こんにちは。
フィレンツェガイドなのに、相変わらず他の都市の宣伝?ばかりをしています。
しかもかなり無理な行程ばかり。
ランチもぶどうだけ10分で食べるとか、かなりな内容。
今回は観光旅行なのにトレッキングシューズで行きます。
本題に入る前に言い訳をしておきますが、
大丈夫です、お客様をご案内する時は自分で普段歩く距離の1/50ですので!
このブログにあまり登場していない食道楽もありますので!
レストラン情報とかは、沢山のイタリア在住の方々が書いているブログとかもうあるし、、と、あまり引かれない程度にと自重しつつ、他の人はあまり書かないかもしれない趣味な内容を書いています。
そして、ここはヴィチェンツァ
あんなに観光客でごった返すヴェネツィアの近くなのに、残念ながらちょっと知名度が落ちる都市です。
ヴィチェンツァにはアンドレア・パッラーディオという1500年代半ばに活躍した建築家設計の建物があっちもこっちもいっぱいあるのでそれに関してはかなり有名。
小さな街ですが、歩いていると、あらあらここにも、とパッラーディオさんが出現。
それはそれは、面白いです。
パッラーディオの建築写真の一部。↓
Palazzo Porto in Piazza Castello パラッツォ・ポルト・イン・ピアッツァ・カステッロ

これ、こんな普通サイズのお宅なのに、神殿の一部でも切り取ったかのような見た目。
ユネスコ世界遺産のパッラーディオ建築。
本当は工事が進むに連れて左側の1400年代の建物を取り壊しながら拡張する予定だったのが、依頼主ポルトさんが中止をしたために、このままになりました。
それが良かったのじゃないかな?と思います。このどーんとした柱3本、素敵じゃないですか。
でも、右下にある矢印の道路標識はどうにかならないもんなのでしょうか・・・?普通の道上にあるだけに仕方がない?
次はこちら、
Palazzo Chiericatiパラッツォ・キエリカーティ

絵画館にもなっているPalazzo Chiericatiパラッツォ・キエリカーティ。
上につんつんしているアクロテーリと柱の優美。こちらも同じくユネスコ世界遺産でパッラーディオ建築。
絵画館の方の中は割と狭くてコレクションも少ないのかと思いきや、係りの人に誘導されるがままに他の階へ行ったり、広いフロアに行ったり、屋根裏に行ったり。
なかなか面白いです。
Casa Cogolloカーザ・コゴッロ

Casa Cogolloカーザ・コゴッロ、こっちも世界遺産、パッラーディオ建築。
ちょっと不思議な面構えをしています。
二階部分真ん中のつるっとした面。これは、この部屋の中に暖炉があるので窓を開けられなかったという理由によります。屋根の上には、ほら、煙突が突き出ています。
なので、この面をそのままにして、フレスコ画を施したそうです。
残念ながら現在はそのフレスコ画がほとんど見えません。
Basilica Palladianaバジリカ・パッラディアーナ

街の大きな広場に面したBasilica Palladianaバジリカ・パッラディアーナ。
もう言うのが面倒なくらい、これも世界遺産、パッラーディオ建築。
テラスに上がる事ができ、とても見晴らしがいいです。
そのテラスから西側に見えるヴィチェンツァ大聖堂のクーポラ↓
Cattedrale di Santa Maria Annunciataヴィチェンツァ大聖堂

ヴィチェンツァ大聖堂のクーポラもパッラーディオの設計です。
その大聖堂の正面側はこちら。

正式名称は、”Cattedrale di Santa Maria Annunciata サンタ・マリア・アンヌンチャータ大聖堂”と言います。
この大聖堂のファサード、事前に色々調べていてもヒットする写真はベストショット!みたいないい角度からの写真がないなーと思っていたら、
それもそのはず、教会の前に広場がなく前にある道も狭い。
上の写真はギリギリ広角で、車道から引き気味に撮りました。
こういう凸凹の少ないラインの綺麗なファサードもいいですね。16世紀、ドメーニコ・ダ・ヴェネツィアという人がおそらく設計しただろうという事です。
Teatro Olimpico オリンピコ劇場

