墓地が好きと言うと、オカルトとか黒魔術好きと勘違いされそうですが、理屈抜きですごく好きなんです。
静寂と、空間の美しさと、、1800、1900年代の彫刻がぎゅっと集まっている魅力の場所。
ナポレオン以降街の中に死者を弔う事が禁止されたので、色々な街のちょっと外側に大きなモニュメンタル墓地はあります。
そんな時代に建てられた墓地なので、修復が必要なところが沢山あり、でもその状況が墓地という静寂の空間と相まって廃墟感がいい感じ出してたりして、またこれが個人的にはグッときます。
美術館のように鑑賞してもらうのが第一の目的の場とは違い、そこには永遠の眠りについた方々の場所です。
今回はボローニャのモニュメンタル墓地。
クローズ時間ぎりぎりに行ったので30分程しか見れませんでしたが、その中からご紹介します。
入り口は複数あり、Via Certosa,16側から入りました。
門をくぐるとまず建物の中へ入って行きます。
建物内には上部から自然光が入るようになっています。
神殿を思わせる造りがあり、その奥に十字架と天使が白く浮かび上がります。
薄暗い空間の壁には壁龕がいくつもあり、その中には彫刻が墓標として置かれています。
壁龕内一面に美しい青のグラデーションのタイルが貼ってあり、そこに浮かび上がるブロンズ彫刻。
それぞれの素材の特性が生かされています。
この構成はブロンズならでは。石だと重力でボロッと根っこが折れていまいます。
ローマ、サンタ・マリア・デッラ・ヴィットーリア教会にあるベルニーニの”聖テレジアの法悦“の光の効果を思わせます。
手前の鍛金による門のつくりも良いです。
暗い空間に浮かび上がる大理石彫刻。
自然光の作り出す不思議な明暗。
アール・ヌーヴォーの様式化された後ろの天使の像もなかなか。
振り向くと、こんな天使も。
すごい埃をかぶってます。それもそれでいい感じ。
建物は重層構造。こんな楕円の穴がぽっかりと空いていて、階段で下に降りられます。
下も壁一面墓。
ただし、この階段を降りるのは危険なようです。
注意を促す張り紙がありました。要修復。
墓地はいくつものブロックに分かれていて広大です。
ブロック中心にはこのような中庭が設けられていて、ここには古墳を思わせる大きな墓標があります。戦没者の為のものです。
中庭には個人の墓も多くあります。
丁度文字が苔に覆われていて緑色の浮き彫りレリーフのようになっているものもありました。
最初から狙ってたのでしょうか?素敵。
建物の間を繋ぐ部分にも、お墓。
こういった1900年代初頭アール・ヌーヴォーの作品が多く見られるのもモニュメンタル墓地ならでは。
植物モチーフのデザイン、下に施された文字デザインも良いですね。
こんな、ちょっと鋭い目をした大人びたところもある男の子、知ってる子に似てる。
床一面が墓、壁一面墓。
不思議な空間。
ヴェールと衣の美しい女性二人。
アントーニオ・コッラディーニの作品を思い出します。
少女の天使の後ろにある扉が少しだけ開いていて、あちらの世界を感じさせられます。
と、ここまで来て時間切れ!
時間切れというか、気づいたら、出れなくなっていました!
入った門まで戻ったら厳重に閉まっている!
墓場で夜を明かすのはシャレにならない!!どうにかせねばと焦りつつ、
ふと、門の横に時間内に出損ねた人への張り紙を見つけました。(同じ事をやる人いるんですね)
張り紙の指示どおり、インターフォンで管理の人と話をしたら音声が悪すぎたので、
「携帯を持っていたらそっちから電話をするように。」
とのことで、張り紙に記してあった3つの電話番号のうち2つ目の番号に掛けたらインターフォンに応答してくれた人と繋がりました。
通話でどこの門にいるのか確認後、遠隔で開閉できるようになっている門を開けてもらい、無事に外に出ることができました。
いざとなったら、どこかの壁をよじ登って出ればいいだけの話ですけれども、ま、普通に出られた方がいいですよね。壁から落ちて骨折でもしたら堪らないし。
こういう場所に行く時はどうぞみなさんも気をつけてください。
下にこの墓地のインフォメーションを載せておきます。
そもそも、ボローニャ滞在のタイムスケジュールがずれてしまったのは電車の故障で到着が1時間半遅れてしまったからだっ!!
と、イタリア人みたいに他人のせいにしてみます。笑
チェルトーザ モニュメンタル墓地
所在地 : Via della Certosa 18 – 40133 Bologna
www.storiaememoriadibologna.it ←墓地内マップをダウンロードできます。
3月1日〜11月2日 7:00-18:00
11月3日〜2月28日 8:00-17:00
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