フィレンツェの小さな教会, 修道院, 礼拝堂 色々

プレゼーペ 東方三博士
小さな教会

できれば訪れたい フィレンツェの小さな教会, 修道院, 礼拝堂

フィレンツェの街の中には少し歩くと教会、その横にも教会、といった具合に沢山の教会があります。名の知られた観光名所ではなくても貴重な作品がひっそりと隠れていたり、そんな教会を探し歩くのも楽しみの一つです。

訪れる際は事前に一般公開時間をオフィシャルサイト等(があれば)でご確認ください。宗教行事で予告なく閉まっていたり、普段は開いていなくてミサの前後にしか入る事ができない教会などもあります。
本当はここに記した教会よりもっと多くおすすめはあるので、著者のやる気が出たら今後増えていきます。(下の各所詳細は現在執筆中)

もくじ

教会見学の注意点
  • タンクトップ、短パンなど肌の露出の多い服装は不可。夏はスカーフを持ち歩くと便利です。
  • 男性は脱帽。
  • 撮影禁止の教会は入り口に書いてある場合もあります。書いていなくても注意されたら止める事。
  • ミサの最中は見学目的の入場は避ける。
  • 教会内の祭壇などを勝手に触らない。
  • ミサ以外の時間でも信者さんがお祈りをしている事がよくあります。邪魔にならないように以下の注意もお守りください。
  • 信者さんにカメラを向けない。
  • 大声で喋らない。イタリア語よりも外国語で話されると目立ちがちですし。
  • 任意ですが喜捨offertaを残すのも良いと思います。

フィレンツェ司教区のミサの時間はこちらの公式サイトで確認ができます。→ DIOCESI DI FIRENZE (Oradi ss. messeの項より教会名で検索)

フィレンツェの主要な教会のリストはこちら

オルサンミケーレ教会 Chiesa di Orsanmichele

フィレンツェの宗教の中心部ドゥオーモと、政治の中心部ヴェッキオ宮殿の間に位置する、様々なギルドの聖人を祀った商いの教会です。もともとは小さな畑と祈祷所のあったところで、その名残をOrto(オルト-畑)San Michele (聖ミケーレ)を合わせたオルサンミケーレという現在も使われる教会の名前に残します。

内部には、オルカーニャによるチボーリオと呼ばれる見事な大理石でできた祭壇があります。穀物倉庫であった時代の跡も見る事ができます。

外壁をぐるっと囲む彫刻作品は現在はコピーに置き換えられており、オリジナルは上の階の美術館に展示されています。

オフィシャルページ –Orsanmichele

オルサンミケーレ教会

オルサンミケーレ教会外観

一番左はドナテッロ聖ジョルジョ。日本でも胸までの部分が石膏像として普及し親しまれています。ちょうどこの裏に上の階への階段があるので、壁龕が浅くなっているものの、遠近法をうまく使い奥行きを出しています。オリジナルの彫刻はバルジェッロ美術館にあります。左から2番目はロレンツォ・ギベルティ聖マタイ

ドナテッロ – 聖マルコ

あまり注目されることはありませんが、これが美術史上初のルネサンス彫刻です。教会美術館に展示してあるオリジナル作品です。

ドナテッロ
オルカーニャ チボーリオ

チボーリオ – アンドレア・ディ・チョーネ(オルカーニャ)

ゴシックの傑作。サンタ・クローチェ教会のニコラ・マタス設計のファサードに影響を与えたと言われます。

聖トマスの不信 – アンドレア・デル・ヴェッロッキオ

教会美術館の展示では裏側に回り込んで見ることができます。一回の鋳造で制作したことが分かります。鑑賞者に見せる為に作っている部分ではないので、舞台の裏側をのぞくような面白さがあります。

