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美術館を100倍楽しむ方法 – ボローニャ編

がいこつ

シリーズに見せかけて第一編で終わる記事も多い中、

ブログ著者が美術鑑賞を真面目にしながらも、うがった見方をする癖があるので、

再び登場、美術館を100倍楽しむ方法

・1回目 美術館を100倍楽しむ方法-ピサ編

2倍でも10倍でもなく、100倍と謳っているあたりが胡散臭いですね。

 

読む前の注意事項
純粋すぎる美術愛好者、純粋すぎるキリスト教徒の方はここで読むのはやめておいてください。著者のダークサイドが若干出てきます。

 

 

 

今回はボローニャ編、

ボローニャ国立絵画館 Pinacoteca Nazionale di Bologna

このボローニャ絵画館はイタリア美術館の典型的な展示方法で、年代順。1300年代から始まります。

1300年代って、解剖学*はまだ進んでなかったし、遠近法は直感的で数学的ではなかったし、聖書の内容を文字の読めない信者に伝える為にがっつりストーリーが入っていたり、、

なので現在の常識から見ると不思議と不自然が入り混じったツッコミどころ満載の面白い絵になってしまっていることが多々あります。

*解剖学といえばボローニャ大学のパラッツォ・アルキジンナーズィオにある解剖室

 

 

 

では、1点目。

いい感じに顎が外れた骸骨

がいこつ

 

どことなしか、あの修復に大失敗(大成功)しちゃったスペインのエッチェ・オモを思い浮かべる骨格の歪みっぷり。

微笑んでいるようにも見えて、かわいいです。

 

実は、この作品は前にも取り上げた作品の一部です。

ボローニャの見どころは?

これ↓

十字架刑図

アダムさんの頭蓋骨でした。

 

あまり興味がある人はいないかもしれないけど、作者とタイトルを書いておきます。-Giovanni Martorelli ? “Croce sagomata col Pellicano, la Madonna e i santi Giovanni e Cristina” 1450 ca.

 

 

 

続いて、

超ウルウル

うるうる

目力がすごい少女漫画風うるうる。

こんな可憐なマリア様もなかなかないでしょう。

-Giovanni Martorelli “Polittico(frammentario)” 1460 ca.

 

 

 

 

生け花用剣山が悪用された。

ぐさっ

いや、こりゃ痛い!

地面に滴る血が地獄だ!!という感じを醸しているけれども、実際に刺さっちゃってる人は割と穏やかな顔をしているのが対照的。

-Pittore bolognese del XV sec. “Polittico” 1450/1475 ca.

 

 

 

 

モザイク処理をすべき。

えんま様

何を指してモザイク処理と言っているのかは察して欲しいところですが、

腹にも口がある悪魔に断罪された悪人が食われているところなんですって。

ここにいる悪魔さんたちは皆とぼけた顔をしています。

やっていることは凶悪でも根は優しいシリアルキラーキャラかも。

いい味出しています。

-Maestro dell’Avicenna “Paradiso e Inferno” 1435 ca.

 

 

 

 

スーパーヒーロー アントニウス

ヒーロー アントニウス

ロープで脱出

 

ヒーロー アントニウス

絞首刑の人を救ってる?

ヒーロー アントニウス

死者を蘇らせつつ、さりげなく祝福benedizioneのピースマーク。やるな。

 

ヒーロー アントニウス

またここも、念力か?!

 

アクションあり、奇跡あり、ハリウッドスターよりかっこいい聖アントニウスです。

いやー、こういう絵を見てワクワクドキドキしてた人もいるんじゃないでしょうか?

-Vitale di Aymo degli Equi detto Vitale da Bologna “Quattro storie di sant’Antonio abate” 1340/1345 ca.

