電車でふらっとカッラーラまで行って来ました。”カノーヴァ以降展“が今月の22日までです。
今週はエネルギーチャージが必要なので、元気を出すためにも行こうと決めました。というのは数日前、ちょっと遅めに家に帰って来たらものすごい空腹を感じて、料理をしながらとりあえずバクバクと、ポルチーニ茸をスライスしたものを食べたんです。特に、レモンと生にんにくを絞ったのと、自然の塩と美味しいオリーブオイルで、その上にはパセリっていうが、とっても大好き。秋の味覚。でも、好物だと言っても、バクバク食べちゃいけないって、その数時間後に悟りましたよ。もー。
で、絶食期間入りました。
一度ファスティングをしてみたいなぁとは思っていたんです。まさかこんな形で実現するとは。
ポルチーニは結局栄養源(!)にならなかったので、2日ほどの絶食と、回復期も少食で、、そんな訳で、結構ローテンション。普段なら朝から行くのに雨も降ってるし、と昼過ぎに出発、片道2時間半。ローカル線で行くトスカーナ州内部の旅は、気が抜ける抜ける。カッラーラの鉄道駅からはバスだったような?と曖昧な記憶で、その辺にいる人に聞いたりして無事到着。一人旅の醍醐味のひとつ、それは「いい加減で超OK」。別に迷惑をかける人がいませんもんね。仕事とは正反対で息抜きにはぴったり。
では、目当ての作品を一番にご紹介。
ロレンツォ・バルトリーニのぶどう踏みの子。
サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館からわざわざやって来てくれました。うれしい。
この石膏原型はフィレンツェのアカデミア美術館の石膏室にあります。
ピサのカンポ・サントにあるべノッツオ・ゴッゾリの絵の影響とか、です。
ぶどう、つぶつぶ。
ジョヴァンニ・ドゥプレの作品。
ぶどう繋がりで、ぶどうが壊滅的な打撃を受けた時の事を表した、病んだバッキーノ。眉間がなんとも言えません。
この作品もエルミタージュより。同じ作品がフィレンツェ、ピッティ宮殿内近代美術館にもあります。アカデミア美術館の石膏室を見るとわかりますが、原型が一つあると、そこからいくつも作品が作られるというのは、この時代ごく普通の事なんですね。言い忘れていましたが、1800年代です。
ほっほっほ、これもありました。
サンタ・クローチェ教会にある、カノーヴァによる大きな作品ヴィットーリオ・アルフィエーリのモニュメントの原型。
ローマにも原型もあるらしいのですが、こちらの方がより完成品に近いとのことです。
女性はイタリアを表しています。アルフィエーリの死をイタリアが悲しんで泣いています。アルフィエーリさんの横顔は後ろのレリーフのメダルの中。
サンタ・クローチェ教会内の完成作品の写真を自分のアルバムから探しましたが、有名な作品なので撮っていませんでした。全然有名でない作品の写真はいっぱいあるのに。
さあ、困った時のwikipedia。画像発見。こちらです。
最初見た時の印象は → ケーキみたーい。
すみません・・今でもどうしてもそう思ってしまいます。
こちらは、ジョヴァンニ・ドゥプレの”待ち伏せするアムール”。
フォトジェニックな方です。
後ろでに矢を持ってるんですけど、その仕草もかわいい。羽の大きさもかわいい。髪型もかわいい。
などと、平日、とても静かな空間でゆったりと鑑賞することができました。あと、この展示は自動音声のオーディオガイドを貸してくれます。解説ではここに展示されている作品以外の事を触れてのものが多かったので、覚えきれなかったし、もうちょっと詳しいことも知りたいな、とカタログを購入して家路につきました。
そして、帰りの電車、パラパラとカタログをめくっていて、はっ!
展覧会、全部観てない!!!
上の階!!!
この階段、写真撮ってる場合じゃなくて、登らなきゃいけなかった!!!
ローテンションにも程がありますよ、もう。
この展覧会の開催地はPalazzo Cucchiariというカッラーラにある建物です。今回地上階以外は初公開なんだそうです。
万人受けする展示ではないけれども、なかなかいいですよ。
カッラーラ観光は特にせずに帰ってきましたが、街から見える山が、やっぱり独自。
大理石がどーん。
電車の中からも石材屋さんが何件も見えて、大きなホイストの下にバンコに乗った石が沢山置いてあるんです、なんだか風景が懐かしかったです。茨城とか関ヶ原とか、石材屋さんに石を買いに行ったなー。
ふと思いました、石材を買い付けにフィレンツェから行くのって、意外と近くでお手軽?