10年以上ぶりに行ったピアチェンツァへの旅行記です。
久しぶりに行こうと思ったきっかけは、これ↓
ピアチェンツァでグエルチーノ展 開催中!
会場は二つに分かれます。
一つ目はパラッツォ・ファルネーゼ。
二つ目はピアチェンツァ大聖堂。
大聖堂の方は、クーポラの内側に描かれたグエルチーノの作品はもちろん描かれてから現在に至るまでずっとあるのですが、今回はそこまで登って間近で鑑賞することができるというスペシャルイベント。
では、まず一つ目の会場より。
パラッツォ・ファルネーゼ Palazzo Farnese
残念ながら、写真撮影は禁止だったので、作品をここでお見せできません。
なので絵が見れるリンクを文中に貼っておきます。
展示作品は、ローマのパラッツォ・バルベリーニでちょっと前見たEt in Arcadia ego(われアルカディアにもありき)もありました。骸骨の上に止まっているハエをじーっと観察していたあの空間から、はるばるここでまた巡り会うと不思議な気分。
Susanna e i vecchioni(スザンナと長老たち)も。このテーマの違う作家の作品が見比べられるページ。
全体に展示数は思ったほど多くなかったのですが、とてもよい質の作品が集められていました。
ただ、せっかくピアチェンツァまで来たので、あるだけの時間をめいっぱい利用したくなり、3時半に事前予約をしておいた大聖堂クーポラの受付に早めに行って、空いていた枠に入れてもらい予定を前倒しにしました。
というのも、展覧会とは別で見学したい教会が3時半に開くのに、ピアチェンツァ発の電車が4時50分。もうすでにハードスケジュールの予感。
ピアチェンツァ大聖堂 Duomo di Piacenza
お天気にも恵まれ、平日の昼下がり。混みすぎず、ゆったりといい感じ。
その時間の予約の人たちが集まると、係りの人に案内していただいて、大聖堂内部をまず見学。
聖具室にはグエルチーノへの支払い記録が書かれた台帳も展示されています。
収入に関してきっちりと管理していたグエルチーノ、支払いもきちんと期日が守られているのが現在でも確認できるそうです。ただし、この、達筆な筆記体、ロシア語の筆記体よりはましだとしても、読みにくいです。どこにグエルチーノの名前が書いてあるか、、右ページの68番かしら?グエルチーノは斜視(guercio)から来たあだ名で、本名はGiovan Francesco Barbieri。本名で書いてあるはずです。
そして、せまーい階段を登って行って、大聖堂の身廊の真上の屋根裏に到着すると、そこからはピアチェンツァの街を正面ファサードの上の十字に開いた穴から望むことができます。
ここから踵を返して、屋根裏をまた歩いて、、写真禁止マークのついた扉を係りの人が開けると、、、
こんな間近にグエルチーノのフレスコ画!
写真撮影禁止という表示ですが、カメラ、特に携帯などを下に落っことしてしまうと教会内部にいる人の頭上に当たってしまうかもしれない危険性を考えての対策なんだそうです。
実際は写真を撮っても全く問題はない。という係り人の説明だったので、隣のカメラ小僧おじちゃん、左の携帯小僧おじちゃん、みんな写真撮りまくり。じゃ、と、私もカメラ小僧。
この写真の大きく写っている左二枚の絵はMorazzoneモラッツォーネの手によるもので、彼はその2枚を描き終えたところで亡くなり、グエルチーノが後を任されています。
かまぼこ型の絵はグエルチーノ、フレージョと呼ばれる帯の形をしたところの色付き部分も。白黒の部分はグエルチーノの工房の作品。
下を見下ろすとこんな。大聖堂内部。
とても狭い柱と壁の間に入って、そこに設置されたイヤホンを各自つけて解説を聞く形になりますが、事前にモニターでの歴史説明はもうあったので、ここで実際の作品を前にしては、どこが誰の作品かを説明する程度で、あとはクラシック音楽。「ここではゆっくり鑑賞してね。」とでも言っていただいているような感じ、いいですね。
同じ場所を下から見上げると、こんな感じ。
グエルチーノの絵があるクーポラ(手前)の奥にはカミッロ・プロカッチーニとルドヴィーコ・カラッチの天井画も見えます。
そして、充足した時を過ごしたピアチェンツァ大聖堂を出ました。それが3時50分頃。さあ、ここから、競歩!一路、目当ての教会、Chiesa di Santa Maria in Campagnaへ!!
長くなるので次回↓