ヴェロッキオ

バディーア・フィオレンティイーナ Badia Fiorentina

ルッカが首都でフィレンツェがまだ辺境であった時代、Willa di Toscana ヴィッラ・ディ・トスカーナが978年にこの土地を買い、教会の建設が始まります。それをきっかけにフィレンツェの街がルッカを追い越して発展してゆく重要なきっかけとなった場所です。彼女の息子でトスカーナ公であったUgo di Toscana ウーゴ・ディ・トスカーナの墓(モニュメントは、ルネサンス時代にミーノ・ダ・フィエーゾレが手がけました。)もここにあります。フィリッピーノ・リッピの代表作の一つも教会内部に入ってすぐ左手にあります。

最近はダン・ブラウン著インフェルノの物語がここから始まる事で知られるようになった教会です。

オフィシャルサイト Badia fiorentina

鐘楼

バディーア・フィオレンティイーナ 鐘楼

特徴的な6角形の鐘楼。1307年に修道士たちが市税を払わなかった罰として壊されますが、1330年に再建。現在高さは約70メートルあります。

教会内部の天井。木製のレリーフで装飾されています。下に見えるのはウーゴ・ディ・トスカーナの紋章。フィレンツェの白と赤の紋章の元の一つとなっています。

内部天井
オレンジの中庭

オレンジの中庭 Chiostro degli Aranci

月曜のみ一般公開されています(要確認)。ベルナルド・ロッセッリーノが15世紀前半に設計しました。

オレンジの中庭にあるアーニョロ・ブロンズィーノのフレスコ画。聖ベネディクトの物語の一部です。

ポントルモ
ミーノ・ダ・フィエーゾレ

ミーノ・ダ・フィエーゾレ作、祭壇装飾のレリーフ、ドッサーレ。

パンドルフィーニ礼拝堂内部の床にある、パンドルフィーニ家の紋章。その苗字を物語るこの図像、あまりイルカ(デルフィーニ)には見えませんが、。

パンドルフィーニ家の紋章

サンタ・マリア・マッダレーナ・デイ・パッツィ教会 Chiesa di Santa Maria Maddalena dei Pazzi

13世紀にベネディクト会の教会として建てられ、その派生であるシトー会の教会でしたが、17世紀にサン・フレディアーノ・イン・チェステッロ教会と交換し、カルメル会の修道女たちが福者マリア・マッダレーナ・デ・パッツィの亡骸と共にやってきます。その彼女の名前をいただいた教会です。

ペルジーノによる磔刑図は現在高校の校舎の一部となっており、コロンナ通りから入ります。

ペルジーノ磔刑図 オフィシャルページ Firenze – Sala del Perugino

サンタ・マリア・マッダレーナ・デイ・パッツィ教会 中庭

サンタ・マリア・マッダレーナ・デイ・パッツィ教会 中庭 

ルネサンス様式の中庭。ジュリアーノ・ダ・サンガッロ設計。ボルゴ・ピンティ通りから入るとまずこの中庭が見えます。フォーシーズンズホテルのある通りです。

コジモ・ロッセッリによる聖母戴冠式。もともとジリョ礼拝堂にあったものが、ポッチェッティのフレスコ画が施された折に教会内へ移動しました。

コジモ・ロッセッリ
ポッチェッティ

ジリョの礼拝堂 Cappella del Giglio

一般公開はされていませんが、教会入ってすぐ右にあるジリョ礼拝堂。年に二度の特別な行事を除いて教会に入ることの許されなかった女性たちの祈りの場です。16世紀終わりにベルナルド・ポッチェッティが壁と天井に絵を描きます。

