始まりは、美しいサン・ゼノ教会の中庭より。
ヴェローナの中心街よりもちょっとだけ西にある、4世紀にヴェローナの司教であったゼーノ(もしくは呼び方はゼノーネ)を祀った教会です。慣習的にサン・ゼーノ教会ではなくサン・ゼノ教会と言ってしまいます。
ここは以前マントヴァに行った時、帰り道でヴェローナ乗り換えで、ちょっとだけ時間があったので寄った事がありました。
→マントヴァとデューラーとメランコリア (以前wixで作っていたサイトなので重いです。開くまで時間がかかるかもしれません。)
その時は、時間をかけてひたすら鈍行列車を乗り継いでいったのですが、ヴェローナまで行ってからマントヴァまで鈍行列車という手の方が楽に到着できます。しかし、なんでそんな乗り換えばかりをしてマントヴァまでの往路だったのかと自分で不思議に思って電車のダイヤを検索し直したら、特急列車italoだとヴェローナ着が10時27分と遅め。じゃ、どの電車で行ったんだっけ?と、トレニタリアの鈍行のダイヤも検索してみました。
そしたらなんと、4時32分フィレンツェ発の電車に乗ってた事が分かりました。乗り換えはボローニャとモデナとで計2回、マントヴァ着は8時17分。3時間45分の片道。よくやったな・・・。
それはさておき、
このサン・ゼノ教会の目玉はこちら。
主祭壇にどーん。
アンドレア・マンテーニャ作、”サン・ゼノの祭壇画”。
綺麗なイリュージョンの遠近法、後ろに広がる青空に雲、草花版”しめ縄”みたいなフェストーニ、
面倒な事を言わずしても、なんかいい!
さすがマンテーニャ!
で、もうひとつ、この教会の目玉作品があるんですけれども、その前に気になる作品を数点。
主祭壇の左にあるのは、このサン・ゼノ(聖ゼノ)の像。
大理石に彩色がしてあります。
別名で、”浅黒司教” 。
なんかふざけた訳ですみません。”vescovo moro”が元です。
moroは黒ずんだとか、ムーア人とか、浅黒い肌の人の事を指します。フィレンツェでもアレッサンドロ・デ・メディチ Alessandro de’ Medici (クレメンテ7世とおそらくアフリカ系の母親の子)は il Moroって呼ばれますし、ミラノのルドヴィーコ・マリーア・スフォルツァ Ludovico Maria Sforza も Ludovico il Moro。こっちは見た目の色の他に諸説あるそうですが。
彩色をしっかりされていると、顔の部分などは特に大理石というより、ブロンズに見えてきます。近くで実物を見ると、もちろん大理石の質感はありますが、過去に、より高価であったブロンズ製に見えるために彩色をされていた、オルサンミケーレ教会(フィレンツェ、シニョリーア広場と大聖堂の間にある教会)の大理石像はこんな感じだったのかなー、と眺めていました。
それと、ピース。
うん、ピースではなくて、祝福を与えて下さってる訳なんですけど・・・。三位一体とか。
注目したいのは、落書き。
いつの時代も落書き。とはいえ、これは歴史上の出来事を記録したものだそうです。単なるイタズラな名前を書いただけのものではありません。1486年とかはっきり読めますね。
ダヴァンツァーティ邸Palazzo Davanzatiの台所にも、落書きがあります。って、いつもフィレンツェを引き合いにだしてしまってすみません。癖です。
ここが、もう一つの目玉。
さあ、扉! ひらけセサミ!
って、ずっと開いています。
ただし、教会の正面外側からは見えない状態です。外側にはもう一枚扉があって閉まっています。こちらのブロンズ製レリーフは教会の中に入ってからでないと見られません。
両開きの扉、それぞれに24枚のレリーフを繋げてつくってあります。
その一枚一枚が、良いです。
これは、キリストの死後、棺桶に遺体が入っていないのを発見するシーン。
左の天使が棺桶の上に座って、いい表情してるじゃないですか。
「もうここにいないんだよねー。」とでも言っているような・・・・。
あと、これ、左の女性がお乳を与えているものに注目!!
魚が二匹!!おっぱい飲んでる!!!!
魚がイクテュスって言って、キリストを表すシンボル(ギリシャ語の魚の意味で、キリストを表す頭文字をとった単語)だから、、、ってだからって言っても、お乳をあげるシーンは初めて見た気がします。オーディオガイドでは説明はなかったし(聞き逃していなければ、。)、もしご存知の方いらっしゃいましたらぜひ教えてください。気になります。
こっちは、旧約聖書のサロメの踊っているシーンなんですけど、、サロメが、、、、。
宴会のテーブルの下で、くるん!ってなってる。
体が柔らかいですね。
このサロメ、しゃがんで下から見上げないと、お顔が拝見できません。
などと、細部を見れば見るほど、個人的にはハマってしまう扉のレリーフなのでした。
この十字架の上の太陽と月も可愛いし。
おしまい。
-ヴェローナ観光記事は今のところ他にも2つあります。-