フィレンツェから電車でカッラーラへ”カノーヴァ以降展“を観に。
最近お腹を壊してしまって、絶食状態。
そんな自分を元気づけようと、フィレンツェからカッラーラへふらっと出掛けました。
ローカル線でのんびりカッラーラの駅へ到着後、そういえばどうやってカッラーラの街まで行くんだっけ?
と、その辺にいる人に聞いてちゃんとバスに乗って到着、
Palazzo Cucchiari パラッツォ・クッキアーリ。展覧会の開催地です。
では、展示作品をいくつかかいつまんでご紹介。
ロレンツォ・バルトリーニ作『ぶどう踏みの子』
サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館からわざわざやって来てくれました。うれしい。
この石膏原型はフィレンツェのアカデミア美術館の石膏室にあります。
ピサのカンポ・サントにあるべノッツオ・ゴッゾリの絵の影響とかがあります。
ジョヴァンニ・ドゥプレ『病んだバッキーノ』
ぶどうが壊滅的な打撃を受けた時の事を表した作品です。
この作品もエルミタージュよりやってきたものなのですが、
同じ作品がフィレンツェのピッティ宮殿内近代美術館にもあります。
なぜ同じ作品が存在しているのかというと、主に1800年代になるとまず芸術家は石膏の原型をつくります。
そして石膏原型を道具を使って測量をして、同じ形の大理石製の完成品をつくりだすとい手法に移行します。
アカデミア美術館の石膏室の展示が分かりやすいです。
対して、ミケランジェロなどは大理石を直接彫って制作するので一点ものです。
アントニオ・カノーヴァ『ヴィットーリオ・アルフィエーリのモニュメント』
サンタ・クローチェ教会にある、カノーヴァによる大きな作品ヴィットーリオ・アルフィエーリのモニュメントの原型です。
ローマにも原型もあるらしいのですが、こちらの方がより完成品に近いとのことです。
作品中の女性はイタリアを表しています。
アルフィエーリの死をイタリアが悲しんで泣いています。アルフィエーリ自身の横顔は後ろのレリーフのメダルの中。
サンタ・クローチェ教会内の完成作品の写真を自分のアルバムから探しましたが、有名な作品なので撮っていませんでした。全然有名でない作品の写真はいっぱいあるのに。
さあ、困った時のwikipedia。画像発見。こちらです。
ジョヴァンニ・ドゥプレ『待ち伏せするアムール』
後ろでに矢を持ってるんですけど、その仕草もかわいい。羽の大きさもかわいい。髪型もかわいい。
などと、平日、とても静かな空間でゆったりと鑑賞することができました。
あと、この展示は自動音声のオーディオガイドを貸してくれます。
解説ではここに展示されている作品以外の事を触れてのものが多かったので、覚えきれなかったし、もうちょっと詳しいことも知りたいな、とカタログを購入して家路につきました。
そして、帰りの電車、パラパラとカタログをめくっていて、はっ!
展覧会、全部観てない!!!
あああああああ上の階!!!
この階段、写真撮ってる場合じゃなくて、登らなきゃいけなかった!!!
後悔の塊。今回の展覧会では、実は上の階は初公開だったらしいです。
カッラーラの何気ない街の風景には、大理石の山が見え隠れ。
帰路、電車の中から見えた風景には石材屋さんが何軒も見えました。
大きなホイストの下にはバンコに乗った石が沢山。
石彫専攻としてはとても懐かしい風景。
関ヶ原とか茨城にみんなで石を買いに行った事なんかを思い出しました。