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ヴェネツィア・アカデミア美術館がカオス

ヴェネツィア アカデミア美術館 ティントレット

ヴェネツィアのカーニヴァルが始まりましたね。

2018年のカーニヴァル期間は1月27日から2月13日です。

ニュースや写真で見る限り、相変わらずものすごい人混みです。

そんなヴェネツィアに、フィレンツェから日帰りで行ったのは1月23日。

カーニヴァルの始まる4日前。空いてます!

電車賃はitaloで片道9.90ユーロ、利用者が少ない時期なだけに安い。下手にトスカーナ内で動くよりも、2時間程で到着してしまうヴェネツィアは意外とお手軽。

ただし、この時期は水位が上がってヴェネツィアの街に浸水する可能性もあるので、事前に予定を組む場合は賭けですよね。運がいい事に、とってもいいお天気に恵まれて気持ちの良い海辺。

ヴェネツィアの海

なんだか、人混みがないとヴェネツィアじゃないみたい。。

ここはFondamenta Zattere al Ponte Longo、ジューデッカ島を眺める本島側。

 

 

 

気持ちよく色々と歩き回れて楽しかったのですが、一つ、気になる事が。それは、

アカデミア美術館がカオス!

現在修復中の部屋などがあり、展示室が途中で行き止まりなったりで順路もクソもなにもない状態。

 

まず入って最初に、チケット売り場の笑顔の素敵なお兄さんに、「カノーヴァの特別展があるから、あっちの扉から入れるよ。常設展は入り口近くの階段から上がってね。その前に荷物を預けたかったらこの裏にクロークがあるよ。」と、分かりやすい説明を受けて、

なんだか普段は締め切っているような扉を開けて、中庭へ。中庭の端っこに表示があったので、進むとそこからアントーニオ・カノーヴァなどの特別展

展示を一通り観てまわったら、エレベーター前ホールの簡易ブックショップに出くわします。その横に矢印マークの看板があったので、それに従って上の階へ行くと既にそこは常設展ゾーン。

「あれ、お兄さん、それは言ってなかったよね?まあいいか。」と、一通りぐるっと回る。

そして、EXITの表示が出て来たので、矢印に従って階段を降りる。

行き着いた場所は、あ、チケット売り場前のホール。最初の場所。

常設展らしき場所を通って来たけれども、なんかおかしい。展示数が少なすぎる。あれれ?

と、近くのブックショップに見本で置いてあるアカデミア美術館のカタログをパラパラしてみると、かなりの数の作品をすっ飛ばしている模様。

うん、これは常設展にまだ行き着いていないに違いない!

と、特別展への扉と反対側にあった、全く同じの扉を押し開けてみる。

すると、開ける直前にかすかに「No!」と静止する係の人の声。いや、でも時すでに遅し。。。

ピーピーピーピーピーピーピーピーピーピー!!!!

アラームを鳴らしてしまった、。

ごめんなさい。

特別展の扉だって案内がないところを押し開けてokだったのに、こっちはダメって、腑に落ちないわ。ロシアンルーレット???

いえいえ、もしかしたら、訪れる人には目に入りにくい迷彩な表示があったかも。

 

改めて、チケット売り場のお兄さんにもう一回、常設展はどこか聞いてみたら、下りてきた階段をまた上るようにと言われ、同じフロアを再挑戦。

ここで、初めて最初に渡された案内小冊子を開く!

見取り図発見。

 

アカデミア美術館 見取り図

 

もー。最初から見ようね。

小冊子写真の左ページが地上階、右ページが上の階です。(手書きの矢印は後から自分で書き加えました。)

 

常設展に再突入。

階段を上ると右ページの右端、黄色い大きめの部屋に出ます。

その黄色い部屋の奥に、大きな板絵の展示があります。大きな絵なだけに、その前で立ち止まる事があっても、まさかその後ろに回り込んでやろうなんて思う人は、板絵の状態が気になっちゃう職業病的な修復師さんくらいかと思いますが、そのまさかの裏に階段出現。

まさか、こんなところが順路とは、。

 

その裏から進むと、数々の名画がありまして、このおばあちゃんが奥から、

老女 ジョルジョーネ

「よくここまで来れたね。」

とでも言ってくれている気にもなる、ジョルジョーネの作品、”老女”。

写真を撮ろうとすると、非常口を示す緑色の光が写り込んでしまうという絶好のポジションにあります。

 

これより奥の部屋は、現在改装中で行き止まりです。

なので、また来た道を引き返すと、道順的に矢印がなくても迷わないのはこの方向なのだな、、なんて思ったり。

そして、また小冊子をよくよく見ると、まだ行っていなかった部屋があるようなので、一度目に通った道を更に戻り、またまた表示のない細い廊下を右折すると、そこには大きな絵画作品が並ぶ廊下。。

おお、これこれ!!!