磔刑図 ペルジーノ

ペルジーノによる磔刑図、3つ並んだ内の真ん中の図。入り口は教会側ではなく、コロンナ通りにあるミケランジェロ高校からです。

ペルジーノ
マッテーオ・ロッセッリ 細部

マッテオ・ロッセッリ聖母戴冠式、その細部。この祭壇画の前にはアンドレア・デル・サルトの大理石象嵌の床装飾があります。

サンタンブロージョ教会 Chiesa di Sant’Ambrogio

街の東に位置するこの教会は393年の聖アンブロジウス(聖アンブロージョ)がフィレンツェ訪問の際に滞在した場所と言われています。1230年、儀式を終えてちゃんと閉じたはずの杯の中に、翌朝になったら血液が入っていたという奇跡があり、信仰の対象になりました。そのため”秘跡の奇跡の祭壇”が主祭壇の左にあり、15世紀になってからミーノ・ダ・フィエーゾレ、コジモ・ロッセッリが装飾を施しました。そのほかにも、この教会には現在ウフィツィ美術館に展示されているフィリッポ・リッピの聖母戴冠式、マザッチョとマゾリーノ共作の聖アンナ・メッテルツァ、ボッティチェッリのサンタンブロージョの祭壇画がありました。

サンタンブロージョ教会 ファサード

サンタンブロージョ教会 ファサード

現在のファサード。近くにサンタンブロージョ市場がある事でも市民にとって馴染み深い名前です。

秘跡の奇跡の祭壇 コジモ・ロッセッリ

コジモ・ロッセッリのフレスコ画。秘跡の奇跡の祭壇の左の壁に描かれています。左身廊にはシノーピア(下絵)も保存展示されています。

コジモ・ロッセッリ フレスコ画
イル・クローナカの墓

イル・クローナカの墓

シモーネ・デル・ポッライオーロ(あだ名がイル・クローナカ)の墓。他に、ミーノ・ダ・フィエーゾレ、アンドレア・デル・ヴェッロッキオ、フランチェスコ・グラナッチなどの墓があります。

タベルナーコロ – ミーノ・ダ・フィエーゾレ

大理石声のタベルナーコロ、その周りのフレスコ画はコジモ・ロッセッリ

ミーノ・ダ・フィエーゾレ

サンティ・アポストリ教会 Chiesa di Santi Apostoli

ヴェッキオ橋からすぐのところに、ひっそりと佇む教会がここ、サンティ・アポストリ教会。リンボ小広場という場所にあります。リンボとは辺獄の事で、洗礼を受けずに亡くなった子供達やキリスト以前の旧約聖書の人たちがいる場所。天国と地獄、その間にあり、ダンテ・アリギエーリが神曲で著しました。ここには以前、子供達の墓地でした。歴史は古く9世紀に始まるロマネスク様式の教会です。

ここにはスコッピオ・デル・カッロScoppio del Carroと呼ばれるフィレンツェの復活祭のお祭りの際に使う火打石が収められています。詳細は下記リンクのブログ記事。

関連記事 サンティ・アポストリ教会の中が明るかった

サンティ・アポストリ教会

サンティ・アポストリ教会 外観

前の小さな空間がリンボ広場。ボルゴ・サンティ・アポストリ通りに面しています。この通りにはジュエリー店や雑貨屋さん、羊毛の服屋さんなどが並び、そこを抜けるとサンタ・トリニタ教会とフェラガモ本店のあるトルナブオーニ通りに出ます。このすぐ裏はアルノ川。

祭壇 – アンドレア・デッラ・ロッビア

アンドレア・デッラ・ロッビアの釉薬で焼いたテラコッタ。

アンドレア・デッラ・ロッビア
ベネデット・ダ・ロヴェッツァーノ

棺 – ベネデット・ダ・ロヴェッツァーノ

オッドーネ・アルトヴィーティの棺。細部まで作り込まれています。ベネデット・ダ・ロヴェッツァーノは教会正面の扉の枠の装飾も担当しています。

サンタ・マリア・マッジョーレ教会 Chiesa di Santa Maria Maggiore

サンタ・マリア・ノヴェッラ駅とフィレンツェ大聖堂の間にある教会。ローマ テルミニ駅の近くには同名の大きな教会Basilica di S.Maria Maggioreがあります。が、こちらは小さいです。けど、割と歴史的には重要です。

