第1日曜日の美術館無料が中止?ウフィツィ美術館長のコメント

第一日曜日 無料 ウフィツィ美術館

 

 

第一日曜日の無料日

月の第一日曜日といえば、、美術館の長蛇の列!!!!

もう既に特別な事でも何でもなく、「あー、また第一日曜日だなー。」というくらい浸透した国立美術館無料の日。(市立美術館や教会、私立美術館は無料かどうかバラつきがあります)

それが、ここにきて状況が変わる模様です。

文化省前大臣のフランチェスキーニの時代に導入された日曜日入館無料、現在のボニソーリ大臣にになってから廃止がアナウンスされました。
→2019年9月より再びブランチェスキーニ大臣。再度の変更がありますので、ページ下のリンクをご参照ください。(2020年5月時点)

 

ウフィツィ美術館館長のコメント

-(第一日曜日無料が)導入された初期は素晴らしかったけれども、最初のスピリットは低くなった今は目的と制度を見直す時期だ。

– 特に最初の数年は、全く美術館に来ることのなかったり、長年再び入る事のなかった住民たちが多く訪れた。しかしそれがガイドブックに書かれ、インターネットでも情報が広まり、沢山の人たちがその機会を利用しようとした。つまりは、(最初の意図とは違って)美術館に足を向けなかった人たちを勇気付けたり招待するものでは既になく、文化的意義のない商業的なものになってしまった。

-何も知らない外国人グループから入館料を受け取りながら、第一日曜日に入館日を意図的に設定しているツアーオペレーター(現地でツアーのオーガナイズをする会社)もある事が分かった。なので、戦略を変える時が来ている、特に観光ハイシーズンは。

-それぞれの美術館はその地域での必要性をベースに、まず第一に住民を、そして次に観光客を可能な限り対応する、より柔軟なシステムでの割引や入館無料の導入を考えている。

-より大きな価値を与えるために、無料にするよりも、より大きな割引を導入したい。入館無料は大きなイベントのみに抑えておきたい。美術館というものは、地域の重要性を際立たせる主要な装置のひとつだと思う。しかし、他の国、例えば中央集中的なフランスとは区別しなければいけない。地域を考え、特別なイベントの時には入館無料は欠かせない。

-私の夢は、ボニソーリ大臣の新しい方針が現状に即して、エレットリーチェ・パラティーナ(アンナ・マリア・ルイーザ・デ・メディチ、メディチ家は彼女を最後に途絶えます)の命日2月18日にちなんで入館無料にすること。彼女の”Patto di Famiglia 家族の契約”おかげでフィレンツェ、ウフィツィに文化財が残る事になった。それか、ヴィットーリア・デッラ・ローヴェレ、大公フェルディナンド2世の妻にちなんで。彼女のおかげでウルビーノからラッファエッロやティツィアーノの作品がフィレンツェにやってきた。(ヴィットーリアはデッラ・ローヴェレ家の最後の女性。ウルビーノの財産を相続し、フェルディナンド2世との婚姻でそれをフィレンツェにもたらしました。)

LA NAZIONE – Basta domeniche gratis al museo, il direttore degli Uffizi : “Giusto, troppi speculatori” より抜粋翻訳。一部補足と意訳を加えました。

 

ツアーオペレーターがわざと第一日曜日に予定を組んでいる事もあるとは・・!確かに、今は入館料が予約料を合わせて大人一人24ユーロなので、例えばそれが25人のグループだと、24x25=600ユーロ!!悪どいですね。

 

 

アカデミ美術館館長のコメント

第一日曜日入館無料の廃止を歓迎。

-入館無料で活気づく美術館とそうでない美術館がある。

-必要な数の美術館職員の管理が難しい。

-大勢の人が押し寄せ、スペースの都合上安全性に問題がある。

-“入館無料”は、美術館に普段行く事のない人々へ刺激で重要な施設の糧だ。

Il Fatto Quotidiano.itより抜粋翻訳。一部意訳。

 

幸運な事に、アカデミア美術館に第一日曜日に行った事はないのですが、観光ハイシーズンは常に混み混みで時間が悪いと並びの列が直射日光の灼熱地獄になるし、あれで2時間待ちで無料なら「払うからお願い!入れて!!」と思うであろう場所であります。

 

 

文化庁大臣アルベルト・ボニソーリ

夏が終わると、第一日曜の入館無料がなくなります。” というアナウンスがボニソーリ大臣から出て、そこから論争が巻き起こりました。

でも、ま、かなり簡単に要約すると、第一日曜日に入館無料が義務っぽかったんだけど、例えばミラノとポンペイだと全然状況が違うように、それぞれの地域や美術館によって事情があるから、もっとフレキシブルにやっていーよー。っていう事です。

詳しく知りたい方はこちらより。↓

ANSA Cultura  Musei: Bonsoli stop domeniche gratuite, è polemica

Finestre sull’Arte  Domeniche grastis, dopo le polemiche Bonisoli precisa: “la gratuità resterà, anzi sarà aumentata”

 

 

とりあえず、今月8月5日の国立美術館の入館は無料です。

いやー、暑そう… がんばろっ!

以上、第1日曜日の美術館無料が中止?のお話でした。

 

 

・追記・変わります!

2020年・国立美術館入館無料、文化週間と第一日曜日、各美術館無料日