つい最近に、お客さまとお話をしていたら、「明日はローマで少しだけ時間があるから、バチカン美術館か、無理だったら真実の口を見に行ってぶらぶらしようかな。」とおっしゃっていました。
ふと、その時になって気づきました。
あ、真実の口、見たことない!
確か、初めてイタリア旅行に来た時、友達と行きたい場所を挙げていて、その中に真実の口もあったはず。結局はコロッセウムとかパラティーナの丘だとか、やっぱりバチカンとかを優先して行かなかったんです。すっかり忘れていました。
(ところで、バチカンって日本語表記を初めてしたのは誰じゃ?ヴァティカーノのスペリングを勝手に変えてません??って、ウフィツィを最初ウッフィーツィと表記していたのに、長いものに巻かれてしまった私は思います。)
なので、行きました。
で、行くのならば、その周辺のものを見て回りたいんです。
旅のルートの決め方はいつもそんな感じです。一つ行きたい所があって、そのついでに周りをぐるぐる歩きます。そうすると、一番最初に行こうと思った所よりも、むしろこっちがメイン!みたいな場所が見つかったりします。”棚からぼたもち” 。
今回の棚からぼたもちの一つが、ここです。
地味ですね。
サン・ジョヴァンニ・イン・オーレオ教会。こんな小さいんですけれども、祈祷所ではなく教会なんだそうです。
こんなちっちゃくって可愛らしい建物、おそらくブラマンテか、アントーニオ・ダ・サンガッロの設計とのことです。
ちなみに、最後の”オーレオ”で、あの白黒のお菓子、オレオを思い出しましたが、Oleoなので、OREOではありません、あしからず。発音も前の “イン” とくっついってるのkで “イノーレオ” 。お腹が空いたぞ!
この場所、重要なんです。
ここで、福音記者ヨハネ(ジョヴァンニ)さんが沸騰した油でゆでられちゃったんです。
ドナテッロがメダルの中に漆喰で表現したシーンです。@フィレンツェ サン・ロレンツォ教会 旧聖具室
分かりにくいのですが、黄金の地に赤い玉がくっついてるメディチ家の紋章の上の丸い枠の中が、その作品。
大鍋で煮られちゃってます。でも死なないって、さすが聖人。
この事件が起こった現場が、ここなんです!
それが発見できて地味に嬉しいです。まったく無名の観光地。誰も周りにいやしない。
その後に、カラカラ帝の温泉なんても見に行きました。近くだし。
そっちはダイナミックでおーっ! って、いいですね。
中略
そして、本日のメインイベント、真実の口!
えー、並んでるー。超観光地。
大人しくならんで、写真を撮りました。
せっかくなんで、みんな記念撮影していることだし、係りの人に写真をお願いしました。
ものの数秒だったのですが、後からチェックしたら、こんなところからもう撮影が開始してました。
1、歩み寄る最中。
2、ぎこちない笑顔を係りに人に向ける途中。
パラパラ漫画状態。撮ってもらっていた枚数は10枚。1秒に一枚ペース。
でも、この先の写真は自重しときます。笑顔がぎこちなすぎるので。
こういう時に自撮りで鍛えておけばよかったかと、そんな考えが頭をよぎりますが、性格上無理です。むしろ、自撮りで最高の笑顔を携帯に一人で向けている人たちを観察するのが好きです。
フィレンツェという観光地に住んでいますので、日常的に記念撮影をする人たちが道のあちらこちらにわんさかいます。なのでポージングとか観察してしまいます。
暖かいラテンな国からの人たちは、「え、それビーチでするポーズよね?普通の階段の上だけどお腹冷たくない?」とか、今はあまりいませんが、多分中国で流行っていたのかジャンピングスタイルもよく見かけました。
今後も記念写真スタイルを観察してゆく所存です。
真実の口で記念撮影をすると、右手の教会の中に入るコースになっています。
小さな教会なんですけれども、大好きなコズマテスコの床モザイク。サンタ・マリア・コズメディン教会。
クリプタにも入ってみました。教会と真実の口は無料ですが、こちらはいくらか寄進します。(真実の口の前にもお賽銭箱みたいなものがあります。)紀元前にヘラクレスを祀った神殿だった場所だそうで、いやはや。歴史が長いですね。
コズマテスコの装飾でも有名な場所、サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ教会にも行って来たので、それは次回にでも書きます。コズマテスコが大好物なんです。
教会見学後、その近くにあるローマ時代の遺跡 テンピオ・ディ・エルコレ・ヴィンチトーレとかを見ようかと歩いていたら、こんな集会に遭遇。
イタリアって、こういう感じの抗議集会がよくあります。なのであまり気にせずに通り過ぎようとしたら、なにか聞いたことのある声。よくよく聞いてみると、以前フェイスブックで非常に感動的なほど説得力のある女性小児科医の動画を観たことがあるのですが、多分同じ人でした。
これは予防注射義務化反対の抗議集会でした。
残念ながらイタリアでは子供への予防注射が選択制ではなく義務制になったばかり。予防注射の是非はともかく、それを義務化して自由を奪うのはあってはならない、という至極もっともな主張です。
利権関係が発生するので、子供全員が注射をすることになると儲かる側がありますね。癒着べったり。
そんなことを言いながら、うちはうっかり基本的な予防注射を打ってしまっていました。最初の数ヶ月にどばっと打ちますもんね。騒がずに解毒を考えるのが現実的かと思っています。