所在地: Piazza Santa Maria Maggiore,  5013 Firenze FI

サンタ・マリア・マッジョーレ教会 フィレンツェ

サンタ・マリア・マッジョーレ教会 外観

街の中心からサン・ガッロ通りをまっすぐ歩いてゆくと右手にあります。ファサードについている赤地のマークは聖ヨハネ騎士団のもの。割と地味な外観。

サンタ・マリア・マッジョーレ教会 内部

サンタ・マリア・マッジョーレ教会 内部
コッポ・ディ・マルコバルド 聖母子

聖母子 – コッポ・ディ・マルコバルド

コッポ作と考えられている作品。左身廊奥にあります。

レオナルド・ブルーニの墓

コッポの作品のすぐ近くにあるダンテ・アリギエーリの師匠、レオナルド・ブルーニの墓。

レオナルド・ブルーニの墓
サンタ・マリア・マッジョーレ教会 ラ・ベルタ

教会の外壁にくっついている彫刻 ラ・ベルタ La Berta

外壁の上の方をよく見ると、この彫刻がすこし飛び出してくっついているのが分かります。伝説によると、絞首刑に連れて行かれる魔女を揶揄ったので、睨まれて石になってしまった見物人。いろいろバージョンがあります。

サンテジーディオ教会 Chiesa di S.Egidio / サンタ・マリア・ヌオーヴァ財団 Fondazione S.Maria Nuova

大聖堂のすぐ裏、フィレンツェの中心地にあるサンタ・マリア・ヌオーヴァ病院。1288年にフォルコ・ポルティナーリによって創設され、現在でも病院として使われています。フィレンツェで急病になるとこの病院に直行するかもしれませんが、なるべくお世話にはなりたくないですね。
ここにあるのがサンテジーティオ教会。ブランカッチ礼拝堂のフレスコ画は有名ですが、それと共に多くの芸術家がお手本としてフレスコ画がこの教会の内壁に描かれていました。現在そのわずかな痕跡はサンタポッローニアに展示されています。あと、ウフィツィ美術館に展示されているウーゴ・ヴァン・デル・グース”ポルティナーリのポリプティク“はここにありました。現在は財団の管理で美術館として一部公開されています。サンテジーディオ教会内は美術館に入らなくても見学可能。

所在地: Piazza Santa Maria Nuova, 1 – 50122 – Firenze

公式ページ: Fondazione Santa Maria Nuova ONLUS

サンテジーディオ教会

サンテジーディオ教会 内部

美術館コースの途中、このような高い場所から教会内部を見られます。

モンナ・テッサの墓

フォルコ・ポルティナーリの使用人で子女の教育係であった彼女は、病院設立に大きな影響を与えました。歴史的に初の看護師で病人の介護にあたった他、オブラーテ会を創立。現在は図書館として開放されているオブラーテ図書館は元々サンタ・マリア・ヌオーヴァ病院の一部だったことからこの”オブラーテ”の名前がついています。ちなみに図書館のテラスはお茶をしながら大聖堂のクーポラが見える、という人気スポットです。

モンナ・テッサ
キオストロ・デッレ・オッサ

キオストロ・デッレ・オッサ 骨の中庭

もともと埋葬の場所だったところに19世期になって建てられれたテンピエット。。

アレッサンドロ・アッローリ

病院内サマリターナの中庭にあったフレスコ画。2007年に修復がされました。

アッローリ

サン・ミケーレ・ヴィズドーミニ教会 Cenacolo di San Michele Visdomini

フィリッピーノ・リッピの墓があります。内部にはポントルモ、ポッピ、エンポリ、パッシニャーノなどの祭壇画があります。

所在地: Piazzetta S. Michele Visdomini, 1, 50122 Firenze FI

サン・ミケーレ・ヴィズドーミニ教会

サン・ミケーレ・ヴィズドーミニ教会 外観

写真を見ての通り、大聖堂のすぐそばです。最初は現在の大聖堂の後陣あたりに位置していたのが、大聖堂拡大工事に伴ってこちらに移動されました。教会前の土地は何世紀にも渡って墓地として使われ、フィリッピーノ・リッピもここに埋葬されました。

