お昼ちょっと前に時間が空いたので、久しぶりにホーン美術館に寄りました。
睡眠不足が続いてこめかみあたりが引きつっていたようなのが、この美術館に訪れたら途端にリラックス。
ホーン美術館、イタリア語だと”オルネ”。
それでもどっちでもいいや。って思てしまうのは、
仕事ではまず行かない美術館なので、日本語で言う機会は滅多にないからです。
マイナーっぷりで比較するとシヴィエーロの家といい勝負?
両方ともとても良い美術館ですが、フィレンツェに来たら最優先で行く場所でもありません。
(デ・キリコのこの作品が観たい!とか特殊な理由がない限り。)
この美術館の目玉作品は、ジョットの聖ステファノ。
石が頭に乗っているのが目印の殉教者。
私の妄想が申すには、聖ステファノの頭に乗っているのは豆大福だそうですが、それを言っているのは私の正気ではないので罪はありません。
石打ちの刑によって殉教したので、この姿です。
個人的に興奮するのは、同じ部屋にあるフランチェスコ・フリーニの作品です。両側にあります。
(写真がありません。気になる方はぜひ見に行ってください。)
あと、ピエロ・ディ・コージモとか、ベッカフーミ、フィリッピーノ・リッピの色が落ちている作品や、ドッソ・ドッシのミステリアスな作品も、素敵。
こんな風に部屋に飾られています。
ここに展示されているのは、イギリス人の美術史家で建築家で美術コレクターだったハーバート・パーシー・ホーン氏が、彼の一生の多くを過ごした自宅と共にフィレンツェに寄付された作品。
キャプションは付いていないので、チケット売り場でもらえる小冊子を見て、作品タイトル等が確認できます。
例えば、上の写真はこんな↓感じに分かりやすくイラストで表示されています。
解説などは全くないので、公式ガイドブックを購入すると詳細が分かります。
でもそのガイドブックは、買わなくてもダウンロードできます。
→ Piccoli Grandi Musei – Guide e Cataloghi
毎回、心奪われる作品が違ったりして、今回まじまじ見てしまったのは、これ↓
これは、コイン収納ケースで、右側に引き出しのようになっているトレイが沢山あります。
なんというか、すごい細かすぎる仕事っぷりのケース、裏側にまで細工が施されていて、うっとり眺めておりました。
しばらくしたら、監視の人以外他に誰もいなかった美術館に、背の高いアングロサクソン人っぽい老夫婦も入ってきました。
別に気を止めていなかったのですが、ふと見ると、長身を思いっきり屈折させて床に直置きの長持を凝視しています。
そちら方面の方でしょうか?
お仕事で、たまに建築、デザイン、美術系の方をご案内するの事があるのですが、そんな皆さま、細部とか全体のバランスとか、素晴らしい観察眼で眺めてらっしゃいます。
それとは対照的に部屋をぐるっと一周歩いてそのまま去っていった方は、おそらくフィレンツェカードが使えるから入ってみたよ!という感じか、
もしくはフィレンツェで沢山の美術品を観すぎて飽和状態なのかもしれません。
そんな、好き嫌いが結構出るようなこの美術館、
どうぞお試しあれ。
ホーン美術館公式ページ→ Museo Horne
そうそう、リラックスできたのは、もしかしたら美術館内に色々置いてあった香りのおかげもあったかもしれません。
近くにあるAQCUAFLORという店のポプリやディフューザーが各部屋にありました。
気に入った香りがあったらすぐに買いに行けるとは、いいこと思いついたね、スポンサーかしら?
サンタ・クローチェ教会もすぐそこなので、そちらも合わせて入ると良いですよ。
せっかくなので、と欲を言うと、川を渡るとバルディーニ美術館もバルディー二庭園もあるし、そこまで行ったのならばヴィッラ・バルディーニにもボーボリ庭園も…
ピッティ宮殿内の4つの美術館も全て制覇してラ・スペーコラにも行ってしまえ〜!
と、無理なことを言ってみました。
どうぞ、よい週末をお過ごしください!