昨日、フィレンツェマラソンがありましたが、あいにくの雨、しかもマラソンの時間だけ雨。
ものすごい雨男に雨女が参加していたに違いありません。
その次の日の今日は、とっても気持ちの良い晴れでした。空気も澄んでいて、それだけで幸せ。
用事があってサンタ・マリア・ノヴェッラ駅に行ったら、現在トラムの工事が大詰めで道が一部封鎖中、大渋滞。それでもお天気だと幸せ。
ここは駅の北側。右奥に見えるのはサンタ・マリア・ノヴェッラ教会で、前の道がほじくり返されています。
ついこの間(数ヶ月前)舗装したばっかりの新品のタイルを豪快にぶち壊しながら工事は進みます。
とってもイタリア的。
駅前のロータリーに、おまわりさんが来て交通整備のピーピー笛の音を響かせていました。
誘導のジェスチャーの意味が謎な定年まで僅かっぽいおまわりさんが、赤信号を無視してこっちへ進め!と「Forza〜!ふぉるつぁ〜!」と叫んでいました。
そんな良いお天気の日、フィレンツェガイドの会合に参加してきました。
この事をブログに書くつもりは全くなかったのですが、「ちづちゃんのブログ?」と、友人に言われて、ますます書くつもりがなかったのですが、天邪鬼になんとなく書いてみます。
会合場所、インノチェンティ美術館のテラス
大聖堂のクーポラとか、シナゴーグ(イスラエル神殿)とか見渡せちゃう最高なカフェテラスでの会合。流石ガイドのオーガナイズ。
そんな絶好のシャッターチャンスの時に限ってテラスの写真を撮り忘れましたので写真なし。Brava私!
会合の後は、インノチェンティ美術館の館長さん自ら美術館の案内をしてくださいました。
他の勉強会にも行った事があったのですが、館長さんの案内はさすが、奥が深い。
2時間あっという間に過ぎました。
※インノチェンティ美術館 Museo degli Innocenti は、”捨て子養育院美術館“の名前で知られています。機能としては正しい呼び方ですが、その反面インノチェンティ(無罪、無垢な、幼児)という意味と共に、Strage degli Innocenti 幼児虐殺というテーマの関連作品から離れてしまいます。なので、個人的には”インノチェンティ”で呼びたいところです。
インノチェンティ美術館内部の様子をちらっとご紹介。
写真をたまたま撮ったかどうかっていう選定方法。
小さな小さな鉛製の聖遺物箱。
1400年代半ばにあったインノチェンティ教会の奉納式の際にフィレンツェ大司教から贈られ、
その後、主祭壇の下に埋まっていたのが1615年になってから発見されました。
この写真だと実物が見えなくて恐縮ですが、本当に小さな10cmにも満たない箱で、その側面に絹のギルドArte della Setaのエンブレムと、洗礼盤のデザインが入っています。(写真は洗礼盤の側。)
女性の中庭Cortile delle Donneと言われる1439年に造られた場所。
左上にちらっと見えてる屋根のあるところが、カフェテラスです。ここは中で暮らしていた子供達の洗い物を干すための場所だったとか。
多い時期は1日に6人もの子供が預けられていたというから、大変な人数。
その洗い物の量って、、今ほどしょっちゅう洗い物はしなかった時代ですけれども、一人一枚布を洗えば、ものすごい数になっちゃいますよね。
あ、言い忘れてました。ここは家が貧しくて育てきれなくなったり、婚外子をして生まれて来た子が預けられ、育てられた場所です。
私の好きなピエロ・ディ・コジモの作品。
“聖母子と聖人たち”
同じ部屋に展示されているドメニコ・ギルランダーイオの東方三博士の礼拝の方が美術館のエンブレムで、描きこまれた細部もこの場所との関係を示していているので、時間の関係上ピエロ・ディ・コジモの作品は説明は割愛されました。
おお、でも、私はこれが好きなんだよ、。このアレクサンドリアのカテリーナの細部とか、見て見て!
なんだか、不思議なリアル感があって、ちょと異次元で、ダリにちょっと近い気もしてしまう。(注-完全に個人的な意見です。)
さすが、卵ばっかり食べてた変人だけのことはある!
ピエロ・ディ・コジモの変人っぷりはこちら↓
館長さんのガイドツアー、最後はやっぱりテラス。
テラスから眺める大聖堂のクーポラ、ジョットの鐘楼。シルエットが美しい。
テラスでの説明。「ここにユニセフのオフィスがあって近々奥の新しいスペース(写真で右になんとなく光が見える窓のところ)に移動するよ」とか、「児童裁判所の決定で一時的に親元から離されて暮らしているのがすぐ斜め下の区域だよ、親とは常にコンタクトを取っていて、面会の時は左奥の部屋でその様子を記録を取りながらだよ。」とか、そんな現在の様子も教えてくれました。
ユニセフの今のオフィスが空いた後の場所に、結構沢山入りたいというオファーがあるらしく、まだ公には言えないようでした。
肝心の美術館内部の写真があまりないのは、説明をメモしていて余裕がなかったからなんです。ご勘弁を。また行って来ます。
行ったら簡単な案内ページでも作ろうかしら?
最近は、小さな教会のページを充実させようと改造中。↓
“小さな”とは言えないような中規模の教会まで入っています。本当に小さな教会を書き出したら大変な量になってしまうので、”中ぐらいの大きさの教会” と分けた方がいいかも、、と考え中。
インノチェンティ美術館を出て振り返った風景。(サンティッシマ・アンヌンツィアータ広場より)
1419年のブルネッレスキの初ルネサンス建築。
このアーチの縁の直径が柱の長さと同じで、その上の窓も、その窓までの距離もしっかり計算尽く。
11月、夕方5時過ぎの空はとても澄んでいて綺麗でした。
観光ローシーズンではあるけれども、落ち着いていて良い時期です。