サン・ミケーレ・ヴィズドーミニ教会 内部

16世期、18世期に改築がなされ、14世期の面影はあまりありません。右奥の天井に当初のフレスコ画(スピネッロ・アレティーノ作と考えられる)が残ります。

サン・ミケーレ・ヴィズドーミニ教会
サン・ミケーレ・ヴィズドーミニ ポントルモ

ポントルモ 聖家族

マニエリスム時代、ポントルモの代表作の一つ。絵の構成に斜めのラインが多く使われ、目線があちらこちらへと動きます。

サン・ジョヴァンニーノ・デイ・カヴァリエーリ教会 Chiesa di San Giovannino dei Cavalieri

ロレンツォ・モナコの磔刑図など。

所在地: Via S. Gallo, 66, 50129 Firenze FI

サン・ジョヴァンニーノ・デイ・カヴァリエーリ教会

サン・ジョヴァンニーノ・デイ・カヴァリエーリ教会 外観

街の中心からサン・ガッロ通りをまっすぐ歩いてゆくと右手にあります。ファサードについている赤地のマークは聖ヨハネ騎士団のもの。教会の名前のダヴァリエーリは騎士団。

ロレンツォ・モナコ 磔刑図

切り絵のような絵の形で切られている板絵。

ロレンツォ・モナコ
聖・ザノービの柱 磔刑像

磔刑像 聖ザノービの柱

大聖堂広場にあるザノービの柱の場所に元々あった奇跡の木を使った磔刑像。

サン・ジョヴァンニーノ・デリ・スコローピ教会 Chiesa di San Giovannino degli Scolopi

アンマンナーティ設計。彼自身の墓も内部に。

所在地: 所在地:Via de’ Martelli, 9, 50123 Firenze FI

サン・ジョヴァンニーノ・スコローピ

サン・ジョヴァンニーノ・デリ・スコローピ教会 外観

右側に見えている壁はメディチ・リッカルディ宮殿。後ろ側にはサン・ロレンツォ教会、左手にはフィレンツェ大聖堂があるという位置関係です。

サン・ジョヴァンニーノ・デリ・スコローピ教会 内部

近年天井の修復が終わりました。

ジョヴァンニーノ スコローピ 内部
バルトロメオ・アンマンナーティの墓

バルトロメオ・アンマンナーティの墓

教会内部の左身廊、手前から2つ目の祭壇前の床にあるアンマンナーティの墓。この教会の設計もした建築家。彫刻家でもあり、有名な作品ではシニョリーア広場にあるネプチューンの噴水。

キリストとカナンの女 – アレッサンドロ・アッローリ

バルトロメオ・アンマンナーティの墓のあるサン・バルトロメーオの祭壇画。

アレッサンドロ・アッローリ カナンの女

サント・ステファノ・アル・ポンテ教会 Chiesa di Santo Stefano al Ponte

ヴェッキオ橋近くの教会。サンタ・トリニタ教会にあったブオンタレンティ設計の主祭壇がこちらに移設されています。教区教会美術館は現在閉鎖中。この美術館所蔵のジョット”サン・ジョルジョ・アッラ・コスタの聖母”は現在大聖堂美術館に展示されています。更にもとを辿ればこの作品が置かれていたのはサン・ジョルジョ・アッラ・コスタ教会(このページ内に情報あり)。
コンサートや映像投影のイベント等にも利用される教会です。

所在地: Piazza di Santo Stefano, 5, 50122 Firenze

サント・ステファノ・アル・ポンテ教会 外観

サント・ステファノ・アル・ポンテ教会 外観

ロマネスク様式を部分的に残すファサード。

クリムト・エクスペリエンス展

2017-2018年にサント・ステファノ・アル・ポンテ教会であったクリムト作品の映像投影。

クリムト展
レオナルド ジネーヴラ・ベンチ

ダ・ヴィンチ・エクスペリエンス展

レオナルド・ダ・ヴィンチの作品映像投影展。ブログ記事→レオナルド・ダ・ヴィンチ -エクスペリエンス

サンタ・マリア・ア・リコルボリ教会 Chiesa di Santa Maria a Ricorboli

リオ・コルボロ川の近くにあったので”リコルボリ”という名前のついた教会。12世紀に建てられた後、ピエトロ・レオポルト大公によって18世期に教会としての機能が廃止。人口の増加にともなって20世期初頭に再建されました。当初の教会から受け継いだジョット、もしくはその工房作の祭壇画があります。