ここが観光スポットとしは一番有名なオリンピコ劇場です。もちろんパッラーディオ。
wikipedia日本語版にもありました。オリンピコ劇場 こっちに全体像の写真もあります。
実物はやっぱりいいですね。
こうやって、舞台と同じ高さで見る事ができます。
もちろん観客席に座って見る事もできますよ!
遠近法がぐぐっといい感じに使われた舞台設計。
舞台の背景は上り坂になっていて、後ろへ行けば行く程小さく建物が作られています。
思っていたより物理的には狭かったのですが、それを感じさせないのがすごいところ。
この後に、本当は街中にあるパッラーディオ美術館も行きたかったのですが、帰りの電車の時間を逆算して、もう”あそこ”に行かなくてはいけなかったので、街を後にしました。
“その場所”へは徒歩で約30分。
バスがないか調べたら、変な時間に一本あるだけだったし、目的地には直接着かないと分かったので、やっぱり歩き。
薄々こうなることは分かっていたけれど…。
目的地への中間地点にて、こんな素敵なアーチ。
Arco delle Scaletteアルコ・デッレ・スカレッテ

Arco delle Scaletteアルコ・デッレ・スカレッテは、
最後に行く予定のSantuario della Madonna di Monte Bericoサントゥアーリオ・デッラ・マドンナ・ディ・モンテ・ベーリコへの道の入り口。
鳥居みたい。
これも御多分に洩れずパッラーディオの設計と考えられています。
ここで寄り道。
Villa Valmarana ai Nani ヴィッラ・ヴァルマラーナ・アイ・ナーニ
ヴィッラ・ヴァルマラーナ・アイ・ナーニ。Villa Valmarana ai Nani
ヴィッラの名前の最後のNaniは小人(複数形)という意味。
そんな可愛らしい名前のヴィッラ、
小人たちは庭の中にちらほらと置かれていたものが、現在は外壁の上に17人みんな並んでいます。
それぞれの姿がそれぞれに違って面白いです。
小人があまりに可愛らしく、写真を撮りまくった後に道を進んでゆくと、このヴィッラの正面玄関前で、門が開いています。
しかも、看板。「入館料10ユーロ。」
なに?!入れる?! これは知らなかった。
でもここに入ったら帰りの電車に乗り遅れるーーー、と、一旦通り過ぎたものの、後ろ髪引かれて、そのまま後退して、入ってしまいました。

いや、入ってよかったです!
ティエーポロの壁画が、うぁさっとあります。それはもう、美しい手入れの行き届いた庭園とヴィッラの優美さったら。
っていう割に、上の写真は来客用の離れみたいな建物です。
来客があった時に使ってもらう(我が家の何倍ある?)素敵な部屋が続いています。
入ると大きめのホールがあって、そこから各部屋に入る扉があります。
上の写真は、部屋の奥になる各部屋同士をつなぐ扉が全部開いている状態のものです。
その各部屋にも壁画。

その時代の趣味で中国とかオリエンタルな装飾。それに合わせた器も置いてあります。
先ほどのジャンバッティスタ・ティエーポロの息子でジャンドメーニコの手によるもの。なんだかこちらの方が個人的には気になるのはなぜでしょうか?絵のテーマもありますが、全体的な描き方が気になります。
このヴィッラ、母屋もそうですが、どの部屋もヴァルマラーナ家の写真が沢山飾ってあって、よく公開されているプライベートの邸宅よりも、より家族的な雰囲気を醸し出しています。
中には絵画館に収められている家族の肖像画(の写真)もありました。
その絵を絵画館で見た時には特に確認をしなかったのですが、16世紀あたりのもので、この一家のメンバーの肖像画なんでしょう。
と、このヴァルマラーナ家を調べたら、wikipediaからその絵の画像↓を発見。確かに16世紀と書いてありました。ネットって便利。

入り口ホールには、数少ないパッラーディオの肖像画↓があります。(棚の上にもあるけれども、壁にかけてある方がオリジナル。)

後で調べたら、”数少ない”なんですけれども、ここの案内には、”唯一の”って書いてありました。どっちかな?
さ、そして本日のメインイベント!!
Villa Almerico Capra detta La Rotondaヴィッラ・アルメリコ・カプラ-通称ラ・ロトンダ
“ロトンダ”っていうのは丸を意味して、それが通称になってます。
その名の通り、上からみたらコンパスで円を書いたような設計。パッラーディオの代表作。
ここも先ほどの小人のヴィッラと同じ所有者っていうのが、すごいですよね。
内部は写真撮影禁止です。
で、ここまで来たならば、ヴィチェンツァ旅行を終わらしてもいいようなものですが、長くなってしまったので、次回にします。
ではまた。
・続き・