ウフィツィ美術館
-ウフィツィ美術館のなちたち (それと、よく間違われる発音について)
13の省庁を入れるためにコジモ一世の命を受けたジョルジョ・ヴァザーリが設計した1560年の建物。
"ウフィツィ" という名前はイタリア語の"役所"を表す単語で、今でも役所であった名残を建物の造りから見る事ができます。
→イタリア語の役所 - Ufficio/Uffici(単数形/複数形) 宗教や伝統的な使い方の役所 - Uffizio/Uffizi
発音はどちらかというと"ウッフィーツィ"が近いです。ウフィティでもウフィッチでもウフィッツでもありません。そして"Gli Uffizi"と定冠詞のGliをつけて言うので、"lgぃ ウッフィーツィ"と、カタカナで書けない発音になります(!)
-ウフィツィ美術館 所蔵作品 (詳細は下の画像へ)
現在のコレクションはメディチ家の所有していたものに加えて、ウルビーノ公デッラ・ローヴェレ家の最後の人物であるヴィットーリアが、フェルディナンド2世との婚姻によってフィレンツェにもたらしたウルビーノのコレクション、ロレーヌ時代のもの、コンティーニ・ボナコッシコレクションの寄贈などに加えて、現在でもオークション出品作品など重要であると認められると国の予算で購入されるなど、膨大な作品点数になります。
主要作品は、ジョット、フィリッポ・リッピ、ピエロ・デッラ・フランチェスカ、ボッティチェッリ、ミケランジェロ、ラッファエッロ、ポントルモ、ブロンズィーノ、ジョルジョーネ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ティツィアーノ、カラヴァッジョ、などの、美術の教科書に載っているような名画も豊富にあります。
古代の彫刻から、イタリアだけでなくヨーロッパの巨匠、レンブラント、ベレスケス、エル・グレコ、ルーベンスまで。思わぬところに名作も潜んでいますので、できたらゆっくりと時間をかけて美術館内でお過ごしください。
見晴らしの良いカフェテラスで休憩を入れての美術館鑑賞もおすすめです。
-ヴァザーリの回廊
ウフィツィ美術館は、お隣にあるヴェッキオ宮殿とアルノ川の向こう側のピッティ宮殿とは1565年に増築されたヴァザーリの回廊でつながっています。
詳細はこちら↓
-ウフィツィ美術館 館内マップ
分かりやすいウフィツィ美術館オフィシャルサイトのリンクです。↓
受胎告知 -シモーネ・マルティーニ
この写真は作品の一部で、大天使ガブリエルが描かれている部分です。天から舞い降りたばかりのガブリエルのマントはまだ宙を舞っています。この、波のうねるようなラインの美しいゴシック絵画の代表作、もともとはシエナ大聖堂に祭壇画として置かれていたものです。(作品全体)
トリブーナ
最上階、第一廊下の途中にある特別なこの部屋、大公フランチェスコ一世が、ブオンタレンティに設計させ1570年代に完成しました。それから各時代の最高の作品がこの部屋に置かれることになります。ヨーロッパ各地にある"wunderkammer-驚異の部屋"のひとつでもあり、錬金術の考えが設計自体に含まれます。フランチェスコ一世はヴェッキオ宮殿にも同じ考えを元にした書斎をつくらせています。この写真の中央に見えるのは、メディチのヴィーナス。ウフィツィ美術館が開館した1700年代後半はこの作品が目玉作品でした。ナポレオンに一度持ち去られますが、現在は無事にここでオリジナルを見ることができます。
受胎告知 -レオナルド・ダ・ヴィンチ
レオナルド・ダ・ヴィンチ若かりし頃、師匠アンドレア・デル・ヴェッロッキオの工房を独立して初めて一人で描き上げた作品です。数学者としての一面も見られる計算され尽くした作品です。遠近法と騙し絵の手法が取り入れられており、現在の展示室に入った時の角度くらいから鑑賞するのが画家が狙った場所になります。この二人の登場人物がいる場所はフィレンツェの丘の上の教会前とも考えられます。そこは、作品が実際に置かれていた教会です。
聖家族 トンド・ドーニ -ミケランジェロ・ブオナッローティ
フィレンツェの貴族、ドーニ夫妻に長女が授かった折の注文作品。ミケランジェロがデザインした額縁に夫婦の紋章が見られます。後には古代彫刻に影響を受けたポーズの裸の人たち、前面には幼いキリストとマリア、ヨセフの聖家族が描かれており、複雑な構成はキリスト教の考えに基づいていると考えられます。-photo by Yair Haklai
ウルビーノのヴィーナス -ティッツィアーノ・ヴェチェッリオ
ティツィアーノの代表作。1500年代絵画コレクションの区画の奥にあります。エドゥアール・マネがオランピアで参照した作品です。新しいところでは美術作家森村泰昌の引用もあります。ティツィアーノ自身は彼の友人であり師匠でもあるジョルジョーネの眠れるヴィーナスに影響を受けています。その作品をジョルジョーネの没後に仕上げたのもティツィアーノ。過去から現代まで生き続ける作品です。この作品の注文者デッラ・ローヴェレ家グイドバルド二世の肖像画は、同じくフィレンツェのピッティ宮殿にあります。
ひわの聖母子 -ラッファエッロ・サンツィオ
ウフィツィ美術館の有名な作品のひとつ、若きラッファエッロがフィレンツェ滞在時に描いた"ひわの聖母子"。手前左の洗礼者ヨハネと、右側のイエス・キリストが手にしているのが鳥のひわ、キリスト教において受難のシンボルです。制作年は1506年頃、その後の1547年にコスタ・サン・ジョルジョ通りにあった注文者の家もろとも落石で破損してしまいます。1520年に没したラッファエッロ本人の修復は叶わず、友人かその周辺にあった者の手により修復、そして近年はフィレンツェの修復工房オピフィーチョ・デッレ・ピエトレ・ドゥーレにて現代の修復がなされています。レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロの影響を受けつつもラッファエッロ独自の調和の取れた名作です。
ウフィツィ美術館 インフォメーション
所在地
Piazzale degli Uffizi, Firenze
開館時間
火-日 8:15-18:50
(チケット売り場は18:05まで)
閉館日
月曜日、1月1日、5月1日、12月25日
*臨時の職員会合やストライキがまれにあります。
所要時間
約1.5〜4時間 (お好きであれば丸一日でも)
注意事項
- 水の持ち込みは500ml以下まで。飲み薬、哺乳瓶の持ち込みは可能。
- 大きなカバン、リュック、長傘はクローク(無料)に預けになります。
入館料
11〜2月: €12
3〜10月: €20
時間指定予約はそれぞれ+€4
フィレンツェカードについてはこちら↓
年間パスなどについてはこちら↓
共通券についても触れています↓
ウフィツィ美術館オフィシャルサイト
-LE GALLERIE DEGLI UFFIZI -Gli Uffizi-
ウフィツィ美術館チケット予約購入公式ページ (英語・伊語)
-SITO UFFICIALE DELLA BIGLIETTERIA DEI MUSEI STATALI FIORENTINI-