所在地: Via Carlo Marsuppini, 7, 50125 Firenze FI

サンタ・マリア・ア・リコルボリ 外観

サンタ・マリア・ア・リコルボリ教会 外観

小さな前庭のあるシンプルな外観です。

聖母子 – ジョット

ジョット、もしくはその工房の作品。作品タイトルはMadonna del Rifugio、Madonna delle Roseとも呼ばれます。

ジョット 祭壇画
プレゼーペ キリスト誕生

プレゼーペ キリスト誕生

ファサードの扉の右左に窪みがあります。クリスマス前に行ったら、その窪みを利用してプレゼーぺが何気なく飾られていました。右側には、キリストが飼い葉桶に入っていて、マリアとヨセフと羊がいるシーン。

プレゼーペ  羊飼い(?)

左側の窪みには、多分、羊飼いがキリストのもとに訪れるシーン。東方三博士にしては乳香 没薬 金 を持ってなさそうだし、羊だらけなので、多分羊飼いで合ってると思います。

プレゼーペ 東方三博士

サントルソラ修道院 Monastero di Sant’Orsola

1309年に創立し1800初頭に廃止になった修道院。中央市場近くの廃墟っぽい建物がそれです。1980年代に軍の兵舎としての大掛かりな改装中、兵舎に向いていない事が分かりそのまま放置されました。
2026年に正式に美術館としてオープン予定。現在はイベントで不定期にオープンします。
聖オルソラに奉献されていました。カタカナだと区切りが付けにくく「サンt・オルソラ」になってしまうので、「サントルソラ」とまとめて表記しています。
内部にはモナリザ のモデルとなったリーザ・ゲラルディーニの墓があると考えられています。

所在地: Via Taddea, 14, 50123 Firenze FI

公式サイト MUSEO SANT’ORSOLA FIRENZE

サントルソラ修道院 中庭

サントルソラ修道院 中庭

壁や床などは軍施設への改装時のセメントが塗られています。

回廊

乱雑に資材が積まれていました

サントルソラ修道院 
モナリザ の墓 サントルソラ

モナリザ / リザ・ゲラルディーニの墓

モナリザの墓と考えられている場所。

中庭

壁一面ツタに覆われています。

サントルソラ修道院 中庭

以下は詳細記事の準備中ですが、記事を書こうという意欲を無くす程多数の教会が存在するのが分かっていただけるかと思います。これでもまだまだ一部です。

サンタポッローニアの最後の晩餐 Cenacolo di Sant’Apollonia

サンタポッローニア修道院内にあります。

所在地: Via Ventisette Aprile, 1, 50129 Firenze

文化省公式ページ: Mibact Firenze – Cenacolo di Sant’Apollinia

スカルツォのキオストロ Chiostro dello Scalzo

アンドレア・デル・サルトのフレスコ画があります。

所在地: Via Cavour 69, 50129 Firenze

文化省公式ページ: Mibact Firenze – Chiostro dello Scalzo

サン・フィレンツェ教会 Chiesa di S.Firenze / ゼッフィレッリ美術館 Fondazione Zeffirelli

ヴェッキオ宮殿の後ろ側にあります。教会としては少し変わった造りで、3つある扉のうち左側は教会、右側は祈祷所になっています。真ん中の扉から入るとゼッフィレッリ美術館。映画監督、演出家、政治家であったフランコ・ゼッフィレッリの舞台セットの模型やデッサン、衣装などを観る事ができます。

