アフガンの少女 – スティーヴ・マッカリー写真展@フィレンツェ

アフガンの少女 マッカリー展

冒頭の写真、見覚えありますか?

1985年にナショナル ジオグラフィックの表紙を飾った写真です。”アフガンの少女“の名前で有名になりました。

当時のアフガニスタンの厳しい情勢下、怯えるような、しかし力強い美しい瞳を持った彼女の写真が、難民たちの象徴のようになり何度となくこの写真が登場するようになりました。

 

 

この写真も、どこかで見たことがあるような気がしませんか?

展示されている作品のひとつで、マッカリーの写真集の表紙に使われているようです。

個人的に見覚えがあるのは、どこかのブックショップに置いてあったのが目に入っていたのかもしれません。もちろん有名な写真家なので、すでにご存知の方もいらっしゃるかと思います。

 

 

これらの写真を撮ったスティーヴ・マッカリー氏の写真展が、現在フィレンツェのヴィッラ・バルディーニで開催中です。

→ Villa Bardini “Icons”di Steve McCurry

 

 

ヴィッラ ・バルディーニ 展示風景

マッカリー 写真展 ヴィッラ・バルディーニ

フィレンツェの中心から少し丘を登ったところにある、落ち着いた美術館。ゆっくり鑑賞できます。

上の写真の右から2番目、緑色のヴェールを被った少女は、アフガンの少女を探すためにマッカリー氏が2002年に旅をした時に、同じ難民キャンプで出会った子です。

 

 

アフガンの少女を探して

アフガンの少女 マッカリー展

この写真の少女を2002年に探し出した時のドキュメンタリー番組を、展覧会場の一室で観ることができます。

全く情報のない状態から、撮影した当時に彼女が通っていた学校の教師が地雷で足を失って不自由であった事などの記憶を頼りに、人づてに探してゆきますが、ようやく見つけたと思った女性は赤の他人だったり、難航します。

そして最後の最後には本人を見つけ出します。厳しい現実を生き抜いてきた彼女は、一瞬印象が違うものの、力強い目はそのままでした。

ナショナル ジオグラフィック バックナンバー2002年4月号

 

後から知りましたが、2016年に彼女は逮捕されていたのですね。

ナショナル ジオグラフィック 「アフガンの少女」、逮捕の背景

ドキュメンタリー番組内で見られた、パン焼き職人をしながら家族に仕送りを欠かさなかった旦那さんが亡くなってしまって、ますます難しい状況なのは想像に難くありません。

どうか、彼女だけでなく、全ての人々が安心して生きられる世界になって欲しいと願います。

 

 

展覧会では、現場に自分が突然置かれてしまったかのような錯覚に陥る写真が展示されています。こちらは911の時の写真。

 

 

この展覧会とは直接の関係はありませんが、現在ウフィツィ美術館の企画展示室で、Fritz Koenig展が開催中。展示作品の一つに、このワールドトレードセンタービルに設置されていた彼の作品の模型と、ビル崩壊時のビデオなど合わせて展示されています。

 

鑑賞者が考える事はそれぞれですが、世界の側面、関連、そしてメディアからあまり注目されない現在進行中の悲劇を考えさせらる写真の数々です。

 

 

311 日本

2011年の日本。

 

 

沢山作品がありました。こんなのも。

確かスリランカの写真。魚を釣っているようです。

 

それぞれの遠い異国に、しっかりと生きる人々が写し出されていました。

 

 

 

ヴィッラ・バルディーニのテラス

ヴィッラ バルディーニ テラス

相変わらず、いい景色です。

 

 

ここ最近、フィレンツェは晴れ続き。天気予報で太陽マークが並んでいます。

しかも太陽マークに、、

フィレンツェ 天気予報

ビックリマーク付き!

これは、暑い。

 

そこでとっても良いのが、ここヴィッラ・バルディーニ。

なぜならば、冷房が効いている!

日本では普通かもしれませんが、イタリアで冷房がちゃんと効いている美術館って意外と少ないです。

ウフィツィ美術館も廊下が暑かったり、アカデミア美術館は冷房が壊れたりするし(毎年クレーム出まくり)、ヴェッキオ宮殿にいたってはチケット売り場にしか冷房がない。

場所的にバルディーニ庭園かボーボリ庭園を徒歩で登ってくる事が多い場所なので、相当温まってしまった体に心地よい展示空間です。是非おすすめ。

しかも、8月は毎週水曜日が入館無料です。(第一日曜日も無料)

 

この特別展の下の階では、常設展アンニゴーニの作品が観られます。

必然的に穴場 : ヴィッラ・バルディーニ

ボーボリ庭園・バルディーニ庭園の案内はこちら。

ボーボリ庭園・バルディーニ庭園 Giardini di Boboli e Bardini