 

 

聖アントニウスと言ったら修行中のシーンの方が有名ですが、この一連の絵ではその後に起こした奇跡がメインテーマ。

修行中のシーンは、このあたりの絵↓が有名です。

 

どーでもいいんですけれども、小学生の頃に画集で見たヒエロニムス・ボスが描いた聖アントニウスの誘惑の絵の印象が強すぎて、大人になるまで随分長いこと聖アントニウスを、聖ヒエロニムスかと思っていました。

もっとどーでもいいんですけれども、イタリア語読みのヒエロニムスはジローラモ。ジローラモという名前で一番最初に思い浮かべるのは、この人。という人が多いと思います。

なので、この方もジローラモさん。wikipediaの画像↓

ちょいワルも面目丸つぶれ。エレガントなじい様になってしまいました。

 

 

 

 

ロン毛

ロン毛

いい感じのロン毛。

これは1400年代初頭の作品で、骨格に激しい異常は見られません。(肋骨が怪しいけど)

-Giovanni di Pietro Faloppi detto Giovanni da Modena “Croce sagomata con il Padre eterno, l’Addolorata e i santi Giovanni e Francesco” 1415 ca.

 

ヘッドバンギングしたら、映えると思います。

いや、結構持久戦なんですね。

あんまり音楽ニュースはチェックしないので、マサ・イトーさんを久しぶりに見ました。なつかしー

 

 

 

 

小さい抱っこマリアちゃん

抱っこマリア

ヘッドバンギングの後に話題が可愛くなるんですけれども、

このシーンはマリア様が疑い深いトマスに腰紐を垂らしてあげているところです。

マリア様が天に召し上げられたのが信じられん!と、トマス言うので、「しょーがないわね」と。

縮尺が都合のいいように変えられて、抱っこされている姿が小さくなっちゃってます。

-Simone di Filippo detto dei Crocifissi “Sette spisodi della vita della Madonna” 1396/1398 ca.

 

 

 

 

細部に精霊は宿る

精霊がー

多くの人は一瞥するだけで素通りするこの作品。

せいぜい見る人は、休日にお金を払って入った美術館なだけにケチ根性でやけに丁寧に見るタイプか、義務的に全部観なくちゃいけないと思っているタイプ、他人が興味深く観察しているのを見てそれが有名な作品と勘違いしてつられて見るタイプ、それくらい。

 

いや、一点だけこの作品があったら誰だって見るけど、こういうタイプの作品がまじでゴマンとあるイタリアです。

大抵の美術館に行けば、小さな規模でも最初の方の部屋にこんな感じの金箔を使った祭壇画が最低5点あって、しかも作者はScuola toscana-トスカーナ派とか、ignoto-不明 とかになってるんだから、まあ、分かる、足早に通り過ぎちゃう気持ち。

ゴシック建築は人気があるけど、ゴシック絵画、ゴシック彫刻は人気がないですね。宗教画というのが全面に出てる感じがして、それだけで敷居が高くなるのかもしれません。

 

でも、細部を無理してでもいいから見つめてください。

精霊がー

一見火の玉みたいに見えるモノの中に、米粒大の顔がびっしりと書き込まれているのを発見。

米粒顔もちょっと怖いし一瞬ビビりました。

よくよく観察すると、まだ赤ん坊のキリストが入れられているカゴの網目まで、よく描きこまれていて見応えがあります。

マリア様の指は、描いてる本人は「長すぎるなこりゃ!」となんで気づかなかったのか、その辺は時代の違いですね。

-Pseduo-Jacopino “Polittico” 1330/1335 ca.

 

 

 

 

めっちゃはためいてる!

躍動感

聖ジャコモさんが、馬に乗っているシーン。

衣のはためき方がやたらリアル。1315〜1320年あたりの作品。

この衣はなんだかやたら美しい。

衣のはためくバフッ!っていう音、聞こえません?

-Pseduo-Jacopino “San Giacomo alla battaglia di Clavijo” 1315/1320 ca.

 

はためく・・・・

 

小さくはためく・・・

 

「はためく衣」という検索ワードに、しっかり引っかかってくれたはためきに、感謝。

 

 

おわりに

ゴシック絵画の鑑賞の仕方は、その美しさを愛でると共に、個人的な曲解を入れ、理性と常識と妄想とファンタジーに揺れ動くところに醍醐味があります!(嘘)

ちなみに、このボローニャ国立絵画館にはカッラッチ兄弟、グイドレーニ、などの作品が多くあるかなり興味深い展示内容です。ラッフェエッロの代表作のひとつもありますし。

ここで登場させたのは、その中でもかなりマイナーな作品群です。

ひねくれた鑑賞をせずとも、素晴らしいコレクションなので、ぜひボローニャに訪れる際は寄ってみてください。

 

 

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