ティツィアーノ 

っていうか、廊下反対側の壁に背をぴったり付けても、絵画全体の写真が撮れません。

展示スペースに使える部屋が少なくなっちゃって、無理やり並べた感があり。

それにしても、鑑賞するには辛い距離。うう。

この作品、楽しみにしてたのにー!

ティツィアーノ生涯最後の作品、”ピエタ”です。

フィレンツェ、ウフィツィ美術館にも晩年の作品、”聖マルゲリータ”があります。ともかく晩年の作品が気になるんです。

これも気になってます。Punizione di Marsia チェコ共和国のKroměříž美術館にあります。って、そのKroměřížの読み方が分からないけど、いつか行きたいです。

 

 

この非常に辛い狭い廊下の後ろには、ティントレットの部屋があります。

入るとすぐに目に入るのは、こちら”動物の創造”。(部分)

ティントレット

神が様々な動物を創っています。

ところで、ヴェネツィアではたくさんのティントレットの作品を鑑賞する事ができます。

その昔、学生時代に訪れた時は、このダイナミックな構図に「おおっ」と驚きながらも、何点か鑑賞した後は消化不良気味で、「もう結構です、。」状態に陥りました。

でも、今回はスクオーラ・グランデ・ディ・サン・ロッコ(ティントレットの作品でいっぱいです。)も訪れて思いました。「きっとこの人は宇宙人に違いない!」

(完全なる個人的感想です。)

なぜならば、あらゆるクラシックな宗教的テーマが、彼の手にかかるとあり得ない角度から見えて来たりで、、例えば”キリストの洗礼”の場面を描いているのならば、通常はどこに洗礼者ヨハネがいて、どこにヨルダン川が流れていて、洗礼を受けるキリストがあって、、とすぐに意識しないでも分かるものが、ティントレットの手にかかると絵を凝視してやっと理解できるか、もしくは絵のタイトルを読まなくては分からない。どういう発想で、これらの絵になったのか、それはこの人が宇宙人級の常人とは違う何かを見ていたのだろうか、、と思ってしまった訳です。

図像として知っていても、本物を自分の目で鑑賞するのとは完全に違いますね、。面白い。

 

ティントレットをもう一点ご紹介。

ティントレット

絵の前にいる人が気になりますよね?!絵の登場人物が抜け出して来たような風貌、ポーズ、色合いもぴったり。

監視の係の人なのですが、まあ、マイペースイタリア人とはいえ、だいたい絵の前で鑑賞しているとどいてくれるものです。

鑑賞していても、どいてくれないので、

写真を撮ってみました。

でも、全然動いてくれないので、見事に写真↑に収まりました。笑

立ち話中で、相手の女性(この人も美術館の人)は写真撮影中にどいてくれました。

ここで、なぜだか闘争心が湧きます。

この監視の人のちょうど後ろの至近距離にキャプションがあるので、そちらまで行って、キャプションの写真を撮りました。それでも動じない。

自分の後ろ5cmまで他人が接近しても一切感知しないって、自然界の生命として大丈夫なのだろうか?

仕方がないので、

「作品を鑑賞したいので、ちょっとどいてもらえますか??」

と、言ったら、やっと「どうぞ。」ってどいてくれました。

自分の仕事が何なのか、よく分かっているようですね。即ちそれは、美術館内での時間潰し

 

ティントレット

そんなこんなで、絵の全景。”聖マルコの遺体の運搬”。

 

 

 

特別展、Canova, Hayez,Cicognara. L’ultima gloria di Venezia. -カノーヴァ、アイエツ、チコニャーラ。ヴェネツィアの最後の栄華- にて、

