ミケランジェロのモーゼ:石膏像とローマの本物

ミケランジェロ ジュリオ2世の霊廟

ローマでやっているアルテミーズィア・ジェンティレスキ展がもう少しで終わってしまうので、焦ってローマに行って来ました。その展示以外どこに行くか、行きの電車の中で考えていたら、ふと、

ミケランジェロのモーゼ像を見に行こう!

と思いつきました。
なぜならは、こんなのを思い出したから…

石膏像モーゼ

石膏像 モーゼ 

石膏像、サイズは極小。
かつて在籍していた代ゼミ彫刻学科には大石膏室があって、実物大モーゼ像が余裕のある空間に置かれており、上からも見えるように配慮されていたりすごいものだったのですが、
この極小サイズはフィレンツェにある現在美術高校として使われている校舎にある石膏室の中にありました。
石膏室の様子 ブログ記事→ 「石膏デッサンの100年 」 が、届いた! 

モーゼ像オリジナル /サン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ教会

で、ミケランジェロが製作をしたオリジナルのモーゼ像がどこにあるのかと言うと、こちらローマにあるサン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ教会です。

そこに設置するにあたって、ミケランジェロはこの場所の右上にあった窓(現在は塞がれています。)から光が入る事を計算して、制作途中にこの像の頭の向きを変えたという経緯があるので、最近新たにそのオリジナルの光源を再現したライトアップが始まったのでした。

これは見ておかないと!

教会が閉まるのが夜の7時、ぎりぎり間に合いました!

ミケランジェロ モーゼ オリジナル

いいじゃないですか、かっこいい!(画像が荒くてすみません)

これが見れたのも、極小モーゼさんが思い起こさせてくれたおかげです!!

ちなみに、このユリウス2世の霊廟の為に制作をしていて、結局完成しなかった他の彫刻作品、奴隷像群はフィレンツェのアカデミア美術館 Galleria dell’Accademiaと、ヴェッキオ宮殿 Palazzo Vecchioにあります。
他2点はルーブル美術館にも。

もともとの霊廟完成予定の再現図がwikipediaでも見られますが、ものすごく壮大なものです。
このモーゼは2段目に置く予定でこれより大きい彫刻も計画されていました。それが何回も変更に変更を重ねて、今のものになってます。

デザイン同士を比べると今のものは貧相に見えてしまいます。
ちょっとかわいそうな完成かなぁ、とそう思ってしまわないこともないですが、実物のこの霊廟を見ると、「十分以上じゃないか!」と、感じられる迫力があります。

ユリウス二世の場合は縮小はされたもののミケランジェロの作品がお墓になりましたが、そのミケランジェロ本人は自分の墓に自分の彫刻を据えてもらえなかったので、そちらの方がむしろ可哀想な気がします。
ミケランジェロの墓はフィレンツェのサンタ・クローチェ教会 Basilica di Santa Croceにあります。

ぎりぎりの時間に行ったもので、教会内もじっくり見学する暇なく時間を知らせるベルが鳴り響き、モーゼのみの鑑賞になってしまいました。
ベルでも鳴らさないと観光客がなかなか出てくれないのでしょうね、観光地ですし。

不完全燃焼感で、そのままファサード前の階段に座って、おやつのチョコなんかを食べながら教会内部の他の祭壇などを調べ続けていたら、、

かもめ1

カモメにロックオンされる。
チョコだし、あなたの食べ物ではないはず。
でも、近づいて来た。

かもめ2

その辺に落ちていた紙くずを突っついて、不満気。
ちょっと攻撃的な嘴使い!
距離がどんどん縮まってきたー。こえー。
退散。

かもめ3

ローマはフィレンツェと違って、かもめが多いんですよね。

テルミニ駅までの帰り道、毎回同じ道を通ってもつまらないので、今回はDoms Aurea黄金宮殿, Terme di Traianoトラヤヌス浴場跡を通りました。
今、黄金宮殿が見学できるのですが土日しかやってないので、なかなかタイミングが難しい。
そのうち行きたいです。

・モーセ像のある教会・Chiesa di San Pietro in Vincoli・

Piazza di San Pietro in Vincoli, 4/a, 00184 Roma