ヴィッラ・メディチ別荘 Ville intorno a Firenze

メディチ家の別荘をはじめ、フィレンツェ周辺にはヴィッラと呼ばれる別荘が点在します。

土地の狭い街中に対して、大きな建物とそれぞれのスタイルでデザインされた庭園を持つのが特徴です。狩りの為であったり、政治から身を引いた後の静かな暮らしを求めたものであったり、休日を過ごすくつろぎの場であったり、、用途によって趣が異なります。

どこもフィレンツェから日中に訪問できます。

※このリストにあるヴィッラで予約なしで入れる所は無料です。予約が必要な場合でも無料である場合が多いですが、入場条件がそれぞれ異なります。時期によって公開日、時間が変わりますので、訪問の際はオフィシャルサイトでご確認ください。

 

メディチ別荘 - ヴィッラ・ディ・カステッロ

メディチ家のコジモ一世が幼少期に過ごした別荘。ここに現在はウッフィーツィ美術館所蔵の"春プリマヴェーラ"、"ヴィーナスの誕生"などボッティチェッリの作品が一時期飾られていた事が確認されています。イタリア式庭園と呼ばれる幾何学的デザインの美しい庭には、春からまだ暖かい秋にかけて数々の珍しい種類のレモンの鉢植えが並べられます。"動物のグロッタGrotta degli Animali"という人口洞窟も見所の一つ。

建物内にあるAccademia della Crusca アッカデミア・デッラ・クルスカ所蔵のスコップの飾られている部屋は圧巻です。*庭園は一般公開されていますが、建物内の見学にはクルスカの許可が必要です。

オフィシャルページ Firenze - Girardino della Villa di Castello

メディチ別荘 カステッロ 噴水

アンマンナーティ作、ヘラクレスとアンテオの噴水。オリジナル作品はすぐ近くにあるメディチ別荘ラ・ペトラーイアに保管展示されています。(特別展Il Cinquecento a Firenzeで現在はストロッツィ宮殿に展示中)イタリア式庭園の中央にあります。

メディチ別荘 カステッロ イタリア式庭園

ここがオリジナルのイタリア式庭園。ジオメトリックな配置です。冬の間はここに置かれているレモンの鉢植えはリモナーイアと呼ばれる温室で管理されます。沢山の形のレモンがあります。

メディチ別荘 カステッロ グロッタ内部

動物のグロッタ内部、天井。トリーボロが設計し、ヴァザーリが完成させました。中には沢山の動物の彫刻もあります。その中でもブロンズ製の動物たちは国立バルジェッロ美術館で見る事ができます。

メディチ別荘 カステッロ内部 クルスカ本部 スコップの間

壁にかけられた沢山のスコップ。それぞれにアカデミア・クルスカ会員ひとりひとりのモットーとそれを図像にしたデザインの絵が描かれています。どれもが小麦(クルスカが麩を意味します。小麦を脱穀して麩を取るように、イタリア語も美しく整えるという例え。)に関連しています。スコップも小麦をすくう為の道具です。

メディチ別荘 - ヴィッラ・ラ・ペトライア

メディチ家のコジモ一世が相続したヴィッラ・ディ・カステッロのとはまた別に、その近くに購入した別荘です。コジモ一世の長男フランチェスコ一世はヴィッラ・デミドフを熱心に造り上げますが、その死後に家督を継いだ弟フェルディナンド一世は、このラ・ペトラーイアの改装をします。フランチェスコ一世がからくりや優美さを追求した複雑なヴィッラを造ったのに対して、現実的な考えの持ち主フェルディナンド一世はシンプルな改装に留めます。現在国立バルジェッロ美術館に展示されているミケランジェロのブルータス像があったと記録されています。その後、徐々に装飾が加えられ、19世紀後半にイタリア王ヴィットーリオ・エマヌエーレ二世とその妻ロジーナが普段の居城であるピッティ宮殿を離れてくつろぎの時を過ごしたのがこの別荘です。