所在地: Piazza di S. Firenze, 5, 50122 Firenze FI

ゼッフィレッリ財団公式ページ: FONDAZIONE ZEFFIRELLI ONLUS

サン・ジョルジョ・アッラ・コスタ教会 Chiesa di San Giorgio alla Costa

大聖堂美術館に展示されているジョット作”サン・ジョルジョ・アッラ・コスタの聖母”があった場所。ウフィツィ美術館所蔵のアレッソ・バルドヴィネッティの”受胎告知”もありました。2020年より美術館のため制作されたものではない祭壇画などを、元あった場所に戻そうという動きが強くなっていますので、そのうち戻るかも(戻らないかも)。

所在地: Costa S. Giorgio, 32, 50125 Firenze FI

サンタ・ルチーア・デイ・マンニョリ教会 Chiesa di Santa Lucia dei Magnoli

聖フランチェスコが初めてフィレンツェに来た1211年にこの教会を訪れています。(フランチェスコ会のサンタ・クローチェ教会はまだ存在していない時代)
内部にはドメニコ・ヴェネツィアーノの”聖会話”-ウフィツィ美術館蔵-がありました。現在はピエトロ・ロレンツェッティによる”聖ルチア”などがあります。

所在地: Costa Scarpuccia, 22, 50125 Firenze FI

サン・ニッコロ・オルトラルノ教会 Chiesa di San Niccolò Oltrarno

ミケランジェロがフィレンツェ包囲時に報復を遅れてこの教会の鐘楼に隠れていたという話があります。その後サン・ロレンツォ教会の新聖具室地下に隠れます。(ミケランジェロの秘密の部屋)
クアラテージのポリプティク(ウフィツィ美術館,他 蔵)とマゾリーノの”受胎告知”(ワシントン ナショナルギャラリー蔵)もここにありました。

所在地: Via di S. Niccolò, 75n, 50125 Firenze FI

サンタ・マリア・デリ・アンジェリ教会 Chiesa di Santa Maria degli Angeli

同名の修道院の中にあり、1808年ナポレオンによて廃止され現在は一部フィレンツェ大学人文哲学科の校舎として使われています。ベネディクト会カマルドリの教会。カマルドリのエルモの造りに似せられています。
ルネサンス建築であるブルネッレスキのロトンダRotonda del Brunelleschiが15世期に加えられますが、対ルッカ戦の為に工事は中断し、最終的に完成を見るのは20世期に入ってから。過去に彫刻家エンリーコ・パッツィの作業場としても使われました。こちらも現在大学の所有。

カマルドリのエルモ Ermo di Camaldoli

所在地: Via Carlo Marsuppini, 7, 50125 Firenze FI

ブオノーミニ・ディ・サン・マルティーノ祈祷所 Oratorio dei Buonomini di San Martino

ドメニコ・ギルランダイオ工房のフレスコ画

所在地: Piazza S. Martino, 50122 Firenze FI

サン・レミージョ教会 Chiesa di San Remigio

ジュゼッペ・ベッツオーリ、ヤーコポ・キメンティの作品。

所在地: Piazza S. Remigio, 50122 Firenze FI

(元)サンタ・ヴェルディアーナ修道院 Ex monastero di Santa Verdiana

アンドレア・デル・ヴェッロッキオとその工房が制作した”キリストの洗礼”があった場所。

所在地: Via dell’Agnolo 10- 12- 14, 50122 Firenze FI

サンタ・マルゲリータ・デイ・チェルキ教会 Chiesa di Santa Margherita dei Cerchi

「ダンテの教会」とも呼ばれます。ダンテが恋に落ちたベアトリーチェの墓は実際にはありません。

所在地: Via Santa Margherita, 50122 Firenze FI

サン・ヤーコポ・ソプラルノ教会 Chiesa di San Jacopo Soprarno

ヴェッキオ橋近く、アルノ川に出っ張った教会。教会正面のロッジャは1529年のフィレンツェ包囲の時にフィレンツェ人の手によって自衛のために破壊されたサン・ドナート・イン・スコペート教会から持ち込まれたものです。この現存しない教会内にはレオルド・ダ・ヴィンチの”東方三博士の礼拝”(ウフィツィ美術館蔵)があったことで知られています。

