ジョットの家 ヴィッキオのヴェスピニャーノ

ジョットの像

ムジェッロの片田舎バルビアーナとドン・ミラーニ

前回のブログの続きです。
バルビアーナの後に、まあせっかく来たのかだら。と、その近くの

ヴィッキオに行きました。

観光地として有名ではないけれども、落ち着いた小さな街です。昔ヴィッキオの駅では電車が到着すると、駅員さんがアナウンスで、「ヴィッキオヴィッキオヴィッキオヴィッキオヴィッキオヴィッキオヴィッキオヴィッキオ!」っと早口で連呼していたそうです。声に出して言ってみると、なかなか連呼したくなる心地よさ(?)があります。是非お試しください。
残念なことに、現在は自動音声が流れます。

 

すごく有名な文化遺産がある訳ではないこの街の真ん中には、ジョットの出身地である事にちなんで、上の写真のジョット銅像がどーんと建っています。西郷さんと似てる?

 

街のから少し歩くと湖があります。

 

 

お散歩にも良さそうなところです。空気が良い。

 

その後は昔の城壁なんかをぐるっと回ってから家路についたのですが、
道路標識が、「ジョットの家」と言っているではありませんか。即決で「行こう!」と、ウィンカーも出さずに急に右折して、ヴィッキオ市の中のヴェスピニャーノVespignanoという所へ向かいました。(私の運転ではありません。)

 

到着、

ヴェスピニャーノ ジョットの家

ジョットの家

 

ちょうどメーデーだったので残念ながら閉まっていました。

なので、ぐるぐるっと周りを回って、、

 

ジョットの家 上から

 

ジョットの家

 

 

右手に見えるパネルは”バディーアのポリプティク”というウフィツィ美術館にあるジョットの作品の写真。別にここにもともとあった訳ではないです。あったのは、バディーア・フィオレンティーナというフィレンツェの街中にある教会です。なので、”バディーアの…”と呼ばれています。

庭のお手入れとかもちゃんとされています。すてき。
さて、開いていなかったのは残念ですが、いくつかこの場所についてのお話を。

 

ジョットの家の説明 オフィシャルページより

この”ジョットの家 Casa di Giotto”はヴェスピニャーノのサン・マルティーノ教会の近くにあります。中世の古い建物ですが、今に至るまで何回も改装が施されました。まず、1840年にあった大掛かりな改装、19世紀末にはオリジナルの外観にゴシック趣味の窓が加えられ、1919年の地震では2階の床の崩壊など酷い被害がありました。その後、存在を忘れ去られ風化してゆきました。1900年代初頭は農家の一部になっていたものをヴィッキオ市が買い取り1967年になって修復を終え、ジョットの生家として生まれ変わりました。研究によって確認されたのはこの家は大きな邸宅の増築部分であったということです。2002年には”ジョットの家”としての美術館と文化的な新しいコースの重要な場所にすべく改良が加えられ、2008年の再整備では伝統的な意味においての”美術館”ではなく、展示空間、出会いと芸術創作の場であるとされ、週末やイベントのおりや学校の遠足で利用されています。

抜粋要約

“ジョットの家”が生家なのかどうか

上記のオフィシャルページの説明にもはっきりと”生家”と書いていません。
なぜならば”ジョットの生家”と言えないのは、本当の生家かどうかが分かっていないからなんです。
そもそもジョットの出生年は1267年と言われますが、1276年という説もあります。
幼少期をヴェスピニャーノで過ごした後、チマブーエの工房に入ったというのも確かではなく、「ジョットが師匠チマブーエのいない間にハエを絵に描き込むいたずらをして、帰ってきた師匠はそれを本物と思って追い払おうとした」という逸話も後に創作された伝説かもしれないのです。
ただ、ヴェスピニャーノとの繋がりは非常に強く、彼の資産は全てこの土地にあり、子供達全員がここに住み、三人の娘たちは全員この周囲の家に嫁ぎ、息子の一人はヴェスピニャーノのサン・マルティーノ教会(ジョットの家のすぐ近く)の主任司祭でした。
このように周囲の状況からして、この辺りが彼の父親ボンドーネ(ジョット・ディ・ボンドーネという名前はボンドーネのジョットという意味)の家があった可能性は高い訳です。
でも、それ以上は不明、ということですね。



 

ジョットの家 夕方

 

ともあれ本当に素敵な場所でした。

こんなところで暮らせたらな〜と思います。が、そういった考えはいつも撤回。フィレンツェ出勤が大変すぎる、。ネットで仕事が完結する職種だといいですけどね。

 

ジョットの作品

フィレンツェには、大聖堂のジョットの鐘楼、ウフィツィ美術館の荘厳の聖母子、サンタ・クローチェ教会には礼拝堂のフレスコ画、オンニッサンティ教会サンタ・マリア・ノヴェッラ教会には磔刑図、などジョットとその関連の作品がたくさんあります。
あと有名どころでは、パドヴァのスクロヴェーニ礼拝堂、アッシジのサン・フランチェスコ聖堂のフレスコ画など。

 

 

ジョットの家の開館日時

11月〜翌年3月:  日曜日のみ 10:00-13:00 / 14:00-18:00
4月: 木〜日曜日 10:00-13:00 / 14:00-18:00
5月〜9月: 木〜日曜日 10:00-13:00 / 15:30-19:30
10月: 金〜日曜日 10:00-13:00 / 15:30-19:30

休館日
1月1日、1月6日、復活祭とその翌日、4月25日、5月1日、6月2日、6月24日、8月15日、11月1日、12月25日、12月26日

オフィシャルページ: Comune di Vicchio “Casa di Giotto”