ウフィツィ美術館で現在、蔡 國強(さい・こっきょう)の企画展が開催中。
展覧会開催直前にミケランジェロ広場から花火というか、火薬と煙のインスタレーションを披露した現代美術アーティストです。
中華人民共和国出身、日本に滞在していた期間もあり、現在はアメリカ在住。
漢字圏外では蔡 國強をCai Guo-Qiangと表記します。
(カイ・グオクアン?誰か分からなくる!)
ミケランジェロ広場での花火の様子 La Repubblicaより
ガイドの仕事中は企画展まで入る余裕がないので、開催日からしばらく経ってからプライベートで観に行ってきました。
展示のテーマはFlora Commedia 植物喜劇、、と直訳?。
ダンテの神曲はDivina Commedia に倣って植物曲としても変ですけど。
2017年、蔡 國強がウフィツィ美術館、ピッティ宮殿、ボーボリ庭園、デッサン版画展示室を訪れたことに始まりまるそうです。
色々と鑑賞しつつ進むと、突然目に入ってきたのが、「北野武」の文字!!
漢字の意味とか北野武が誰か知らない鑑賞者は、完全に作品の模様の様なものの一部としてしか見ていないのでしょうけれども、これはどうしても目に入ってきます!
展示室にあった説明には何も「北野武」についての言及はなかったので、家に帰ってからネットで検索。
ここぞという検索結果は見つかりませんでしたが、どうもお二方の直接の交流があるみたいです。
参考記事→ REAL TOKYO 蔡国強からchim↑pomまで
全体はこういう作品。
数年前に訪れたトスカーナの田舎の風景を見て制作したという作品で「Il giardino della natura / Nature Garden」というタイトル。ひまわりの生と死を表しています。
ですが、ビートたけしとこのテーマがどういう繋がりなのかは、不明です。
ご存知の方いらっしゃったら教えてください。
展覧会の案内も読みましたが、全く説明が出てきませんでした。
その他の作品。
よく見ると、ボッティチェッリのヴィーナスの誕生が描かれているのが分かります。(上の大きめのパネル作品)
ボッティチェッリの春の中から花の女神フローラ、なども。
これらの作品の制作風景のビデオも展示してあり、興味深いです。
絵を描く様に火薬をキャンバスに乗せ、筆の様に火を扱い次々に点火してゆきます。
火薬は言うまでもなく中国文化を思い起こさせます。作品モチーフである西洋美術との交差がそこに生まれます。
作品の展示の仕方は、壁一面にいくつもの画布を並べるクアドレリーアと呼ばれる西洋の手法。
こちらは、16世紀のマルカントーニオ・ライモンディによるエロティックな版画よりインスピレーションを受けた「I Modi」↓
2019年で没後500年になるレオナルド・ダ・ヴィンチにちなんだ「Study of Birds」↓
現在同じウフィツィ美術館では、鳥の飛ぶ軌跡やら水の流れ、測量の方法、天体についてなどを記したレスター手稿の特別展も開催中です。(レスター手稿展示スペースは地上階、ブックショップが並ぶ途中のマリャベーキの間。)
そういえば、以前のブログ記事でも蔡國強の作品を紹介していました。↓
今回のウフィツィ美術館での企画展は、より大きなプロジェクトの一部で、2017年よりモスクワのプーシキン美術館より始まり、マドリッドのプラド美術館、次いでここウフィツィ美術館。
その後2019年はナポリの考古学博物館、そして東洋にて終結します。
イタリアでは特に歴史的な美術作品が多いので、たまにこういった現代美術作品が見られるのは良い刺激です。
展覧会: Flora Commedia. Cai Guo-Qiang
場所: フィレンツェ ウフィツィ美術館内
会期: 2018年11月20日〜2019年2月17日
展覧会場所ですが、どこにあるのか探すと分かりません。
素直に美術館の全ての順路をこなして常設展示が終わった後、階段を降りる前にあります。↓
職員さんが写ってる!すみません。でも誰か特定できないからそのまま載せてしまえぃ!