所在地: Borgo S. Jacopo, 34, 50125 Firenze FI

サン・フェリーチェ教会 Chiesa di San Felice in Piazza

ジョット派の磔刑図、マッテーオ・ロッセッリの最後の晩餐(食堂)、ヴォルテッラーノ、スタルニーナ、サルヴァトール・ローザ、等。

所在地: Piazza San Felice, 5, 50125 Firenze FI

サン・バルトロメオ・ア・モンテ・オリヴェート教会 Chiesa di San Bartolomeo a Monte Oliveto

ウフィツィ美術館蔵のレオナルド・ダ・ヴィンチ作”受胎告知”があった教会です。ルネサンス様式。

所在地: Via Monte Oliveto, 50143 Firenze FI

サン・フレディアーノ・イン・チェステッロ教会 Chiesa di San Frediano in Cestello

フィレンツェのバロック様式の作品多数。地味ですが。

所在地: Via di Cestello, 4, 50124 Firenze FI

サン・ドナート・イン・ポルヴェローザ教会 Chiesa di San Donato in Polverosa

フィレンツェ郊外ノーヴォリ地区。

所在地: Via di Novoli, 31, 50127 Firenze FI

教会公式ページ: Parrocchia San Donato in Polverosa

サンタンドレーア・ア・ロヴェッツァーノ教会 Chiesa di Sant’Andrea a Rovezzano

フィレンツェ郊外ロヴェッツァーノ。

所在地: Via Sant’Andrea a Rovezzano, 46, 50136 Firenze FI

フィレンツェ教区教会公式ページ: Parrocchia di S.Andrea a Rovezzano

ガッルッツォのチェルトーザ Certosa di Galluzzo

所在地: Via del Ponte di Certosa, 1 Firenze

公式ページ: Certosa di Firenze

アンドレア・デル・サルトの最後の晩餐 Cenacolo di Andrea del Sarto

サン・サルヴィ教会Chiesa di San Salvi 内。

所在地: Via di S. Salvi, 16, 50135 Firenze

文化省公式ページ: Mibact Firenze – Cenacolo di Andrea del Sarto

高速道路教会 Chiesa dell’Autostrada del Sole

高速道路にあるジョヴァンニ・ミケルッチ設計の現代建築教会。正式名称はサン・ジョヴァンニ・バッティスタ教会(洗礼者ヨハネ教会)

所在地: Via Limite, 82, 50013 Campi Bisenzio FI

バディーア・ア・パッシニャーノ Badia a Passignano

Abbazia di San Michele Arcangelo a Passignanoという修道院、キャンティ地方。
ドメニコ・ギルランダイオの最後の晩餐など。

所在地: Str. di Badia, 29, 50028 Badia A Passignano FI

アッバツィア・ディ・ヴァッロンブローザ Abbazia di Vallombrosa

フィレンツェ人の近場の避暑地にもなっています。
聖ジョヴァンニ・グアルベルトによってつくられたベネディクト会系ヴァッロンブロザーナ会の地。フィレンツェのサンタ・トリニタ教会もこのヴァッロンブロザーナ会。聖ジョヴァンニ・グアルベルトが信仰に目覚めたのはサン・ミニアート・アル・モンテ教会で、その時見た十字架がサンタ・トリニタ教会内にあります。

所在地: Via S. Benedetto, 2, 50066 Reggello FI

公式サイト: ABBAZIA DI VALLOMBRASA FIRENZE 

モンテ・セナーリオ至聖所 Santuario di Montesenario

セルヴィ・ディ・マリア会を興した7人のフィレンツェ人貴族が1234年につくった修道院。フィレンツェにはこの会のサンティッシマ・アンヌンツィアータ教会があります。

所在地: Via di Montesenario, 3474/A, 50036 Vaglia FI

公式サイト: SACRO EREMO DI MONTESENARIO

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