのあたりの鉢植えとかは転がっていましたし、温泉の水も出してもらったものの、噴水か?というくらい飛沫になってましたが、この写真ではバレませんね。上の集合写真のイタリアの国旗のはためき具合が最高です。旗、全開!
飲む温泉、飲泉の方法
まずは、その温泉水の味見をさせていただきましたところ、少し塩味のある不思議な味でした。なんというか、これは効く!と直感的に分かる感じです。
ここが観光シーズンにオープンするとお医者さんが常駐していますので、診てもらって処方されたレシピに従い、四種類の源泉から選んで飲むそうです。
朝食の前の何も食べていない状態で、かなりの量を飲む事になるので、当然、催してきます!
しかも、朝食前に飲むという決まりなので、朝みんな一斉に飲泉、そしてみんな一斉に催してしまうという事態!!
なので、ちゃんと500以上のお手洗いがあるそうです。よかった。
そして、飲んだ後は、ここで朝食をとったり、音楽を聴いたり、ショッピングをしたり、雑談をしたり、そんなリラクゼーション、全てが用意された完璧に優雅な空間な訳です。
左端に私の指が入ってるこの写真には、ここの一番の見どころである源泉がなんと写っていません!
手前の丸っこい建物の下にプールがありますね、今は空ですがそこにちゃんと温泉水がたまるようになっているところです。その左奥に貝を模した水盤があり、そこから温泉が湧いてきます。
今回私は通訳・コーティネーターとしてお邪魔させていただいた訳なので、ちゃんとした写真と情報はYutty!さんの記事を待ちましょう。日本の温泉地の情報量が膨大びっくります。それに加えて現在海外進出中で、写真と文章だけの薄っぺらい作られた情報ではなく、実際に現地に行ってしまうあたりがすごいです。そしてなにより、とても楽しい方々でした。サイトの温泉記事にある動画を観ると、そのあたりも感じられるのではないでしょうか。
その他の温泉施設・リハビリ/美容/湯治
Terme Redi テルメ・レーディ、Terme Excelisior テルメ・エクセルシオールがあります。
そちらでは、リハビリや喘息の治療、美容、マッサージ、クレイケア、いろいろコースがありまして、総合的ななんでも来い!みたいな療養所みたいになっています。この二つの施設は年中開いています。
私たちの取材中は平日昼間で空いている時間で、喘息を抱えた小さな子を連れた人も訪れていました。子供にも無理のない優れた治療方法だそうです。
でも、あまり”療養”ばかりを考えずに楽しみたい人は、午後にプールに入って帰るなんて事もできますので、(10回100ユーロの回数券いいなー、と価格表を見つめてしまいました。)そんな気軽な利用もできるかマッシモさんに伺ったところウェルカムだそうで、フィレンツェから日帰りか、モンテカティーニに泊まってフィレンツェとかピサに小旅行をするとかもいいですね!
モンテカティーニ・アルト Montecatini Alto
温泉地の上には、モンテカティーニ・アルトっていう小さな街があります。観光シーズンになると、ケーブルカーで登る事ができます。
この写真は、そこからの景色。実際はもっといい景色です。かわいい街並みにレストランに小さなお店に、モンテカティーニまで来たら、ここも必ず行かなくちゃ損!