オフィシャルページ Firenze - Villa medicea della Petraia

メディチ別荘 ペトライア 遊戯の間

遊戯の間。ビリヤード台、カルタ遊びの机や、会話を楽しみながらパイプを吸う為の変わった形の椅子、ボードゲーム、すごろく、など沢山のゲームが置かれている部屋です。

ウテンス メディチ別荘 ペトライア

メディチ家所有の別荘を描いた半月型の絵画シリーズ。メディチ別荘アルティミーノに置かれていたものが、現在はこちらにあります。ジュスト・ウテンス作。これはラ・ペトラーイア荘の16世紀末の様子です。

メディチ別荘 ペトラーイア 

入ってすぐの中庭。もともとは吹き抜けだったのが、19世紀終わりに屋根がつけられ舞踏の間として利用されました。一面の壁画はヴォルテッラーノコジモ・ダッディによるもので、16世紀から17世紀に描かれました。

メディチ別荘 ペトライア フィグリーナの階

建物内から見た庭。フィグリーナの階と呼ばれる庭から一段上がった場所です。真ん中に置かれているのはコピーですが、もともとはおとなりのメディチ別荘カステッロにあった、ジャンボローニャの彫刻、ヴィーナス・フィオレンツァです。オリジナル作品は普段は建物内に展示されていますが、2018年1月21日まではストロッツィ宮殿の特別展示Il Cinquecento a Firenzeに貸し出されています。ブログ記事→ ストロッツィ宮殿で今日から!: フィレンツェ1500年代展

メディチ別荘 ペトラーイア

ブロンズ製プット。もともとは近くのもう一つのメディチ別荘カステッロの噴水ですが、現在はここラ・ペトラーイアにあります。アンマンナーティ作のヘラクレスとアンテオの噴水の水盤の縁にいるのが、このプット。レオナルド・ダ・ヴィンチの甥、ピエリーノ・ダ・ヴィンチ作。

メディチ別荘 ペトライア トワレット

19世紀終わりの陶器製人形型お香立て。シャワーを浴びる事の滅多にない時代の王侯貴族の日用品です。

メディチ別荘 - ヴィッラ・ディ・ポッジョ・ア・カイアーノ

ルネサンスの別荘建築の雛形にもなったジュリアーノ・ダ・サンガッロの設計。内部にあるポントルモのフレスコ画"ウェルトゥムヌスとポメーナ"がメディチの賞賛を今も続けます。

ヴィッラの2階(日本式には3階)に静物画美術館が2007年、オープンしました。要予約。

オフィシャルページ Poggio a Caiano(PO) - Villa medicea di Poggio a Caiano e Museo della Natura Morta

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メディチ別荘ポッジョ・ア・カイアーノ へ行く

メディチ別荘 ポッジョ・ア・カイアーノ 外観

ヴィッラの外観。正面の曲線を描く階段は1800年代初期パスクアーレ・ポッチャンティ設計によるものです。ジュリアーノ・ダ・サンガッロ設計の15世紀当時のものは真っ直ぐ。オリジナルの姿はラ・ペトラーイア所蔵のウテンスの絵画に見ることができます。

劇場

トスカーナ大公ピエトロ・レオポルドの時代の劇場。奥の絵画"アポッロとミネルヴァ"はナポレオンの妹エリーザ・バチョッキの注文。

ポントルモ ウェルトゥムヌスとポモーナ

レオ10世の間にある大きなフレスコ画、ポントルモの代表作の一つ、ウェルトゥムヌスとポモーナ。

ヴィッラ・デミドフ

メディチ家のフランチェスコ一世がブオンタレンティに設計をさせ造った別荘。なんと、ウフィツィの建設費用の約2倍の資金が使われました。残念ながらフランチェスコ一世の後は打ち捨てられ放置され、後になってロシアの富豪デミドフ家(ロシア語の発音はディミードヴ)が買い取り整備したのがおおよそ現在の姿です。現在、冬期を除いて公園として解放されており、週末は家族連れなどで賑わいます。フランチェスコ一世の時代のものでは、ジャンボローニャの巨大な彫刻、アッペンニーノがあります。その他、失われてしまった数々の水を使ったからくりや建物は、ジュスト・ウテンスの絵画に見られます。(メディチ別荘ラ・ペトラーイアに展示されています。)

