フィレンツェカードのお知らせを挟んで、前回のブログ記事 ヴェネツィア必見スポット(あるリピーターの場合)-1 の続きです。
マドンナ・デッロルト教会
Chiesa della Madonna dell’Ortoと書くので、日本語的にはは”畑のマドンナ教会”とか”菜園聖母マリア教会”とかの方が、dell’Ortoをそのまんまカタカナ表記にするよりはいいじゃないかと思いつつも、そのまま続けます。
ここは、前回に紹介しました”斜めってるターバン男の彫刻“(ティントレットの家)のすぐ近くにあります。
正面のファサードが、こちら。
春の清々しい朝日を浴びて、さあ、中へ。
ここになにがあるかと言うと、これ!
ティントレットJacopo Robusti detto il Tintorettoの祭壇画
真ん中のはパルマ・イル・ジョーヴァネ Palma il Giovaneで、上に5枚ある小さい絵の真ん中がピエトロ・リッキ Pietro Ricchi。それ以外が全部ティントレット。
特に左右の大きな作品は圧巻で、こちら↓は右側。
“最後の審判“
でもやっぱり写真だと、よく分からないですね。
これはティントレットの宿命?画面が暗いと写真映えがしません。
カラヴァッジョはまだ有名だとしても、画面が暗いバロック絵画は日本であまり人気がないのは、あまり実際の作品を目にする事が少ないから・・・・?
ティントレットは1500年代の人でバロックより前ですけど、例えばその代表作↓(リンクをクリック)
同じくヴェネツィアのドゥカーレ宮殿にある巨大な作品ですが、図版で見るとどうもイマイチな気がするんですね、。本物はすごい迫力なのに。
気を取り直して、最後の審判の細部拡大。
隙間という隙間に、ぎっちりと人が描きこまれています。
何が何だかほぼ分からなくなります。
個人的にはそういうところも好きですけれども、初めてティントレットの本物の作品をヴェネツィアで観た時は、数点鑑賞しただけでお腹いっぱい。もういいです。っていう気分になったのを覚えています。
あまり慣れないダイナミックさに酔ったのかもしれません。最近は耐性がついてきました。続けて鑑賞しても大丈夫。
主祭壇左のもう一枚の大きな作品、
“金の子牛の崇拝“
画面上部に十戒を受け取るモーセ、下にはモーセの不在中、禁じられた偶像崇拝に興じる人々。
他にも、見逃せないティントレットの作品。
“聖母マリアの神殿奉献“
幼いマリアが神殿に奉献されるシーンです。
画面右上の階段を上っている女の子がマリア様。後光が差しています。
繰り返し言い過ぎているような気がしますが、図版よりもずっとグッとくる作品です。教会の中での鑑賞はいいですね。
これは主祭壇を前にして、右の壁の上の方にあります。お見逃しなく。
そして、近くには、
ティントレットのお墓
作品はダイナミックですが、お墓はひっそりと。
教会を出る前に、左身廊にあるこの祭壇に近づいてみました。
額縁の下に、離れた距離からでも写真だと分かるパネルが置かれています。
そのパネルの左にある札を何気なく読んでみると、、
「再現写真。ジョヴァンニ・ベッリーニ(1425-1516年)作品のほぼ実物大。1993年3月1日の夜に盗難。」
なんと、盗難にあったまま、まだ帰ってきていないのですね、。
どこかのオークションかなにかで、ひょこっと出てくるとか、あって欲しいですね。
盗難事件が頭の中をぞわぞわ騒がせながら教会を出たら、中庭に通じる扉が開いていたので入ってみました。
回廊の壁に、現代の画家による絵の展示。それで開いていたようです。
係りの人に、Buongiornoと挨拶をしつつ、のどかな中庭拝見。(止められなくてよかった。)
こうやって中庭から空を見上げると、一体自分がどこにいるのやら分からなくなります。
ヴェネツィアという超過密な観光地からすぐそばのはずななのに、とても静かで穏やかな空でした。
常に眉唾である必要はあるWikipediaですが、この教会のページは細かく作品の写真などが出ています。どうぞ、ご参考に。他のティントレット作品、ティントレット以外の作品も出ています。
–Chiesa della Madonna dell’Orto–