–現在は廃止されています–
ウフィツィ美術館鑑賞で考古学博物館無料
2018年3月1日からウフィツィ美術館、あと大聖堂のチケット料金が変わるのはお伝えしていましたが、同じ3月1日よりウフィツィのチケットには考古学博物館に無料で入れるおまけがくっつきます。
フィレンツェ考古学博物館、
ここは他にも沢山ある美術館や教会の影になりあまり目立たない存在です。
でも実はイタリアでも屈指のエジプト美術コレクション(トリノのエジプト博物館に次ぐ2番目)があったり、ギリシャ、エトルリア、ローマ美術の作品が所狭しと並ぶすごい博物館です。
メディチ家のコジモ一世の時代に発見されたアレッツォのキメラ、英雄アキレスの物語が細かく描かれていて作った人のサイン付きのフランソワの壺、エジプト美術の方には、パピルスに書かれた死者の書、ミイラの巻き巻き包帯の中に入っていたスカラベオや、珍しい馬車、人のミイラもありますがワニのミイラまで。
入り口はサンティッシマ・アンヌンツィアータ広場の北東の角っこという、「え、あれ?」というくらい地味な立地なのに、中は意外に立派。パラッツォ・デッラ・クロチェッタというフィレンツェの歴史から見ても重要な建物内にあります。
このパラッツォで暮らしていたマリア・マッダレーナ・デ・メディチ(1600-1633)は、産まれながらにして不具で階段の上り下りが困難でした。なので階段を使わずに行き来ができるようにした渡り廊下が今でもこの建物の周りの4ヶ所見られます。
見た目はこれ↓に近いですね。
こちらは、ヴァザーリが設計した1565年のヴァザーリの回廊-Corridoio vasarianoの一部です。(現在非公開。)
“プリンチペの通路-Percorso di Principe”という呼ばれ方も一般にありますが、この呼び方がどこから出て来たのかは今のところ謎。Palazzo Spinelliのデータにも出てないし、。
取り決めについて
このフィレンツェ考古学博物館無料は今年1月17日の取り決めによりこの先5年間有効、5年先はまた延長可。現在、今後とも双方の共同研究の必要性があり共同体制を作っていこうという動きです。
ウフィツィ美術館のチケットは利用日から5日以内に考古学博物館入館無料チケットとして使え、年間パスを所持している場合は最初の利用日から数えて365日以内はいつでも入館無料に。
この特典の代わりに、考古学博物館はウフィツィ美術館のチケット収入の2,5パーセントを受け取る事になり、この資金は展示室のリニューアル、空調設備の工事費、広告、特別展、研究費に利用されます。
講演会に一連のレッスン、共同企画の教育ラボ、ウフィツィ美術館での考古学テーマの企画展、考古学博物館でのギリシャ、エジプト、エトルリア、ローマ美術の企画展などと共に科学的共同研究とその一般普及計画がスタートします。
などと、資金のみのコラボだけではなく、双方の交流で知識を深め、講演会や企画展を通じて一般にも過去から現在に至る発見、再発見を計ります。
詳しいお知らせはオフィシャルページより→Accordo quinquennale per la valorizzazione del Museo Archeologico Nazionale di Firenze
2024年より入館無料廃止(追記)
2024年7月1日にお知らせが来ました。
2018年より始まった、ウフィツィ美術館のチケットで考古学博物館も無料で入れるシステムですが、なんだかんだ当初の5年間よりも延長されて、2024年に終了となりました。