改めまして、特別展で鑑賞できて個人的にうれしかったものの一つをご紹介します。

こちら、

カーノヴァ作 ティツィアーノの墓 モデル

カノーヴァ作、”ティツィアーノの霊廟のモデル”です。

残念ながら、このモデルによるティツィアーノの霊廟は実現しませんでした。

しかし、この霊廟案を元に、カノーヴァ自身の霊廟が弟子たちによって実現されました。

それが、フラーリ聖堂 Basilica di Santa Maria dei Frariにて現在も見る事ができます。↓

アントニオ・カノーヴァの霊廟

フリーメイソンのメンバーだったのもあり、シンボリックに三角形。

三角形は他に永遠を表します。モデル制作は1790年でそれより後のナポレオンのエジプト遠征ではエジプト趣味は流行になります。

ローマのピラミデ・チェスティアと呼ばれる紀元前1世紀の霊廟や、ギージ礼拝堂のラッファエッロ原案、ベルニーニ制作のピラミッド型の霊廟も影響を与えたとも。

 

近くから鑑賞すると、こんな。

アントニオ・カノーヴァの霊廟

霊廟と言っても、ここにあるのは彼の心臓のみで、亡き骸は出身地であるポッサーニョのテンピオ・カノヴィアーノ(カノーヴァ設計)にあります。右手はヴェネツィアのアカデミアに。

亡骸を分けることは聖人と同じように扱うことで、神格化がプロモートされました。

 

ティツィアーノの霊廟の方は、現在こちらになっています。

ティツィアーノの霊廟

カノーヴァの弟子ルイージ・ザンドメネーギ(カノーヴァの霊廟製作者の一人)とその息子ピエトロが手掛けました。

この霊廟をよく見ると、奥のレリーフ、見覚えのある図像では?

そう、これはこのフラーリ聖堂の主祭壇を飾る、ティツィアーノの代表作、聖母被昇天。(←リンクから絵画のみのページが見れます)

聖母被昇天 ティツィアーノ

 

この教会には他にもお宝ザクザク的作品群があり、素敵、。

でもですね、もともとティツィアーノが望んだのは、自らのお墓には先程も登場したこの作品↓を据えるという事。

ティツィアーノ 

未完のままに亡くなり、パルマ・イル・ジョーヴァネによって仕上げられましたが、、なんだか、寂しい気分になります。本人の遺志が実現されなかったのは、ミケランジェロも然り。うーん。

 

 

で、この特別展なのですが、絶対見逃している人がいるのではないかという場所にも展示室があります。それは、

チケット売り場の左奥。

確かにそんな事は一言も案内されなかったのだけれども、地図を見ると何やらありそうだ、と進んでみたら、

展示室発見。一番奥まで行くとまだ工事中で行き止まりなので、やっぱりチケット売り場の左奥から行くしか手はなさそうです。

カノーヴァ関連の作品もありますが、気に入ったのはこれ。

ティエーポロ

ジャンバッティスタ・ティエーポロ。

この大きな丸い作品は鑑賞しやすいようにちょっと下に傾けて壁にかかっています。

どうやらこの辺りの部屋は改装工事が終わった区画のようで、展示方法が美しい。タッチパネルのインタラクティヴモニターもあります。

実は、ジャンバッティスタ・ティエーポロの息子、ジャンドメニコ・ティエーポロの方が個人的に気になってます。その割に彼の代表作が鑑賞できるCa’ Rezzonicoがお休みの日に行ってしまいました。非常に残念!

 

・参考・

ジャンドメーニコ・ティエーポロのもう一つの代表作が観れるのがヴィチェンツァ。@ヴィッラ・ヴァルマラーナ・アイ・ナーニ

トレッキングシューズで観光旅行 : ヴィチェンツァ-1

 

終わりに

以前アカデミア美術館に行った時には、ジョルジョーネの”テンペスタ“に心打たれすぎて、他の作品の記憶を喪失していました。

それが今回久しぶりに訪問して、他の作品を落ち着いて鑑賞する事ができてよかったな、と思います。

美術館の改装されていない区画も冷静に見ると、本当に古い!本当に改装が必要だったんですね。それはいいにしても、もっと案内板なりを置いてくれればいいのにな、。

そして、なにより、怠け職員!しっかりしろー!

(他の国立の美術館、例えばピサのパラッツォ・レアーレ美術館にいる職員さんは一人だけでも受付と案内と、作品解説ではピサから見たピサの歴史、などとても親切に語ってくれます。違いが顕著。)

大抵観光客として接するイタリア人(イタリア人でないことも多々あるけど)は、美術館員さんや、レストランの店員さん、チケット売り場の人、ホテルのフロントの人などで、その都市の印象付けるのもそういった人だったりもしますよね。

なので、せめて悪い印象を抱かせる態度はして欲しくないなー、なんて思います。

 

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