オフィシャルページ Parco mediceo di Pratolino - Visitare il parco

メディチ・デミドフ別荘 ヴァスカ

数少ないフランチェスコ一世の時代のもの。

メディチ・デミドフ別荘 ジャンボローニャ アッペンニーノ

ジャンボローニャ作、アッペンニーノ。一般公開はされていませんが、裏から彫刻の中に入れるようになっていいます。

メディチ・デミドフ別荘 プラトリーノ 礼拝堂

デミドフ時代の礼拝堂。

メディチ別荘 - ヴィッラ・ラ・クイエーテ

メディチ家最後のメンバー、アンナ・マリーア・ルイーザにゆかりの深い別荘。2017年になって一般公開されました。ラ・クイエーテという別荘の名前は、1632年にジョヴァンニ・ダ・サン・ジョヴァンニが描いたフレスコ画のタイトル、"La Quiete che pacifica i venti ラ・クイエーテ(静寂)は風をなだめる"  に由来します。

見学無料、要予約。

オフィシャルページ Villa La Quiete

旧ブログ記事 メディチ別荘 ラ・クイエーテ 特別展

メディチ別荘 ラ・クイエーテ イタリア式庭園

ラ・クイエーテの建物側から見た庭園。鍛鉄の門も美しい。

メディチ別荘 ラ・クイエーテ

最近公開になったばかりの絵画コレクション。一番右はボッティチェッリの作品。

メディチ別荘 ラ・クイエーテ 内部

建物内部の様子。アンナ・マリア・ルイーザ・デ・メディチが暮らした18世紀のフレスコ画です。

メディチ別荘 - チェッレート・グイーディ

コジモ一世が狩の為に、また新しい支配者としての権威を示す為に建たのがこの別荘。コジモ一世の娘、イザベッラがその夫パオロ・ジョルダーノ・オルシーニに殺されるという事件がここでありました。別荘内の床空いている穴は、下の階のベッドで寝ているイザベッラ殺害の為に仕掛けた紐を通した跡だ、と言われています。(穴が小さすぎるので、事実ではないらしいのですが。)フィレンツェにあるメディチ・リッカルディ宮殿のオリジナルの木製扉も展示されています。内部には狩猟の道具などを集めた美術館があります。

レオナルド・ダ・ヴィンチが生まれたヴィンチにほど近い場所にあります。1日あれば、エンポリ、モンテルーポ、などの小さな街と合わせて回ることができます。

オフィシャルページ Cerreto Guidi (FI) - Villa medicea di Cerreto Guidi

メディチ別荘 チェッレート・グイーディ

特徴的な圧倒するような階段。正確な歴史資料がないのですが、ブオンタレンティ設計と考えられています。

メディチ別荘 チェッレート・グイーディ

階段を登った後に見えるメディチ別荘チェッレート・グイーディ

チェッレート・グイーディ サン・レオナルド教会

別荘の真横にある、サン・レオナルド教会。別荘と内部で繋がっていて、一旦外に出る事なくミサなど宗教行事に参加できるようなっています。ここはちょうどその別荘側から入ったところ。テラスのようになっています。

 

メディチ別荘 - ポッジョ・インペリアーレ

16世紀後半よりメディチ家所有のヴィッラ。ポルタ・ロマーナ(ローマ門)から真っ直ぐのびる坂道を登った先、フィレンツェ中心地から一番近いヴィッラです。バロック様式と、ネオクラシック様式の建物。2013年にユネスコ世界遺産として登録されました。フィレンツェにモーツァルトが訪れた際にここでコンサートが開かれました。(コンサートが開かれた部屋は非公開)

現在は国立寄宿学校として使われています。見学は要予約。

オフィシャルページ Educandato Statale SS.Annunziata, Villa del Poggio Imperiale

ポッジョ・インペリアーレ 謁見の間

教室として現在も使われているこの部屋は、マリア・マッダレーナ・ダウストリアの謁見の間でした。

ポッジョ・インペリアーレ 食堂

食堂

中国趣味の部屋

1700年代に流行した中国趣味の部屋。